Geezシャフト愛用者のSOさんがトリファイドバーズアイメープルのGeezシャフトを買ってましたので紹介します。
この記事の内容 |
1.トリファイド加工とは
シャフトの紹介の前に、まずはトリファイド加工について説明します。
トリファイド加工とは、木材に特殊な熱処理を加え細胞構造を変化させる科学的な手法で、木工の世界では古くからある技術です。細胞構造の変化により木材が強化、安定化され、水分量が減ることで軽くなり、曲がりにも強くなります。
トリファイドウッドはギターなどの楽器にも昔から使われていて、これを用いれば、何十年も使い込んだギターでしか出せないような枯れたサウンドを新品のものでも実現することができるんだそうです。
このような特徴のトリファイドウッドで作られたビリヤードシャフトは以下のような特徴になります。
・硬くなることでパワーが増す
・水分量が減ることで軽くなる
・水分量や密度が均一になることで曲がりにも強くなり、個体差も減る
・軽量化されることでシャフト先端も軽くなり、トビが少なくなる
・打感と音が良くなる(使い込んでよく締まったシャフトのように)
・熱処理により濃い茶色になる
見ての通り、カーボンとノーマルの良いとこどりみたいな性能ですね。濃い茶色なので、カーボンの黒色が嫌だって人にも良いだろうし。
良いことづくめですが、1つ問題があるとしたら軽くなるということだと思います。トリファイドシャフトは水分量が減ることで、90g前後とかなり軽くなります。軽いからと言ってパワーロスにはなっていないのですが、前バランス好きな人にとっては好みよりも大幅に後ろバランスになってしまう可能性があり、抵抗がある人もいるかもしれません。
その点、早川工房のトリファイドシャフトはウェイト調整できるようになっていますし、この後紹介するGeezのものは重さの指定ができるようになっているので、その心配はありませんね。
ちなみにトリファイドシャフトという呼び名が広まっていますが、キールウッドシャフトとも呼ばれます。
このトリファイドシャフト、早川工房がリリースしたことで話題になっていますが、実は昔からありました。
例えば、OBのフェニックスシャフト。当時は「なんだこの色?」「なんでこんなに高いんだ?」って思ってましたが、シャフト価格も高騰している今の基準で考えるとだいぶ安いですね(当時税込¥33,957)。
OB フェニックスシャフト 出典:ニューアート
たぶんもう入手不可能だと思いますが、当時はそんな良いものだって全然知らなかったな。。
ちなみにこれも僕が知っている個体は90gぐらいでかなり軽かったです。
2.【focus1】トリファイドバーズアイメープルのGeezシャフト
それではここから、SOさんがオーダーしたシャフトを紹介していきますが、実はこのシャフト、すでに売り出されているfocus1というシャフトのオプションの1つなので、まずはfocus1について簡単に説明します。
(1) focus1とは
focus1とは従来のGeezシャフトよりも大幅にカスタムの自由度が増したシャフトで、こちらのオーダーフォームを見てもらうとわかるんですが、スペックは以下のように自分で自由に選ぶことができます。
木材 | 以下から選択可能 ・ハードメープル ・カーリーメープル ・バーズアイメープル ・8枚ハードメープル ・8枚カーリーメープル |
重さ | 112g~130gの範囲で指定可能 |
長さ | 730mm~760mmの範囲で指定可能 |
先角素材 | 以下から選択可能 ・人工象牙 ・エルフォリン ・ポリカーボネイト |
先角径 | 11.7mm~12.2mmの範囲で指定可能 |
先角長 | 好みの長さに指定可能 |
タップ | 以下から選択可能 ・Geezタップ S Plus ・Geezタップ MH |
見ての通り、素材から長さ、重さまで自由です。ただ、先角径は選べるもののテーパーは選べません。テーパーについてはこのあとで細かい数字も紹介します。
通常は上記5種類の木材から選択可能なんですが、今回SOさんは限定入荷したトリファイドウッドでオーダーしています。
(2) トリファイドバーズアイメープルシャフトの外観
ではここからSOさんのシャフトを紹介します。
まずは全体写真
バーズアイの木目がびっしり。ずいぶん濃い茶色で、むしろスネークウッドに見えますね。
90度回転させると、バーズアイ独特の不規則な虎目模様も見えます。
アップで
テーパーはこんな感じ。focus1のオーダーフォームにも書いてあるのですが、Geez特有のロングストレートテーパーを改良して、ジョイント部分が少し太めになっています。詳しい数字はこのあと紹介します。
リングはSOさんのジョスウェストのリングを移植しています。今回もGeezのロゴやネームはなし。カスタムキューの場合はないほうがいいですよね。
SOさんが選んだ先角素材は人口象牙。本物みたいですね。
ちなみにSOさんは自分で好きなタップを付けたい人なので、納品されたものにタップは付いていませんが、通常はGeezのオリジナルタップが取り付けられてきます。
最後にバットとつないだ写真。バットのスネークウッドとも合っていていい感じ。
(3) focus1のテーパー
今回のシャフトもSOさんに部位ごとの太さを測ってもらいました。他メーカーのシャフトのデータがショップキューズコムの商品ページ(左記リンクはREVO12.4のもの)に載っていますので、それらと比較した内容はこちらです。(先角径の細い順)
3番目がGeezのType S、5番目が今回紹介するfocus1です。先角径はSOさんがオーダーした通り12.0mmですが、根本にいくにつれてType Sよりも太くなっているのがわかりますね。
(4) SOさんのレビュー
SOさんから使用感も教えてもらいました。
タップはハイブリッドマックスをつけていますが、やはり音はかなり良いそうですね。
性格的にはスピン性能よりもパワー寄りで、スタン系のショットはやりやすいみたいです。
当然、トビはほとんどないと。
まだそんなに撞いてはいないようなので、あくまで参考まで。
(5) 価格
価格はなんと他の木材と同じです。
73,000円(税別)
先日Twitterで告知されていましたが、5本限定入荷だったみたいです。今後入荷するのかはわかりません。
【 数量限定 Roasted Birds Eye 】
新木材
ローストバーズアイメープル
5本のみ入荷‼️渋い見た目で音が良い😊
先着4名様のみ🙇♂️
※すでに1本予約済みhttps://t.co/N7ltQjkGRp
オーダーフォームのメッセージより
「ローストバーズアイ希望」
とご記入ください。#geez #ビリヤード #限定 pic.twitter.com/x0kXlC4JVq— Geez Cue (@geez_cue) June 28, 2022
3.まとめ
いかがでしたか?
最近話題のトリファイドシャフト。
今後、通常のラインナップに加わるのかはわかりませんが、同じ値段ならこっちのほうが良いなあと僕は思います。
ずっとノーマルでやってきた僕ですが、以前撞かせてもらったSOさんのGeezは本当に良かったので、正直気になってます。
まあ高いんで、たぶん簡単には買えませんけど笑
以上です。こちらの記事も良かったらご覧ください。