こだわりの男、モスモスさん専用のチョークケースセットを作りました。
この記事の内容 1.モスモスさんに会ってきた! 2.モスモスさん専用チョークケースセット 3.続く |
1.モスモスさんに会ってきた!
先日ついにモスモスさんにお会いすることができました!
初めてなのに全然そんな気しなかった笑
会うなりまずお願いしたのが僕のOMENのシャフト2本のタップ交換。
付けてもらったのはBIZENのM(非売品)を僕の好みに合わせて硬く締めてくれたものと、オソマタップというお店の常連さんが自作しているタップ。
そしてその様子を動画に撮らせてもらいました。
僕は自分でもタップ交換できますが、やはりタップ神のタップ交換を見ておきたかったし、記事にしたかった。
皆さんも興味がありますよね?
近いうちに記事にします。
とこんな感じでだいぶお世話になりましたので、そのお礼をすることになりました。
2.モスモスさん専用チョークケースセット
(1) こだわりの男、モスモスさんのオーダー
何を作りましょうか?と聞いたところ、モスモスさんからノータイムで返ってきたのは、まさかのチョークケース。
超意外でした。
と言うのもモスモスさんがチョークケースにこだわっているイメージが全くなかったからです。
ところがモスモスさん、チョークケースにはかなりのこだわりがあるらしく、市販の物から職人に作ってもらったものまで、これまで色んなチョークケースを使ってきたそうです。
あぁ、これはヤバいオーダーくるなと覚悟を決めました笑
こだわりが強い人のオーダーはヤバいんですよ、SOさんとかね笑
① モスモスさんの歴代チョークケース
ここでモスモスさんの歴代チョークケースたちの一部を紹介
右2つは市販のTicoのチョークケースですが、左の2つが超個性的
左がアルミ加工の職人さんに作ってもらったもので、サイコロをモチーフにしています。
右は歯科技工士の方に頼んで、歯に詰めるシルバーの素材で作ってもらったもので、そこにモスモスさんが自分で革を貼っています。これは底のほうに細いイモネジの穴が対角線に2個開いていて、それを締めてチョークを固定できるようになっているそうです。
他には市販品ですとこんなのも。
これらのチョークケース、それぞれ良かったものの、サイズや重さなど100点満点とはいかなかったようで、モスモスさんは今はカムイのチョークシャークに落ち着いています。
ただ、これにも満足しているわけではなく、
・見た目がシンプルすぎ
・チョークケースが深すぎ
・磁力が強すぎ
このへんが不満だそうです。
モスモスさんは古い貴重なチョークを使ったりするので、チョークのラベルが隠れちゃうのが嫌なんですって。さすがこだわりの男。
② モスモスさんのオーダー
スペック
というわけで今回、これらの不満をすべて解消すべく、モスモスさんが提示したオーダーがこちら。
・チョークケースは浅めであること ・マスキングテープなしでチョークを固定できること ・高さ調節できること ・ふたがあること |
これは難題だなと思いました。
というのもモスモスさんは色んなチョークを使うからです。
チョークは銘柄によってけっこうサイズが違います。
しかもモスモスさんは古いチョークとか使うので、規格外のサイズのやつとかあるんじゃないかとビビりました。
幸い、そんなにサイズに幅はなかったので、最終的にはそこまでハードル高くなかったんですけどね。
デザイン
次にデザイン、モスモスさんは先日記事にしたピュアアマコンペに提供したこの迷彩のチョークケースが好みだったとのこと。
そこで、迷彩が好きならこれよりもこっちの革はどうですかと提案したのが、僕が大好きなエルヴァケーロです。
モスモスさんも一目でこの革を気に入り、この下の左から3番目をチョイス。
僕が好きな革を気に入ってくれて僕もテンションが上がりました!
そしてケースの裏地に使うのは、しっかりとチョークをホールドしてくれる豚革のスエード、色はたまたま手元にあった右側の迷彩のほうに決定。
裏表どっちも迷彩なので、クドイかなと思ったんですが、結果そんなことは全くありませんでした。
(2) モスモスさん専用チョークケースセット完成
こんな感じで完成したチョークケースセット一式がこちら。作り方はいつもと同じなので、製作工程は省きます。
① チョークケース
まずはチョークケース、新品のチョークが半分隠れるぐらいの深さ。このへんは希望を細かく確認しました。
革の継ぎ目はここ。
内張はカモフラの豚革を折り返し。
底面
今回このケースを2つ作りました。
1個は予備ですが、2つ作ったのにはもう1つワケがあります。
もともとふたが欲しいというオーダーだったのですが、ふたには少し難しい部分があるとお伝えしたところ、プレー後はこのケースにチョークをひっくり返してしまえば良いから、やっぱふたは要らないってことになってたんです。
でも欲しいと言っているものを諦めさせてしまうのもなんだかなとモヤモヤしていました。
てことでもう1個作りました。
ケースが2つあれば、一応こうやってふたとしても使うことができますからね。
浅いチョークケースだからこその使い方ですね。
② チョークホルダー
続いてはチョークホルダー
こっちが表面
こっちが裏。これもどっちを表にするか相談して決めました。
裏地
チョークケース装着
ちなみに僕は普段、チョークホルダーの角はもう少し丸くするんですが、モスモスさんはこの角を残してほしいとのこと。
こういうところは全部細かく確認しながら進めます。
サイズも会った時に希望を聞き、チョークシャークと同じぐらいの位置に磁石がくるよう、普段僕が作るものより、長さは短めにしています。仕様上の都合で少し長めですが。
あとは磁力も相談して細かく決めました。カムイのチョークシャークは確かに強力過ぎるぐらいだったのですが、それに慣れている人からすると僕のやつは逆に弱いと感じるかもしれない。
必要なら磁石を2倍にすることも考えましたが、その日1日僕のチョークケースとホルダーを使ってもらって、これで良いとのこと。磁石は表裏1個ずつです。
③ 高さの調節
以前、僕はこういうものを作っていました。
名付けてチョークパッド
磁石を仕込んだ箱型の座に革を巻いて、チョークの下に貼り付けてるんですが、この方式ならパッド内の磁石とケース内の磁石がくっついて外れないし、底上げもできるしで一石二鳥なんですが、この方式は不採用になりました。
てことで、単に革を貼り合わせたスペーサーを2つ作りました。
見えるところはエルヴァケーロ、内側に重ねているのは先日買った床革。
四角く切って、木工ボンドで貼り合わせ、断面を磨いただけです。
スペックについて、1センチ底上げするとした場合、0.5センチを2つ作るのか、0.5センチと1センチが1個ずつあったほうが良いか聞いたところ、0.5センチと1センチを1個ずつとのこと。
そのほうが使い勝手いいですよね。
実際はケースが浅くて1センチは底上げできないので、0.7センチと0.4センチを1個ずつ作りました。
これをこうやってケースに敷いて使います。やっぱり同じ革で作ると統一感があって良いですね。
④ 横幅の調節
モスモスさんが使うチョーク、サイズに大きな違いはありませんでしたが、実は同じ銘柄のチョークでもサイズに個体差があったりしますし、背が低くなってスペーサーで底上げするようになると、どうしても緩くなってしまいます。
そんな時に、横幅をきつくして落ちないようにするための工夫も必要です。
モスモスさんがこれまで使ってきたケースはサイズが大きめだったので、マスキングテープを巻いて使っていましたが、チョークのラベルを隠したくないモスモスさんがこんなのを好むはずもありません。
ということで、空いた隙間に挟む革を差し上げることにしました。
エルヴァケーロが使えればベストなんですが、厚みが0.7mmなので厚すぎ。
そこで使ったのがこれ。ミズヘビの革、薄さわずか0.3mm。
色は黒が良いということなので、ちょうど良いサイズにカットしました。予備含めて2枚。
これをどう使うかというと、まずこうやってケースの上に乗せます。
そのまま上からチョークを押し込みます。
これで0.6mm分の厚みを埋めることができ、緩かったチョークもしっかりホールドできます。
チョークを抜くとこんな感じになっています。この奥と手前の隙間をミズヘビ革が埋めている感じですね。
これで今回のオーダー品がすべてそろいました。
3.続く
先日モスモスさんにお会いした時、タップを2つ付けてもらい、動画も撮らせてもらっただけでも十分だったんですが、さらにたくさんプレゼントをいただいちゃいました!
上は古い貴重なチョーク4個、下は左から100年前の超貴重なオールドタップ、非売品のBIZENのSを僕に合わせて硬く締めてくれたもの、MMT(モスモスタップ)というモスモスさんがブルータップを締めて作っているオリジナルタップ3つ(これも僕に合わせたぬブロカスタム)と、オソマタップ1つ、その横の3つはオソマさん本人からいただいたオソマタップ。
いやいや、こんなにいただいちゃったら、これはまたまた恩返しが必要ですって。。
ってことでまたなんか作ります。
まだオーダーはきていませんが、なんかまた難題がくるんだろうな。
まあ、そういう難題を1つずつ解いていくのが好きだったりもするんですが。
その模様はまた別の記事で。