ビリヤードキューのグリップにはどんな種類があるの?
グリップ交換したいんだけどどうすればいいの?
そんな疑問にお答えします。
この記事の内容 1.ビリヤードキューのグリップが大事な理由 2.ビリヤードキューのグリップの種類と特徴と選び方 3.ビリヤードキューのグリップを交換するには 4.まとめ |
1.ビリヤードキューのグリップが大事な理由
ビリヤードキューのグリップとは、キューのデザインを左右する大事なパーツであり、プレー時に利き手で触れる唯一の場所です。
自分好みのかっこいいデザインにして気分やモチベーションを上げるためにも、自分のプレースタイルに合った素材にしてプレーのアベレージを上げるためにも、自分好みのグリップを使うことはとても大事なことですね。
2.ビリヤードキューのグリップの種類と特徴と選び方
(1) グリップの種類
ビリヤードキューのグリップは主に以下の4種類です。
・糸巻き ・革巻き ・ノーラップ(ウッドグリップ) ・ラバー(ゴム) |
糸巻き
糸巻きグリップとはアイリッシュリネンという糸を巻いたグリップです。リネンとはいわゆる麻のことですが、アイルランド産のアイリッシュリネンは一流ホテルのシーツやタオルにも使われていて、最高品質と言われる素材です。
ビリヤードの初級者にとってもっとも身近なのは糸巻きではないかと思います。初めてのマイキューにアダムやMEZZのお手頃なシリーズを選ぶ人は多いと思いますが、それらに標準装備されているのは糸巻きが多いですからね。
出典:ニューアート
革巻き
革巻きグリップとはその名の通り動物の革を巻いたグリップですが、ポピュラーな牛革、豚革だけでなく、トカゲ革、サメ革、象革など様々な動物の革が使われます。
糸巻きと革巻き、どちらがユーザーが多いか不明ですが、一番人気は革巻きだと思います。安価なキューには革巻きのものはほとんどないので、糸巻きのキューを買って、いつかは革巻きにしたいなと思っている人多いんじゃないでしょうか。
出典:ニューアート
ノーラップ(ウッドグリップ)
ノーラップとはウッドグリップとも呼ばれ、糸も革も何も巻かれていない木のグリップです。下の画像はボコテという木のグリップですが、他にもメープル、ココボロ、黒檀など、数えきれないぐらいの種類があります。
ノーラップはブレイクキューやジャンプキューには多いですが、プレーキューには糸巻きや革巻きほどユーザーは多くないと思います。
出典:ニューアート
ラバー(ゴム)
ラバーグリップとはゴムのグリップです。プレーキューに使われることは少ないですが、ブレイクキューにはよく使われているグリップです。糸巻きや革巻きに比べると、ラバーグリップのキューは近代的なデザインが多いですね。
出典:ニューアート
その他のグリップ
その他にも合皮、ハイブリッドレザー、スタックレザー(細い革を巻き付けたもの)なんかもありますし、テニスのグリップを巻いている人もいます。早川工房ではコルク巻きも扱っていますね。
ハイブリッドレザーのグリップ 出典:ニューアート
スタックレザーのグリップ 出典:ニューアート
(2) 各種グリップの特徴
ここから各種グリップの特徴を説明します。
① 糸巻き
糸巻きにはこんな特徴があります。
・滑る(良い意味で) ・吸水性が高い ・カラーバリエーションが豊富 |
滑る
滑るというのは良い意味です。ビリヤードのプレー中、手球の位置は台の中央だったり、クッション際だったり毎回変わりますね。それに応じてフォームも変わり、グリップする前後の位置を微調整する場面が必ずあるのですが、そういった時に手の中で滑りやすい糸巻きは微調整がしやすいです。
かと言って、滑って球が撞けないということは全くありません。その感じがちょうどいいんですよね。
吸水性が高い
糸巻きは吸水性が高いので、手汗をかく人には良いと一般的に言われます。
ただ僕はそんなに吸水性は高くないと思います。たしかに多少は手汗を吸うには吸うんですが、夏とか手汗をかきやすい時期は手汗を吸いきれずに表面がべたついてきて不快だった記憶です。ろくに手入れをしなかったせいかもしれませんが。
カラーバリエーションが豊富
糸巻きはカラーバリエーションが豊富なので、キューのデザインや好みに合わせて色を変えることができます。いくつか実例を紹介します。写真が小さくてよくわからない場合は、画像下のリンクにとんでください。
出典:ニューアート
出典:ニューアート
出典:ニューアート
出典:ニューアート
出典:ニューアート
出典:ニューアート
② 革巻き
革巻きにはこんな特徴があります。
・見栄えが良い ・バリーションが豊富(見た目、手触り、特徴など) |
見栄えが良い
補足するまでもありませんが、やはり本革は見栄えがすると思います。トカゲ革や象革ならなおさらですね。
なお、安価なキューには革巻きが標準装備されているものは少なく、あったとしても牛革がほとんどなので、最初からトカゲ革や象革を巻いているのは高価なカスタムキューぐらいです。そういう革を巻きたければ、工房に頼むか自分で巻き替えが必要になります。
バリエーションが豊富
革巻きに使われる革には牛革、豚革だけでなく、トカゲ革、サメ革、象革など色々あるので、革の模様、色など見た目だけでなく、手触り、吸水性など特徴も違うので、選択肢がとても豊富です。例えば手汗が気になるなら水気に強いサメ革とか、糸巻きのように滑らせたいなら表面がツルっとした豚革とかですね。
いくつか実例を紹介します。写真が小さくてよくわからない場合は、画像下のリンクにとんでください。一番人気はトカゲ革だと思います。
牛革
出典:ニューアート
豚革
出典:ニューアート
トカゲ革
出典:ニューアート
サメ革
出典:ニューアート
象革
出典:ニューアート
なお、革巻きに使われる革の種類や特徴についてくわしくは、「ビリヤードの革巻きの種類と革の選び方【種類別の革巻き実例あり】」にまとめていますので、興味がある人はそちらをご覧ください。
③ ノーラップ(ウッドグリップ)
ノーラップにはこんな特徴があります。
・打感を感じやすい ・滑る、滑らないは人による ・メンテナンスが楽だが交換できない ・見た目のバリーションが豊富 |
打感を感じやすい
特に革巻きやラバーグリップの場合、手球を撞いた時の感覚を革やゴムが多かれ少なかれ吸収してしまいますが、ノーラップはグリップが木なのでダイレクトに手に伝わってきます。打感を大事にする人にとっては、ノーラップは良いと思います。
滑る、滑らないは人による
これは完全に人によると思います。手汗をかく人は滑ると感じるみたいですが、そんなに手汗をかかない僕は滑らないと感じます。ちなみにここでいう「滑る」というのは、糸巻きの滑ると違って、良い意味ではなく悪い意味です。手汗でヌルっと滑ってしまう感じですね。
メンテナンスが楽だが交換できない
糸巻きや革巻きは乾拭きしたり、気になるようなら専用のクリームを塗ったり手入れが必要で、劣化してきたら交換しなければいけなくなりますが、ノーラップは別に何もしなくても良いです。汚れてるなと思ったら拭けばいいだけです。
ただ、がっつり傷がついてしまった場合など交換できないのでそのまま使うしかなくなります。リペアショップに出せば修理してはもらえますが。
見た目のバリエーションが豊富
革巻きと違って手触りのバリエーションはありませんが、木なので色や木目など見た目のバリエーションはとても豊富です。いくつか実例を紹介します。写真が小さくてよくわからない場合は、画像下のリンクにとんでください。
メープル(カーリーメープル)
出典:ニューアート
パドゥーク
出典:ニューアート
縞黒檀(マッカーサーエボニー)
出典:ニューアート
チューリップウッド
出典:ニューアート
アンボイナバール
出典:ニューアート
なお、ウッドグリップに興味があるなら「ウッドグリップがかっこいいノーラップのビリヤードキュー16選」の記事もぜひご覧ください。
キューに使われる木のことをもっと知りたい人は「ビリヤードキューに使われる木の種類100選【実例紹介あり】」の記事もぜひ読んでください。
④ ラバー(ゴム)
ラバーグリップにはこんな特徴があります。
・滑らない ・劣化しても交換できない ・キューケースに入れづらい |
滑らない
これは人によるとかではなく、間違いなく滑らないです。好みにもよるとは思いますが、ブレイクキューなどとにかく滑らないようにしっかりグリップしたいなら、ラバーグリップが良いと思います。
劣化しても交換できない
ゴムは劣化すると、見た目がけっこう悲惨なことになりますが、そうなってもリペアショップなどでは交換ができません。そういう場合の選択肢は以下3つだと思います。
・糸巻きや革巻きに替える ・メーカーに交換してもらう(やってくれるか不明) ・ゴムグリップを装着する |
ゴムグリップというのは汎用的にすべてのキューに装着できる筒状の市販のゴムグリップのことです。ゴムではありませんがシリコン製のシルグリップが有名ですね。
シルグリップ 出典:ニューアート
キューケースに入れづらい
特にハードタイプのキューケースの場合ですが、キューを収納する筒の部分にバットを入れる際、ゴムが引っかかりがちです。最近のキューケースはそこも配慮して出し入れしやすいように設計はされているようですが、そうでないものはやはり出し入れの時にストレスになると思います。
(3) 自分に合ったグリップの選び方
滑るグリップは嫌だとか、手汗で困っているとか何か悩みがあるのなら、上で説明した特徴を参考に選んでみてください。特にこだわりや悩みがないのなら、好きなデザインで選べば良いと思います。
しかしさんざん悩んでグリップを替えてはみたものの、使っていくうちに他のも試したくなったり、デザインに飽きたりとかはあると思います。そうしたらグリップを交換すれば良いですね。糸巻き、革巻きなら相互に巻き替えが可能です。シルグリップなどを買えば、ラバーグリップにすることも可能です。ノーラップから他のグリップへの交換、ノーラップへの交換だけは自分でやるのは難しいですが、それもリペアショップなどに頼めばやってもらえます。
いずれ交換が必要になる時期もくるので、あまり悩まずに柔軟に考えましょう。
3.ビリヤードキューのグリップを交換するには
ビリヤードキューのグリップを交換したいと思ったら、お店に頼むか自分でやるかの二択ですが、基本的にはちゃんとしたお店に頼むのが良いと思います。ということで以下にグリップ交換してくれるお店をまとめました。
なお、僕は革巻きだけは自分でできるので、そのやり方も紹介します。
(1) グリップを糸巻きにするには
グリップを糸巻きにしてくれるお店をこちらにまとめました。
(2) グリップを革巻きにするには
① お店に革巻きを頼む
お店に革巻きを頼むなら、こちらの記事を参考にしてください。
② 自分で革巻きをするなら
自分で革巻きをするなら、こちらの記事を参考にしてください。わかりやすく解説しています。
(3) グリップをノーラップ加工、コーティングするには
グリップをノーラップ加工、糸巻きコーティングしてくれるお店をこちらにまとめました。
4.まとめ
いかがでしたか?
この記事が、ビリヤードキューのグリップ選びで悩んでいたあなたの助けになれば幸いです。
ビリヤードキューのグリップはそんなに頻繁に交換するものではないですから、できればずっと使えるものを選びたいですが、プレーしていくうちに好みも変わってきますから、あまり悩まずにいま気に入ったものを選べば良いと思います。
文中で紹介した記事を載せておきますので、あわせて読んでみてください。
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