ビリヤードキューのタップに座を入れている人は一定数いますけど、座って何のためにあるのかよくわからなくないですか?
この記事では
・ビリヤードキューのタップの座って何?
・座を入れると何かいいことあるの?
そんな疑問を解決します。
ビリヤードとモノづくりが好きで、色々なビリヤード用品を自分で作っています。
色々作っているうちに、道具の構造とか意味とかある程度詳しくなってきました。
タップの座って何のためにあるのかよくわからないですよね。
僕なりにわかりやすくまとめてみましたんで、興味のある方はぜひ読んでください。
1.ビリヤードタップの座とは?
(1) ビリヤードタップの座って何?
これが座です。
ビリヤードキューのタップと先角の間に挟んで使います。
座を使わない場合はタップを先角に直に接着しますが、座を挟む場合はタップと座、座と先角をそれぞれ接着するんですね。
下の写真、上のキューは白いのが座、下は赤いのが座です。
自分で座を入れることもできますが、カムイのクリアブラックのように最初からタップに付いているものや、314やイグナイトのように最初からシャフトに付いているものもあります。
(2) ビリヤードタップの座の材質
タップの座の材質として一般的なのはこちらです。
・ポリカーボネート
・ファイバー
・革
ファイバーというのは繊維ですが、何の繊維なのか不明です。
これ↓はニューアートで買ったのですが、商品コードに"FB"とあったので多分ファイバーですよね。
(3) ビリヤードタップの座の役割
座には以下のような役割があります
・先角の保護
・キュー先を見やすくする
・タップの厚みの補填
・ファッション
1つずつ説明します。
・先角の保護
タップ交換の際、古いタップを外してから先角の表面に付着したタップのカスをカッターなどできれいに削り落としますよね。
その時に多かれ少なかれ先角を削ってしまいますが、座を付けていれば先角を保護できます。
また、タップの側面を削る時に誤って先角まで削ってしまうことがありますが、それも座があれば先角へのダメージを防げる場合があります。
先角の交換を工房に頼むと¥7,000くらいかかりますから、できれば傷はつけたくないですよね。
でも座は安いのなら¥50くらいで買えますから、傷がついたって全く気にならないですよね。
・キュー先を見やすくする
これは座の色によるんですが、座を入れることでキュー先が見やすくなります。
例えばパワーブレイクのDIシャフトなんかがわかりやすいんですが、先角からタップの先まで真っ黒よりは、こうやって間に白い座が入っていたほうがタップの先端がどこにあるのかわかりやすいですよね。
ビリヤード場って薄暗い店もあるので、先角からタップの先まで真っ黒だと球触りしたりしそうですよね。
そういうことが多少は減るのではないかと思います。
・タップの厚みの補填
これについては僕はあまり必要性を感じたことはないのですが、座を入れればその分タップの厚みを補填することができます。
ストロークの時に手球ギリギリまでキュー先を持ってくる人がいますが、そういう人にとってはほんの少しの厚みの違いが違和感になるんですかね?
あとは打感の調整の意味もあるのかもしれません。
・ファッション
もともと座にこんな役割はないんですが、それを目的として座を入れている人もいます。
黒とか茶色いタップと白い先角の間に色違いの座が入っていると、アクセントになりますね。
透明の座なんかタップが浮いているように見えるので遊び心があっていいですよね。
(4) ビリヤードタップに座を入れると何が変わるの?
タップに座を入れることで、以下が変わります。
・打感
・打音
・パワー
・トビの量
少し補足します。
・打感
座の素材や厚みによって度合は変わってきますが、タップと先角の間に座が入ることで、手に伝わる感覚も硬くなったり柔らかくなったりします。
座が硬いほど打感もかたくなります。
極端な話ですが、革のタップで撞くのと樹脂タップで撞くのでは手に伝わる感覚が全然違うのと一緒ですね。
・打音
これも打感と同じですが、革のタップと樹脂タップでは音が全然違うように、座の硬さによって音が高くなったり低くなったりします。
座が硬いほど打音が高くなります。
僕はあまりこだわりはないんですが、手球を撞いた時の音を重視してる人っているんですよね。
音がいいほうが球が入るとかいうことはありませんが、要は球を撞いていて心地いいかどうかってことですよね。
なお、こちらのサイト↓に材質ごとの打感と打音の違いがわかりやすくまとめられていますので、興味のある方はご覧ください。ポリカーボネートのほうがファイバーより硬いんですね。
・パワー
座の硬さや重さによって手球に伝わる力も変わります。ただ座は薄いので重さによる変化はほぼないと思います。
座が硬いほど、座が重いほどパワーが増します。
ブレイクキューやジャンプキューに座を入れる時、座の硬さを意識せずに柔らかい座を入れてしまうと、クッションみたいになってパワーがダウンしてしまうこともあるので注意が必要ですね。
・トビの量
座の硬さや重さによってトビの量も変わります。こちらも重さはあまり影響はないように思いますが、
座が硬いほど、座が重いほどトビが大きくなります。
ハイテクシャフトは先角が短かかったり、シャフトの先端が空洞だったりしますよね。
それはシャフトの先端部を軽く柔らかくすることで、手球の端を撞いた時にシャフトが手球に与える横方向の力を減らして、手球が横にはじかれないようにしているのですが、座の硬さや重さが変わればトビの量も変わってくると思います。
ただし座って薄いし軽いので、トビの量が劇的に変わるというほどではないと思います。
2.結局ビリヤードタップに座って必要なの?
個人的には先角の保護のためにつけておいたほうがいいと思っています。
僕は頻繁にタップ交換をするわけではありませんが、先角が痛んでしまうと、交換しなければいけなくなったり、シャフトの寿命も短くなってしまいそうですからね。
ただ、もちろん人によって座を入れる理由、入れない理由があります。
ニューアートで以前こんなアンケートをやってましたんで、参考までに集計してみました。
(1) タップに座を入れている人の割合
座を入れている人はアンケート票数145票のうち、わずか30%の44票だけなんですね。もっとみんな使ってるのかと思ってました。
(2) タップに座を入れている人の言い分
タップに座を入れている人のコメントを要約して集計するとこんな感じです。
先角保護のため: 9
最初から付いてた:7
見た目が良いから:5
打感を変えるため:2
打音を変えるため:1
長さ補填のため: 1
習慣: 1
なんとなく: 1
やっぱり先角保護を理由にしている人が多いです。
見た目が良いからという理由の人の割合もそれなりに多いですね。
(3) タップに座を入れていない人の言い分
一方、タップに座を入れない人のコメントをまとめるとこんな感じです。
必要性がわからない:8
打感が変わるから: 6
必要と思わない: 4
打音が変わるから: 1
交換が手間だから: 1
「必要性がわからない」というのと「必要と思わない」っていうのは似てるようですが、コメントの内容から判断して2つに分けました。
必要と思わないという人はたぶん座の役割はわかった上で必要と思わないと断言している人、一方必要性がわからないという人は、座の役割や効果がわからないだけで、そこがわかったら座を使う可能性がある人たちです。
打感が変わることを嫌って座を入れていない人はけっこう多いんですね。
3.ビリヤードタップの座を使いたいと思ったら
(1) ビリヤードタップの座の販売店
以下で購入可能です。
ビリヤードショップ
ビリヤードショップならたいてい売ってます。ただしポリカーボネートのクリアは品切れがちです。
楽天
楽天でも買えるので、下にリンクも貼っておきます。
ポリカーボネート
【メール便可】 ビリヤード タップ 座 ポリカーボネイト ブラック 先端 革 皮 チョーク乗り ティップ tip 積層 単層 ファイバー グリップ キレ スピン 価格:271円 |
ファイバー
価格:65円 |
若井製作所
上でも紹介したこちらががおすすめです。
どこも人気で品切れがちなポリカーボネートのクリアの座もここならいつでも手に入ると思います。
ここは素材や厚さのバリエーションも豊富で、ABSやPET製の座も取り扱っているのも珍しいですね。
上記サイトでは材質ごとにベストな接着剤も紹介していてとても親切です。欲を言えば重さもわかるともっといいなと思います。
(2) ポリカーボネートの座を自分で作る
ポリカーボネートの座は自分で作れるんです。しかも超簡単に。
上で色々とショップを紹介しましたが、もう買うのが馬鹿らしくなりますよ。だってめちゃくちゃ安上がりなんで。
作り方をこちらの記事で公開しています。
(3) ビリヤードタップの座の付け方は?
ファイバーとかポリカーボネートの座って革と違ってカッターとか革包丁じゃ削れなそうだけどどうやって付けるの?って思いますよね?
座の付け方、外し方、こちらの記事にまとめました。全部手作業でやってます。
4.まとめ
ビリヤードタップの座についての疑問は解決しましたか?
座っていまいち役割とか効果がよくわからないと思いますが、そこがわかれば使ってみようかなって思う人は増えるんじゃないかと思います。
今回の記事はこれで終わります。
タップ関連ではこんな記事もまとめましたので、興味がある人はぜひご覧ください。
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