タップの側面削りがどうしてもうまくできないorz
タップの側面削りが簡単にできる安くて便利な道具ない?
そんなあなたに朗報です。最高のカッターの刃みつけました。もうタップの側面削りで失敗しない!
この記事の内容 2.タップの側面削りにおすすめの道具は? |
僕はタップの側面削りが大の苦手でした。
自分で革巻きをしたり、手作業で樹脂タップ交換をしたり、わりと器用なほうだとは思うんですが、タップの側面削りは一向に上達しなかったんです。
つい最近僕がやらかしたタップの側面削りの失敗がこれです。
悲惨WW
写真だとちょっとわかりづらいかもしれませんが、側面がガタガタです。見た目わかりませんが、先角も削っちゃってます。
こんなに下手なんで、どうにかならないものかと真剣に考えた結果、やっと答えが見つかりました。
そして今回、その通りにタップの側面削りをやった結果がこちらです。
タップと先角の境目に段差は一切ありません。完全にフラットです。
先角も全く傷つけていません。
以前の僕なら絶対にここまできれいに仕上げることはできませんでした。そしてもう二度と失敗する気がしません。
この記事では僕のタップ側面削りが劇的に進歩した秘密を解説します。
1.タップの側面削りがうまくできない理由
タップの側面削りがうまくできない理由って何ですかね?
腕とか経験とか色々あると思いますが、
道具を変えるだけで意外と簡単にタップの側面削りを習得できるんじゃない?
そんな仮説というか淡い期待のもと、今回僕はすべてを道具のせいにして、色々と考えてみました。
結論、その仮説は正しかったんですが、そこにいきつくまでの経緯を書いていきます。
今回も少し長くなります。かなり重要なことを書いたつもりですので、タップの側面削りがうまくできなくて悩んでいる人は、ぜひ最後まで通して読んでみてください。
得るものがあると思います。
動画は最後に貼ってます。
2.タップの側面削りにおすすめの道具は?
(1) 【結論】僕がおすすめする道具はこれ
これです。
鋭黒 片刃
¥300しないです。
リンクも貼っときます。
ここに至る経緯をこれから説明します。
大事なこと書きましたので、少し我慢して最後まで読んでみてください。
(2) タップの側面削りによく使われる道具を考察
まず、タップの側面削りに使われる道具について色々と考えてみました。よく使われるのはこんなところですよね。
・革包丁
・カッターの刃
・別たち
・タップツール
ちなみに別たちというのはこれのことです。
レザークラフトなんかでは革包丁の代用として使われます。
刃の交換ができる簡易革包丁ってところでしょうか。
この中でタップの側面削りにベストなのはどれだと思いますか?
僕は革包丁だと思います。
(3) タップの側面削りには革包丁が最適だと思う3つの理由
タップの側面削りに革包丁を使っている人多いですよね。
そんなに多くないよと思う人もいるかもしれませんが、タップ交換の動画で一番の権威ってKAMUIじゃないですか?
タップ交換方法(KAMUIサイト)
上のサイト、Googleで「タップ 側面 削り」で検索かけると1位に表示されます。
これを参考にしている人は多いと思いますが、そんなKAMUIも革包丁を使っています。
これだけで革包丁がベストなんだって思っちゃいますよね。
ビリヤードショップなんかはよくタップツールを使ったタップ交換方法を紹介していますが、あれは商品を売るためだと思います。
ということで革包丁の何がいいのか考えてみたんですが、理由は以下の3つだと思います。
・よく切れる
・刃がたわまない
・片刃である
少し補足します。
① よく切れる
これは言うまでもありませんが、革を切るための包丁ですから、革のタップを削るのに最適ですよね。
側面削りだけでなく、古いタップの切り落としや先角の水平出しなど色々な工程で活躍してくれるのもいいですね。
② 刃がたわまない
これはカッターの刃との比較になりますが、カッターの刃はたわむので、力を入れすぎると削りたかったラインを外してしまうことがあります。
これなんか良い例ですね。
内向きに力を入れすぎて、カッターの刃が内側にたわんでしまい、タップが台形に削れてしまいました。
革包丁の刃はたわまないので、こんなことにはならないと思います。
③ 片刃である
革包丁がタップの側面削りに最適である一番の理由がこれだと思います。
ちなみに全部の革包丁が片刃なわけではないです。両刃もあります。
でもタップ交換で使われるのは片刃だと思います。
片刃とか両刃って何?
って思いますよね。わかりやすいように違いを絵にしてみました。
両刃の形状
そのへんに普通に売っているカッターは両刃ですが、3方向から見るとこうなっています。
カッターの刃は表にも裏にもこの白い部分がありますよね。横から見ると刃のエッジは中央にありますね。
片刃の形状
片刃の革包丁を同じように3方向から見るとこうなっています。刃の裏面は刃先まで真っ平です。
こうやって横から見ると、刃の表面のほうだけが斜めになっているんですね。
この片刃の特徴がタップの側面削りに最適なんです。
ここからさらに深掘りします。
片刃がタップの側面削りに最適な理由
カッターの刃で上手に側面削りをやっている人たちをネットで見て、僕も普通のカッターの刃で真似していたんですが、全然上手くできませんでした。
片刃に出会う前の昔の僕のタップ交換の出来栄え、冒頭でも載せましたがこれです。
無残orz
これは普通の両刃のカッターでやったものです。
ここで両刃と片刃で側面削りをやると何が違うのか絵にしてみました。
これを見ればなぜ片刃が良いのか理解してもらえると思います。
まずこれが目指すタップ交換の完成形です。
タップと先角のラインをびしっと揃えたいですよね。
でも両刃のカッターでやる場合、刃を先角と水平にしてしまうと、下の絵の赤い丸の部分にすき間ができてしまうので、先角とタップのラインをまっすぐに削ることはできませんね。
そこで、まっすぐのラインで削れる角度にカッターの刃をほんの少し傾ける必要があります。
でも「ほんの少し傾ける」って無理じゃないですか!?
削っているうちにタップに食い込んだり、逆にタップの表面を滑ったりしてどうやっても角度が変わるんですよね。
上手な人はこの調節が絶妙なんでしょうね。
でもそれができないと、僕みたいに悲惨なことになってしまいます。
でも片刃だったら・・・
簡単ですよね!
先角と水平になるようにピタッと密着させるだけです。
あとは刃を動かさずにシャフトを回転するだけで、タップと先角のラインは自動的にびしっとまっすぐ削れるはず!
ここまでが僕が立てた仮説です。
ところでこの話の流れだと、
じゃあ革包丁が一番おすすめなんじゃないの???
って思いますよね?
僕も最初はそう思いました。そして革包丁のことを色々と調べてみたんですが。。。
(4) 僕が革包丁をおすすめできなかった3つの理由
理由は3つです。
・敷居が高い
・切れないものもあるらしい
・手入れが面倒
毎度のことですが、少し補足します。
① 敷居が高い
革包丁なんかタップ交換で悩まない限り買ってみようかなって思わないし、使ったことないのが普通ですよね。
敷居高くないですか?
買おうにもどれにしたらいいかわからない、おすすめしようにもどれが良いのかわからない、これじゃだめだなと思いました。
② 切れないものもあるらしい
色々調べたんですが、評判のいいものでも、買ってすぐに研ぎ直さないとよく切れないものもあるみたいなんですよね。
普通砥石なんか買わないじゃないですか。
「これでタップの側面削りは楽勝!」って思っていざ使ってみたら全然切れないとか、ぶちギレますよね。
③ 手入れが面倒
革包丁は手入れが必要です。
頻繁に研いで切れ味を維持することとKAMUIも上のサイトで言っています。しかも最初から切れないものがあるかもしれないみたいなんで、砥石も一緒に買おうって最初は考えました。
でも色々調べた結果、革包丁をタップの側面削りに最適な形に保ち続けるのは無理だと思いました。
側面削りに最適な形というのは刃の裏面が真っ平という部分ですが、当然そのためには砥石も真っ平である必要があります。
でも研いでいるうちに、砥石自体もどんどんすり減ってくるんですよね。
これ、僕のお義父さんが包丁研ぐのに使っている砥石です。
こんなので革包丁研いでたらどんな形になるんですかね。
こうならないように、砥石が常に平らになるように均等に使わないといけないみたいなんです。
さらに砥石にも色々種類があって、粗研ぎ用とか仕上げ研ぎ用とかあるんですよね。
これもお義父さんの砥石ですが、
左が粗研ぎ用、真ん中が本研ぎ用、右が仕上げ研ぎ用で、この仕上げ研ぎ用は1万円ぐらいだそうです。
結論:奥が深すぎて無理
ここで革包丁は候補から外しました。
でも今でも使ってみたい気持ちはあるんで、良いの手に入ったらそのうち記事にするかもしれません。
(5) 別たちはどうなの?
この時点で僕の中での最有力候補は別たちです。
これも色々調べた結果、どうやら片刃らしい。
しかも上で説明した革包丁の問題点をすべてクリアしている。しかも¥500ぐらいと安い。
で買ったんです。替え刃も一緒に。
左が表面、右が裏面です。
両刃じゃねーか!
ほぼ片刃なんです。でも替え刃の裏面と裏面を合わせて重ねて見ると、ほんとにわずかに刃先にすき間ができるんですよね。
タップの側面削りを簡単にするには、そのすき間は少しもあってはいけないと思っているので、ここで別たちの出番は終了です。
(6) タップツールはどうなの?
タップツールははなから眼中にありませんでした。というのも以下のような問題点があるからです。
・種類が多くて選べない
・削り具合を確認しながら削らないと削り過ぎる
・替え刃が高い
またまた補足します。
① 種類が多くて選べない
色々ありますけど、どれが良いのかさっぱりわからないですよね。
挙句、最近は4万ぐらいするキューティマってやつとかあるじゃないですか。
しかもけっこう売れてるんですよね。
こんなの買うなら若井製作所の簡易旋盤買いますね。こっちのほうが安いし、樹脂タップも交換できますし。
② 削り具合を確認しながら削らないと削り過ぎる
側面削りのツールって、タップをツールの穴につっこんで、シャフトをくるくる回しながら削るのがほとんどだと思いますが、どこまで削れたか確認しながら削らないと、先角より細く削り過ぎちゃったり、先角まで削っちゃったりするみたいなんですよね。
これはものによるのかもしれませんが、タップの側面と先角の側面のラインをタップツールだけでびしっとまっすぐにそろえるのは構造的に無理だと思います。
粗削りに使う分には効率的でいいかもしれませんが、最後は結局やすりとかでやらないといけないですね。
意味ないです。
③ 替え刃が高い
¥500なら安いほうで、¥1,000以上は当たり前です。
キューティマの替え刃なんか¥7,000しますからね!
しかも側面削り用だけで¥7,000で、アール出し用、水平出し用もそれぞれ同じぐらいなんで、全部買い換えたら¥20,000超えです。
どれぐらいで切れなくなるのかわかりませんが、いちいちそんなお金払いたくないですね。
あとそもそも替え刃を売っていなかったり、ずっと品切れだったりするんで、下手すると切れなくなったら使い捨てです。
(7) タップ側面削りの救世主!鋭黒 片刃
ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。
ここでようやく僕のおすすめに到達しました。もう一度リンク載せておきます。
冒頭でも紹介した通り、これが僕がタップの側面削りにおすすめするカッターの刃です。
上が表面、下が裏面です。
完全な片刃です。
切れ味も抜群。
カッターの刃はたわむという欠点はありますが、それもこれから説明するやり方でやれば問題ありません。
3.鋭黒 片刃を使ったタップの側面削り
動画をとりましたので載せておきます。
もしエラーで再生できなかったら、このリンクから見てください。YouTubeにとびます。
手順について詳しくは、「ビリヤードのタップ交換【失敗しない手順まとめました】動画あり」の記事にまとめていますので、ぜひ読んでください。
失敗しないためのポイントなどかなり詳しく解説しています。
で冒頭でも載せましたが、このやり方で側面削りをやった結果がこちらです。
旋盤でやったみたいにきれいにできました!
ちなみに、鋭黒 片刃を使えばファイバーやポリカーボネートの座も同じ要領できれいに取り付けることができます。こちらの記事↓にまとめましたので、ぜひご覧ください。
このやり方の問題点(今後の課題)
2つあります。
① 時間がかかる
上でも書きましたが、15分前後かかります。
一般的なやり方だと、上手な人は2,3分で終わるんじゃないでしょうか。
普通よりも薄く、細く削る分、どうしても時間はかかってしまいます。
ですがその分、先角を傷つけるリスクはほぼゼロ、タップと先角の境目は普通のやり方よりもきれいです。
時間をかけるだけの価値はあると思います。
② 先角がすでに削れている場合に対応できない
すでにお気づきの方もいると思いますが、先角の先端がすでに削れて丸くなってしまっている場合、このやり方では対応できません。
このやり方はタップと先角の境目を完全にフラットにすることはできますが、先角がフラットでなければどうしようもありません。
その場合は最後に紙やすりで整えるしかないですね。
良い案が思いついたら、また記事にします。
4.まとめ
いかがでしたか。
長々とおつきあいいただきありがとうございました。
タップの側面削りがうまくできなくて悩んでいる人、自分でやることをあきらめてしまった人は多いと思いますが、そういう人はぜひこのやり方を試してみてください。
1,2回このやり方で試してみてコツをつかめば、二度と失敗しないぐらいまでになると思います。
再現性はめちゃくちゃ高いです。
あとこのやり方、樹脂タップもいけるんじゃないかと思っています。
先日樹脂タップ交換の記事を公開しましたが、このやり方がはまればあんなに苦労することもないなと。
今度やってみようと思います。
他にもこんな記事を書いてます。良かったら読んでください。
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