今回は第5話、最終回です。
僕が買ったカスタムキューOMEN(オーメン)のスペックと性能を紹介します。
第1話~4話を読んでいない方はこちらを先にご覧ください。
この記事の内容 3.後悔のないキュー選びをするなら|B&Gさんに教えてもらったこと
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1.OMEN(オーメン)のスペック
僕が買ったオーメンのスペックはこんな感じです。
見ての通りかなりの前バランスです。
テーパーはこんな感じです。Geezの記事のときに調べた他シャフトとの比較です。
シャフト2はけっこう削ってありますね。しかも先角のほうがその下の木の部分よりちょっと太いです。先角径より細く感じるなあと思ったらこういうことか。
一応写真も載せておきます。左が太いほうのシャフト1。
写真だとほとんどわかりませんが、けっこう違います。僕は太いのに慣れてるんで、シャフト2は最初かなり違和感がありました。
でもシャフト2(右側)のほうはこれだけ細く削っているのに、重さはシャフト1と2gしか変わらないので、けっこう目の詰まった良い木材だと思います。赤っぽいし。
2.OMEN(オーメン)の性能
僕が感じたオーメンの性能を紹介します。
これまでガラクタみたいなキューばかり使ってきた僕の私見ですので、あくまで参考程度に。
(1) 打感
まず僕が何よりも重視した打感、聞いていた通り、ソリッドでとても気持ち良く、振動はしっかり手元に伝わってきます。
デザインは完全にサウスを意識しているので、もしかしたら打感もサウスを目指しているのかもしれませんね。まあサウスは撞いたことないんですけど。
打感が良いんでフィードバックもとても良いんですが、その点は次のスピン性能のところでもう少しくわしく書きます。
(2) スピン性能
スピン性能もかなりいいです。左右のひねりはそんなに端をつかなくてもよくのります。
上下のスピンののりもよく、特に引きはこれまで出せなかったラインでくいっと引けてきます。スピードを抑えてもキュッと引けるので走り過ぎず、コントロールが非常にしやすいです。特に細いほうのシャフト2がかなり切れます。これはそうとう組み立てが楽になりますね。
このへんのスピン性能の良さは、キューそのものの性能によるところもあると思いますが、フィードバックの良さによるところもあるんだと思います。
というのも、このオーメンも撞点やタイミングを間違えると普通に引けないです。ここまでだったらこれまで使ってきたキューと同じ。
ただ、これまでのキューだったら「あーあ、引けねーなー」で終わってたところ、オーメンは打感がクリアなので、どう撞けば引けるかというイメージがしやすい。
僕は4分割キュー時代に1年半、ほとんど引き球禁止状態だったので、引き球にかなり苦手意識があったんですが、なんかオーメンで少し撞きこんだだけで、苦手意識がほとんど無くなりました♪
最近うれしくて引き球ばっかり撞いちゃいます。
とは言え、今まで引けなかったロングドローが急に引けるようになったかというとそんなことはなく、そこはまだまだ練習が必要ですが、このキューで適切なストロークを覚えていけば、上達していけるという信頼感があります。
押しに関してもキレがよく、基本的に手球は割れにくいです。ただ、撞き方を変えれば(悪く言うと撞き方を間違っちゃうと)割るラインも出せますし、そのへんの撞き分けのイメージもしやすいです。こう撞けばこう動くというのがイメージしやすく、実際その通りに動く。これもフィードバックの良さの恩恵だと思います。
総じて、自分で手球を操ってる感がめちゃくちゃ楽しいですね!
これこそまさに、打感の良いキューを買って僕が体験したかったことです。
評判を聞くに、Geezシャフトはそういう点も優れてるみたいですけど。ずるい。
(3) パワー
パワーはめちゃくちゃあるというほどではないと思いますが、中の上ぐらいだと思います。必要十分です。
まあ、僕が直近までプレーキューに使ってたのがパワーブレイクなので、あまり参考にならないかと笑
(4) トビ
ノーマルシャフトとしてはトビはかなり少ないほうだと思います。
僕はこれまでの癖でけっこう端を撞いてしまうんですが、このオーメンはそんなに端をつかなくても十分切れますし、ショットスピードを上げてもトビの量はほとんど変わらないので、今まで精度が低かった球がかなり楽になりました。
ずっとノーマルでけっこう見越すことが当たり前だった僕としては、トビはあったほうが良いと思っていましたが、トビが少ないってかなり楽ですね。
今さらながら思いました。
総評
キューの性能として一番大事だと僕が考えた打感、フィードバックの良さという点で大満足です。
撞いた通りの感覚が手元に伝わって、イメージした通りに球が動く、これはすごく楽しいし、このキューを使えば使うほど、上手くなっていきそうな信頼感があります。
そのうえ、パワーとトビについても期待していた以上にかなり良く、得した気分です。
当然、ハイテクシャフトに慣れてしまった人にとっては扱いが難しい部分もあるでしょうし、パワーとかトビとか、カーボンやハイテクのほうが上の部分もあるんじゃないかと思います。
でも僕が求めていたのはそこじゃないんで。
3年間探し続けて、やっと手にしたカスタムキュー。予算も限られていた中で、本当に良い買い物ができたなと思っています。
3.後悔のないキュー選びをするなら|B&Gさんに教えてもらったこと
B&Gさんにカスタムキューの在庫を問い合わせた時、僕が予算10万で高性能なカスタムキューを探していると伝えたところ、以下のようなことを教えてもらいました。
・木材や構造にこだわったキューを10万円で売るのは不可能 ・予算はせめて15万まで、できれば18万程度まで上げたほうが後悔のないキュー選びができる ・それまで使っていたショーンと、初めてのカスタムキューであるコーカーの性能差に唖然とした ・そのあと手に入れたケント デイビスはさらに信じられないぐらい高性能だった ・一概には言えないが、キューは15万を超えるあたりから性能が一気に変わる傾向にある |
今回、限られた予算の中で、かなり良い買い物ができたと思っていますが、予算が許すなら最低でも15万~18万は用意したほうが良さそうですね。
考えてみれば当然です。
例えばケント デイビスは、使う木材に応じてバットの構造、組み合わせる木材、ジョイントピンの材質、シャフトのテーパーまで変えるそうです。
作るキューは全部スペックが違うってことですね。
それでいて1本1本の性能差はなく、どんな組み合わせであっても最高の性能を実現している。
ケント デイビスは今は家庭の事情でキュー作りから離れているそうでなので、今後は入手困難かと思いますが、B&Gさんでは安い物は新品で18万ぐらいから売られていました。
これだけ手間暇かけて高性能を実現したキュー、10万はさすがに無理と思いますし、18万でもむしろ安いですよね。
インレイとかデザインとかブランド価値とかそういうところで価格があがっちゃってるキューだと、果たして性能にどこまでお金をかけているのかさっぱりイメージがわきませんが、シンプルなデザインだけど15万を超えるようなキューは、性能にかなりこだわっているんだと思います。
つい先日売れちゃいましたが、B&Gさんとこで新品のカーメリが¥16,7000で売ってました。シンプルなボコテのストレートで、デザインはぱっと見、MezzのEC9とかHOWキューの安いモデルと大差ないです。何も知らない人からしたら、なんでこれがこんなに高いんだよって思うかもしれませんが、これ相当いいキューなんだろうな。
僕が昔買ったMUSASHIは22万でしたが、あの頃の環境に今の自分がいたら、こういうのが欲しかったなあ。
4.まとめ
なんだかんだ5話までかかってしまいましたが、今回が最終回、これで終わりです。
キュー選びは人それぞれ、正解も不正解もないと思います。
以前の僕みたいに木目だけで選ぶのも全然ありだと思います。好きなデザインのキューで撞いたほうが気分もあがって楽しいですからね。そういう意味ではフィリピンキューだって良いんだと思います。
実際、「デザインで選ぶべき」という人もいます。
デザインが好きだったら、多少性能に癖があっても愛着がわくというのは間違いないですよね。
でも僕が今回思ったのは、「性能を信頼できるキューなら、デザインも好きになってくる」ということです。
昔の僕だったら、このオーメンのデザインなんか全然好みじゃないですけど、今はデザインも大好きですww
今回、予算を10万と決めましたが、別にもっと出そうと思えば出せました。
でも子育てだコロナだで球撞きにもほとんど行けず、昔のように試合にも出ませんし、賭け球ももうほとんどしません。
そんな状況で今僕が出せるのは10万が限界かなと。その程度の熱量かよと思われるかもしれませんが、このへんも人それぞれかと思います。
僕はMUSAHIを手放して以降、ゴミみたいなキューばっかり使ってましたが、結婚後、もう高い買い物はできないので、手放したことをずっと後悔していました。
でもこれでやっとその後悔からも解放されそうです。
3年かかってようやく見つけた相棒ですから、大事に使っていこうと思います。
おわり
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その後、このオーメンにミッスーリレザーという超かっこいい革を巻きました。気になる方はこちらの記事もご覧ください。