1本でブレイクもジャンプもこなすジャンプ&ブレイクキュー。それだけ聞くとすごいキューと思うかもしれませんが、メリットばかりではありません。
この記事では、ジャンプ&ブレイクキューを買う前に知っておくべき注意点とおすすめのジャンプ&ブレイクキューを紹介します。
高いのを買おうか迷っているなら、それは良い選択ではないかもしれません。
お買い物の前にぜひ読んでください。
この記事の内容 1.ジャンプ&ブレイクキューとは 2.ジャンプ&ブレイクキューのメリットデメリット 3.ジャンプ&ブレイクキューのスペック比較 4.ジャンプ&ブレイクキューのおすすめ紹介 5.まとめ |
1.ジャンプ&ブレイクキューとは
ジャンプ&ブレイクキューとは、バット部分が2分割になっているキューで、そのまま使えばブレイクキューとして使え、バットの後ろを外して短くすれば、ジャンプキューとして使えるキューのことです。
アダム AJB-3N 出典:ニューアート
他にも以下のような呼び方がありますが、どれも同じものを指しています。
・ブレイク&ジャンプキュー
・ジャンプブレイクキュー
・ブレイクジャンプキュー
・J&Bキュー
・B&Jキュー
・3分割キュー(言わない?)
2.ジャンプ&ブレイクキューのメリットデメリット
「これ1本でブレイクもジャンプもこなす優れもの」なんて書くと聞こえは良いですが、いいことばかりではありません。以下にジャンプ&ブレイクキューのメリットとデメリットをまとめました。
(1) ジャンプ&ブレイクキューのメリット
以下のようなメリットがあります。
荷物を減らせる
これがジャンプ&ブレイクキューの最大のメリット、ジャンプキュー1本分荷物が減ります。
ジャンプキュー1本ぐらいたいした重さじゃないでしょって思うかもしれませんが、プレー、ブレイク、ジャンプの2B3S持ち歩いている人は、ジャンプ&ブレイクキューにすれば、2B2Sだけになりますから、キューケースもサイズダウンできますね。
仕事帰りの球撞きとか、あまりでかいキューケースを持ち歩きたくないという人にとっては、この1本の差ってけっこう大きいと思います。
ブレイクキュー、ジャンプキュー2本買うより安い
これは商品によりますが、安いのは¥15,000ぐらいで買えるので、それで2本揃ったらたしかに安いと思います。ただこのあとデメリットのところで説明しますが、性能は中途半端だということは理解しとかないといけないですね。
(2) ジャンプ&ブレイクキューのデメリット
以下のデメリットがあります。
性能が中途半端
ジャンプ&ブレイクキューは、ブレイクキューとしてもジャンプキューとしても性能が中途半端になります。
もちろん、値が張る商品ならどちらの性能もそれなりに高次元で両立できているものもあるとは思いますが、専用設計されているブレイクキューやジャンプキューにかなうはずがありません。
それはブレイクキューとジャンプキューでは求められる性能と、それを実現するためのスペック(太さ、硬さ、重さなど)が全く違うからです。
最近のブレイクキューは、ひねりを入れるナインボールブレイクや、意図せずひねりが入ってしまった時のトビを抑えるため、先角(径、長さ)、テーパー、先端軽量構造などでキュー先を軽くしているものが多いですが、ジャンプキューでそれをやってしまうと、手球を飛ばすために必要なパワーをロスしてしまいます。
逆にジャンプキューは、太目のテーパーでシャフトに硬さとパワーを持たせることで、ジャンプがしやすいように設計されているものが多いですが、そんなのでひねってブレイクしたら、手球が安定しません。
文章だけだと伝わりづらいと思うので、スペックがどれぐらい違うのか、MEZZのデュアルフォースを例に説明します。
① デュアルフォースとパワーブレイク魁のスペックの違い
まずはブレイクキューとしてのスペックをパワーブレイク魁と比較します。重さとバランスポイントは中古品から調べた平均値です。
黄色くした箇所が、ポイントかなと思います。パワーブレイク魁は先角を短くし、かつ先端軽量構造にすることで、キュー先を軽くし、トビを減らすよう設計されていますが、デュアルフォースはジャンプもしなければいけないですから、それはできません。先角は長めでノーマル構造です。
重さについては、MEZZとしてはブレイクシャフトはもう少し軽くしたいんだと思いますが、ジャンプの性能を考えてちょっと重めにしているように思います。単なる個体差かもしれませんが。
② デュアルフォースとエアードライブ2のスペックの違い
次にジャンプキューとしてのスペックをエアードライブ2と比較します。
木とカーボンの比較なので、比較が難しいですが、ジャンプだけを考えるなら、エアードライブ2のようにシャフトをもう少し太く、重くしたいんだと思います。でもエアードライブ2みたいな極端なセッティングをデュアルフォースに当てはめちゃうと、ブレイクキューとしては使い物にならないですよね。
と、こんな感じで、良く言えば「ブレイクもジャンプもこなせる」、悪く言えば「どっちも中途半端」なのがジャンプ&ブレイクキューだと思います。上のスペック比較を見ていると、デュアルフォースはセッティングにめちゃくちゃ試行錯誤したんだろうなーというのがなんとなく想像できます。だから5万も6万もするんでしょうね。
3.ジャンプ&ブレイクキューのスペック比較
上のデュアルフォース同様、いくつかの商品のスペックをこちらの記事にまとめました。
4.ジャンプ&ブレイクキューのおすすめ紹介
上で説明した通り、ジャンプ&ブレイクキューに、ジャンプもブレイクも最高性能を求めるのは無理ですので、荷物を減らしたい時などに使うジャンプ、ブレイクのセカンドキューぐらいに考えたほうが良いと思います。
そう考えると、ジャンプ&ブレイクキューに5万も10万もかけるのは無駄、と僕は思います。安いほうが良いですよね。あとは最低限、ダサくないこと。というわけでこういうのがおすすめです。
安いですし、ブレイクもジャンプもそれなりにこなせるでしょうから、これぐらいで良いかなと。ちなみにELITEというのは怪しいメーカーではありません。ニューアートでもELITEのプレイキューは扱っていますし、このキューみたいに銘木を使った洗練された雰囲気のキューや、わりとおしゃれなキューケースなどを作っているメーカーです。
あとヤフオクなんかで、安いブレイク&ジャンプって色々出品されてますよね。正体不明ですが、そういうのでも良いかなと思います。
それでもなお、ブレイク、ジャンプのセカンドキュー、またはメインキューとしてできるだけ高い性能がほしいとかでしたら、デュアルフォースとかBK-Rush+にすれば良いとは思いますが。
余談|中途半端なジャンプ&ブレイクキューを買うぐらいなら
「ブレイク、ジャンプ2本買うより安いから」という理由でジャンプ&ブレイクキューを買おうとしているのなら、ヤフオクなんかで安いブレイクキューとジャンプキューを別々に買ったほうが結果として良い買い物になるかもしれません。
なんか最近ヤフオクで出ている、Crackとかいう中国製のカーボンブレイクキューが高性能とTwitter界隈で話題になっているそうです。カーボンジャンプキューと2本セットで3万しないです。いつまでリンク残ってるかわかりませんが↓
ヤフオク! - ビリヤードキュー THE Crack BREAK JUMP
いまだにTwitterの使い方がよくわからない僕に、SOさんがこっそり教えてくれました。
テーパーや構造はrevoとかをパクってるんでしょうから、それなりに高性能なんだと思います。デュアルフォースとかBK-Rush+に高いお金をつぎ込むよりは、良い買い物になるかもしれませんよ。正体不明なんで怪しいですけど、良さそうな評判がたっているのは事実です。
5.まとめ
いかがでしたか?
ジャンプ&ブレイクキューはとても便利だとは思いますが、上で書いたようなデメリットがあるということは理解しておきたいですね。
「ジャンプもブレイクも最高性能を」なんて期待しすぎて、やたらと高いジャンプ&ブレイクキューを買うと後悔すると思います。性能だけなら専用設計されたブレイクキュー、ジャンプキューには絶対にかなわないですから。
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