Twitterで話題のR整形ツール、R10を手に入れましたのでレビューします。
結論、めちゃくちゃおすすめです。
この記事の内容 1.R10とは 2.R10を使ってみた 3.R10の購入は |
はじめに|Rの違いで何が変わる?
R10の説明の前に、そもそもR整形ツールと言われても、Rの違いでなにが変わるのか知らないと、何の興味も持てないですよね。
一般的にはRの違いで以下のような違いがあると言われます。
アールきつめ(丸め) | アールゆるめ(平ら) | |
手球のトビの量 | 少ない | 多い |
手球のカーブが出るはやさ | 早い | 遅い |
手球に与えるスピンの量 | 多い | 少ない |
ミスキュー率 | 高い | 低い |
これはよく言われていることをまとめただけで実証したわけではないのですが、プレデターは1セント硬貨サイズのRのほうが、5セント硬貨サイズよりトビが少ないという実験結果を以前サイトで公開していました。(今はリンク切れです)
アールがきつい(丸い)ほうがトビが少ないということですね。
プレデターはたぶん機械を使って計測していると思うので、これについては信ぴょう性が高いと思います。
詳しくはこちらの記事にまとめていますので、興味があればご覧ください。
『もしかしたらRを変えれば不調から脱出するきっかけになるかも』
そう思い立った時、大いに役に立つのがR10。
けっこう興味が出てきたんじゃないでしょうか。
1.R10とは
(1) R10って何?
ここからが本題。
R10とは、10種類のRを整形できるタップメンテナンスツールです。
左がR10の本体、右側はアールチェッカーで、これをR10で整形したあと、チェッカーをタップにあてがうことで、ちゃんと好みのアールになっているかチェックできます。
色んなお店で無料タップ交換会なんてのをやっているタップの神様モスモスさん、MEZZなんかの3種類のR整形ツールじゃ足りないので10種類あるのがほしい、そんな変態的な要望をやすやすさんが形にしたものがR10です。
やすやすさんは3Dプリンタを駆使してエクステとか色々自作している人で、ビリヤードデイズさんでも何度か取り上げられていました。
以下の記事、読んだことある人も多いはず。
〈BD〉3Dプリンタも活用。エクステンションの作り方【早回し動画】 by 加藤保広さん
〈BD〉練習用テーブルを作ってみた【早回し動画】 by 加藤保広さん
〈BD〉カーボン板でキューホルダーを作ってみた!【早回し動画】 by 加藤保広さん
モスモスさんが欲しいってつぶやいたのが3月15日
あったらいいなシリーズ
ぼくはこのヤスリを愛用しているのですが、この丸いヤスリだけのものが欲しいですね。
イグナシオやチュアみたいなものすごく丸く整形できる穴から始まって、もっと細かく分かれているのがあったら嬉しいですね。少なくとも10種類くらいのアールを作れるのが理想です🧐 pic.twitter.com/KMCwyJqPtk— モスモス (@mosmos90054560) March 15, 2022
で、3月21日にはもうやすやすさんからプロトが届いてる!
はやっ!!!
ぼくがイメージしていたものをやすやすさんが作ってくれました!
本当に嬉しいです!ありがとうございます!! pic.twitter.com/X56cdCEtVg— モスモス (@mosmos90054560) March 21, 2022
プロトと言ってももうこの時点でほぼ完成形です。
すごいですよTwitter、だれかの悩みはだれかが解決しちゃう。大手メーカーを超える瞬間がありますね。
(2) R10の使い方
使い方はやすやすさんが作った動画がわかりやすりので、こちらをご覧ください。
R10の使い方動画の以前の作ったのですが、再度載せておきますね😊 pic.twitter.com/2EPJsGcSmP
— やすやす (@kato9878) April 19, 2022
動画は削ってるところまでですが、最後にこうやってアールチェッカーで狙ったアールが出ているかチェックします。
(3) 整形できるRの種類
Rは7.5~12.0まで0.5刻みで10種類です。アールチェッカーのほうも同じです。
ちなみにRって半径のことです。
R10だと半径10mmのサイズ。それぞれどれぐらいなのかというと、だいたいこんな感じです。
R9.5 1セント硬貨 R10.0 1円玉 R10.5 50円玉 R11.0 5円玉 R11.5とR12.0の中間 10円玉 |
プレデターを信じてトビが少ないRにしたいならR9.5ですね。
僕ももちろん9.5です。
(4) R10のサイズと外観
縦 × 横 × 高さ | 9.4cm × 4.4cm × 1.25cm |
穴の直径 | 1.4cm |
やすりの挿入口 | 1.5cm × 0.1cm |
重さ | 44g |
思っていたよりもずっとコンパクトです。
やすりの挿入口は見ての通り、向こう側まで貫通しています。
ご覧の通り、背面はゆるくアールがついていて、ここに紙やすりを貼ってタップシェーバーとしても使えます。
次にアールチェッカー。キーホルダーにできるよう、穴が開いています。
縦 × 横 × 高さ | 8.8cm × 1.9cm × 0.5cm |
重さ | 9g |
2.R10を使ってみた
(1) 感想
これは本当に素晴らしかったです。びっくりしました。
側面削りができるようになった今、タップ交換の工程で一番大変なのはR出しだと僕は思っています。
これはモスモスさんもSOさんも同意していて、SOさんなんかキューティマのR切るやつだけほしいとか言ってましたからね。
R10を使えば、そのR出しが圧倒的にはやく、簡単、かつ正確にできるようになります。
下の画像はR9.5→R8.0に整形したビフォアアフターです。
かなり短時間でここまで正確にアールを出すことができます。
3,4分ぐらいでしょうか。
ただし、R10だけで全部を仕上げるのは難しく、R10を使うと側面の上のほうが少し荒れるのと、アールのエッジがまっすぐに出なかったりするので、最後に側面とアールの仕上げをすると良いと思います。
上の写真も、R10使用後、側面は紙やすりで、アールはタップシェーバーで仕上げています。
それでもタップシェーバーだけでやるのに比べれば、大幅に時間短縮できています。これは本当に楽です。
(2) R10使用上のコツ、注意点
いくつか気付きがありました。
① バットとシャフトをつないで、バットエンドを持って回す
最初ぼくはバットとシャフトは外して、シャフトだけを持って回していたんですが、なんか思うように削れませんでした。
後でわかったのですが、シャフトだけだと軽すぎて紙やすりがちゃんとRの形状にたわまないのと、細くて持ちづらくて回転もさせづらかったのが原因です。
バットとつないでバットエンドを持って回したら、嘘みたいに楽になったし、スピードも体感で倍ぐらい早くなりました。これは必須です。
② 紙やすりはこまめに位置を変える
やすりは案外すぐに破れます。
そうするとやすりの粉がついたタップをR10本体にグリグリこすりつけてるわけですから、本体にダメージがいきますね。
あとそもそもやすりが破れていたら削れないです。
少しやれば手ごたえや音でやすりが破れたとか目詰まりして削れなくなってきたとかわかるようになりますので、なるべく早い段階でやすりの位置を変えましょう。
変えるタイミングは使ってればなんとなく覚えます。
③ やすりの幅は15mm弱、長さはできるだけ長く
やすりの挿入口がちょうど15mm幅ですので、なるべくそれに近い幅で切りましょう。そうすればシャフトを回転させてもやすりのブレが少ないです。
それと長さですが、上で書いた通り、こまめに位置を変える必要があるので長いほうが良いです。短いとすぐ交換しないといけなくなるので面倒です。
④ 毛抜きやピンセットは必須
とは言え、気を付けていても、いつの間にかやすりが破れていることがあります。
やすりの位置をずらそうとしたら、中でやすりが切れてつまっちゃったりしますので、それを取り出すように毛抜きやピンセットを手元に置いておくと作業がスムーズです。
⑤ 使用中もこまめにやすりのかすをとる
使用中、R10の中はタップややすりのくずでかなり汚れます。
特にやすりの粉が厄介で、これがR10の中に散乱した状態で使用すると、R10本体はもちろん、先角にも傷を付けてしまいそうで心配でした。
タップの挿入口は14mmぐらいですので、特にジャンプキューなど径が太いキューだと、周りに付着したやすりの粉が先角を傷つける恐れがあります。
使用後はもちろんですが、使用中もR10内部はこまめにきれいにしておくと安心です。
⑥ 紙やすりの厚み分、Rの精度に多少の誤差がある
2022/4/27 追記
SOさんから指摘があったのですが、R10は紙やすりの厚みが考慮されていないため、その分、Rの精度に多少の誤差があります。
これは使用するやすりの厚みで微妙に変わります。
チェッカーのほうは正確だと思いますので、厳密にRを出したい場合は、チェッカーでチェックしながら、タップシェーバーなどで微調整すると良いと思います。
(3) どんなやすりが良いのか
もともとR10は紙やすりを使う仕様なんですが、紙やすりだと破れやすいとか、思うように削れないとか問題があり、モスモスさんは金属製のこういう丸いやすりが別売りで売っていないか探していました。
でも結局見つからず、どんなやすりが良いかTwitterでみんな色んな意見を出し合ってたんです。
そこで挙がったものの中で有力だったのが、メッシュやすりと布やすり。
今回、全部試してみました。
左から、セリアの木工用の紙やすり、ダイソーのメッシュやすり、セリアの金属用の布やすりです。
結果、僕は布やすりの120番が一番良かったです。
紙やすりはすぐ破れちゃうので交換が面倒でしたし、あまりはやく削れなかった。
モスモスさんのお気に入りはメッシュやすりの240番です。
たしかに削れはするし、紙やすりより耐久性はあるのですが、メッシュやすりは両面やすりなので、裏面がR10本体を傷つけちゃうんです。
下の画像はメッシュやすりで何本もR整形をした後のモスモスさんのR10です。
これ、削りかすがたまっているので、全部が全部傷ってわけではないですが、けっこう傷だらけになってるそうです。
その点、布やすりは紙やすりよりも耐久性があり、削れ方も良く、メッシュやすりのようにR10を傷つける心配もあまりないので、僕はこれでいこうと思います。
いつでもセリアで買えるし。
(4) R10は樹脂タップにも使える
モスモスさんが樹脂タップもR10で整形してみてくれました。
今日の実験くん
R10+網ヤスリ240番でR8.0のタオムをR7.5に変更できるのか?!樹脂ティップの中でも整形が難しいタオムで試してみました。
さて結果は? pic.twitter.com/xtbf9zgL6S— モスモス (@mosmos90054560) April 16, 2022
でもモスモスさんが使ったのはメッシュやすりの240番。
僕としては布やすりの120番で試してみたいところ。
ということで、R10+布やすり120番でG10タップを削ってみました。
削る前のRは10.0
これをR9.0に変えてみました。
見ての通り、やすりの位置は1回変えただけ、時間は1,2分で終わりです。
G10はサラサラなので削りやすいというのはありますが、それにしても楽すぎ!!
3.R10の購入方法
(1) R10はこんな人におすすめ
R10はタップ交換の時はもちろん、撞き締まって変形してしまった時や、Rを変えたいときなど、日常的なメンテナンスにも使えます。
特にこんな人におすすめです。
・R整形がうまくできない人
・R整形の時間を短縮したい人
・色んなRを試したい人
思い当たる人は買っておいて損はありません。
(2) 購入方法
今後はヤフオク、メルカリで販売するそうです。
3Dプリンタってあっと言う間に量産できるイメージがありますが、実はけっこう大変らしく、不良在庫を抱えないためにも一度に作るのは5~10個ぐらいです。
で、4/24に10個限定で販売されましたが、一瞬で売り切れました。。
その後もちょくちょくメルカリで出品されてますので、こまめにチェックしましょう。
(3) 販売価格
R10とRチェッカーのセットで¥3,000
これは超お得ですね。
4.R10ケースを作る
せっかくの素晴らしいツール、ケースも欲しいですよね。
てことで自作好きの僕が縫わないレザークラフトで作ったR10ケースはこちらです。
5.まとめ
いかがでしたか。
僕はR出しには苦労していたものの、タップシェーバーでもできるし、モスモスさんほどタップ交換するわけでもないし、もともと買うつもりはありませんでした。
でもあまりにも評判がよく、モスモスさんからも「今買っておかないと後悔する」なんて言われて、あわてて買ったわけですが、これは本当に素晴らしかったです。
タップ交換をする人もしない人も、R10があれば色んなアールを楽しむことができると思います。
やすやすさんが個人で製作しているものなので、欲しいと思った時に販売されているかはわかりませんが、見つけたら買っておいて損はないと思います。