作りが粗悪とかよく言われるフィリピン製のカスタムキュー。
「フィリピンキューって何がダメなの?」
「フィリピンキューって全部ダメなの?」
そのへんの有益情報まとめました。
この記事の内容 1.フィリピンキューとは 2.フィリピンキューって何がダメなの? 3.フィリピンキューって全部ダメなの? 4.ネットで見かけたフィリピンキュー 5.まとめ |
1.フィリピンキューとは
フィリピンキューとは、言葉通りにとらえるとフィリピン製のビリヤードキューのことですが、主にフィリピン製のカスタムキューのことを指すと思います。
フィリピンのカスタムキューというと、エドウィン・レイズやJDなんかが有名ですね。
エドウィン・レイズ 出典:ニューアート
ですが、「フィリピンキュー」と誰かが言っていたら、それはそういう有名メーカーのものを指すのではなく、たいてい「フィリピン製の作りが粗悪なビリヤードキュー」という悪い意味であることが多いです。
どれもバールウッドなど、希少な銘木を惜しげもなく使った、いかにも高そうだなと思える見た目が特徴です。
2.フィリピンキューって何がダメなの?
ではよく言われる「フィリピンキュー」は何がだめなんでしょうか。
この点、有益な情報がありましたので紹介します。
こちらはBurl & Grain Custom Cuesさんのフェイスブック投稿ですが、フィリピンカスタムの特徴として、
・クリア剥がれ ・インレイ浮き ・バットのひどい曲がり |
などのトラブルが多く、その原因は以下のようなものだそうです。
・日本とフィリピンの湿度の違い ・木材の乾燥が全く足りてない |
それともう1つ、フィリピンカスタムについて詳しく書かれているのが、アルファインターナショナルさんのこちらのコラムです。
「フィリピンキューメーカーの現状と問題点」※残念ながら記事が無くなってました。。
ここに書かれていたフィリピンキューの問題は、アメリカのカスタムキューのデザインだけをパクって、音鳴りや曲がりを防止するための構造的な工夫が一切されていないことだそうです。
だから上で書いたような不具合が起きるんですね。
3.フィリピンキューって全部ダメなの?
じゃあフィリピンキューが全部ダメかというと、そういうわけではありません。
上で紹介した2つのコラムを読むに、以下4メーカーは大丈夫そうですね。
エドウィン・レイズ
出典:ニューアート
キュー製作をアメリカで学んだフィリピンカスタムの第一人者です。
高温多湿のフィリピンでも狂いの出ない高品質のキューを作るため、アメリカ、日本それぞれの気候に合わせた乾燥室を保有するそうです。品質に徹底的にこだわっているのがわかりますね。
ちなみにエドウィン・レイズは2009年に亡くなっています。その後その技術を引き継いで、アルファインターナショナルの代表の方がエドウィン・レイズの工房で働いていた職人と一緒にSuper Billiardというブランドを立ち上げています。
市場ではほとんど見かけませんが、以下は以前ニューアートで売られていた中古のSuper Billiardです。ブレイクキューですけど3,3000円です。
Super Billiard 出典:ニューアート
最近の動向が不明なので、ここには挙げていませんが、エドウィン・レイズの技術を引き継いでいるのであれば、Super Billiardも安心のメーカーだと思います。
Super Billiard立ち上げの経緯について興味がある人はアルファインターナショナルのブログをご覧ください。
ジョエル・ダディヴァス(JD Cues)
20年近くキュー製作のキャリアがあるジョエル・ダディヴァス、JDというカスタムキューを耳にしたことがある人は多いと思いますが、その製作者です。
出典:ニューアート
エフレン・レイズの依頼を受けてシャフト製作もしているそうです。
アル・バウティスタ(Black Pearl Cues)
エドウィン・レイズの工房で修行した職人で、Black Pearlというキューを製作しています。
以前、メルカリでBlack Pearlのキューが売られていました。バールウッドのストレートでめちゃくちゃかっこ良かったです。いつまでリンク残ってるかわかりませんが、まだページ残ってたので貼っておきます。
どうせあやしいフィリピンカスタムでしょと思ってスルーしていましたが、ちゃんとしたものだったんですね。8万円で売れていますが、本当に良いものだとしたら、そんなに高い買い物ではないですね。
トニー・バウティスタ
アルの弟で、イグナシオやデルーナが以前使用していたメーカーだそうです。
4.ネットで見かけたフィリピンキュー
僕がこれまでネットで見かけたフィリピンキュー(と思われるキュー)のエピソードをいくつか紹介します。
ケース1:バールウッドのストレート
2,3年前にヤフオクで詳細不明として売られていたキューです。リンクが残っていませんでしたが、イメージとしては下の早川工房みたいなキューでした。
早川工房 出典:ニューアート
配色は逆だったかもしれませんが、こんな感じでバールウッドがふんだんに使われた、セグメントハンドルのストレートキューでした。リングワークはもっとシンプルでしたが、正直これよりかっこよかったです。
たしかプレデターのパクリブレイクキューとセットで5万ぐらいで売られていたと思います。その後、徐々に値下げして、メルカリとかで出品されてましたが、誰か買ったのかな。
ケース2:謎のメーカーの超豪華キュー
これも2,3年前にメルカリで売られていたキューです。イメージはこのトレッドウェイみたいな感じだったと思います。
トレッドウェイ 出典:ニューアート
このキューには聞いたことのないメーカーの名前が入っていましたが、色々調べてもいまだにわかりません。
最初たしか12万ぐらいで出品されていて、最終的に落札した人が「こんなキューがほしかった」とか「このキューを一生物にしたいので」と言って値切って最終的に10万ぐらいで落札されていたと思います。
本当に僕が知らないだけで、実はちゃんとしたところなのかもしれませんが、あれはあやしいと思うなあ。
ケース3:ジョイントピンが曲がって刺さってるキュー
最後は2,3年前にヤフオクで売られていたひどい不具合のキューです。
似たようなデザインが見つけられませんでしたが、たしか4剣か6剣ハギぐらいで、ハギとバットスリーブにバールウッドが使われていたと思います。
たしかジョイントピンが曲がって刺さっているものの、つないだらそんなにバタつかないとか、「どんな状態?!」っていうキューだったと思います。
これは売り主がちゃんとそういう不具合があることや、正体不明のおそらくフィリピンキューということは説明していましたし、かつ15000円ぐらいでの出品だったので、落札したほうもそれを承知で買ったんだと思います。
5.まとめ
いかがでしたか?
フィリピンキューのことを全然知らなかった人、フィリピンキューはほとんど粗悪だと思ってた人、両方いると思います。
僕は後者で、フィリピンキューってエドウィン・レイズ以外は全部ろくでもないと思ってました。でもそんなことないんですね。
ネットで安くてかっこいいキューを見つけたら、それはもしかしたら掘り出し物かもしれませんが、ただのゴミの可能性も高いです。
そういうことを知っておくのは、自分を守ることになると思います。
この記事がお買い物の参考になれば幸いです。
カスタムキューに関して、他にはこんな記事も書いていますので、良かったら読んでください。
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