ビリヤードシャフトの重さって気にしたほうがいいの?
ビリヤードショップのHPを見ても重さが書いてないんだけどなんで?
そんな疑問にお答えします。
結論、シャフトの重さはとても大事です。この記事を読めば、自分に合わない重さのシャフトを買って後悔したりしなくなると思います。
この記事の内容 1.ビリヤードシャフトの重さが大事な理由 |
1.ビリヤードシャフトの重さが大事な理由
シャフト選びをする際、考慮すべき点は色々とあります。材質、構造、テーパー、先角の種類などですね。それと同じぐらい大事だと思うのがシャフトの重さです。
シャフトの重さが重要な理由、それは重さが変わることでキューのバランスが変わるからです。
(1) ビリヤードキューの重さとバランスの違い
「重さとバランスって何が違うの?」という人のために説明します。
ビリヤードキューの重さとは、言葉通りバットとシャフトを合わせたキュー全体の重さのことですね。
一方でビリヤードキューのバランスとは、キューの重心が前寄りにあるか、後ろ寄りにあるかということです。
前寄りのものを前バランス、後ろ寄りのものを後ろバランスという言い方をします。キューの重心の位置のことをバランスポイントと言います。
(2) ビリヤードキューのバランスが大事な理由
バランスが変わると、キューの振りやすさが変わります。普段前バランスに慣れている人が後ろバランスのキューを使うと、ストロークが安定しなくなる可能性があります。僕がそうです。逆も然りです。
僕のキューに重さが違うシャフトをつないでバランスポイントを調べてみました。
写真が下手過ぎて違いがわからないかもしれませんが、
上の写真 ・シャフトの重さ: 133g ・バランスポイント:バットエンドから49.3cm 下の写真 ・シャフトの重さ: 122g ・バランスポイント:バットエンドから48.3cm |
シャフトが重いほうが当然前バランスになるんですが、僕のキューの場合、重さは11g、バランスポイントは1cm違います。
たったそれだけ?って思うかもしれませんが、実際にこれでプレーしてみるとけっこう違います。僕の場合、圧倒的に133gのほうがやりやすいです。人によっては1gの違いでも違和感を感じると思います。
なので、シャフトを選ぶ際、自分のバットにつないでみて、普段と同じ感覚でキューを振れる重さのシャフトを選ぶことはとても大事です。当然、振りやすさはシャフトの重さだけで決まるものではありませんが、重さは振りやすさの重要な要素の1つです。
(3) 前バランスと後ろバランスの定義は?
どこからが前バランスでどこからが後ろバランスかという明確な定義はなく、あくまでも他との比較、個人の感覚によります。要は前バランスと思うか後ろバランスと思うかはその人によるということですね。
参考までに僕はだいたい以下のようなイメージでいます。
後ろバランス:バランスポイント ~46.5cm 普通: バランスポイント 46.5cm~48cm 前バランス: バランスポイント 48cm~ |
2.ビリヤードシャフトの重さの違いで何が変わる?
キューの振りやすさの他に、シャフトの重さの違いが変わると以下が変わります。
・パワー ・トビの量 |
少し補足します。
(1) パワー
まず1点目、パワーについては軽いシャフトで撞くよりも重いシャフトで撞くほうが、手球に伝わる力も大きくなるので、手球をより長く走らせることができるようになります。
ストロークのパワーに自信がない人は、重いシャフトのほうが楽になるかもしれません。ただ、重すぎるとキュースピードが出しづらくなって逆効果になったりするので、人によって適度な重さというのがあります。やはり実際に撞いてみるのがいいですね。
(2) トビの量
2点目、トビの量ですが、理論的にはシャフトが重いほうがトビも大きくなると思います。ハイテクシャフトって先角が短かったり、先端が中空になってたりしますが、あれはシャフトの先端を軽くすることで、トビを減らすという狙いがあります。
そう考えるとシャフトが重いほうがトビも大きくなるのですが、ただこれはシャフトの構造やテーパーによって変わります。重いシャフトでもシャフトの先端のほうが軽ければトビは少ないです。
なので重いシャフトでも先端中空になっているとか、シャフトの根元の部分だけ太くなっているテーパーとかだと、先端のほうは軽くなるので、トビの量が大きくなるとは言えません。
要は構造、テーパーなど重さ以外の条件がすべて同じシャフトがあった時(そんなことありませんが)は、重いシャフトのほうがトビが大きくなる傾向があるということですね。
3.ビリヤードシャフトの重さが明記されていない理由
ここまで読んで、シャフトの重さは大事なんだなというのが何となくわかったかと思いますが、そしたら購入する時にシャフトの重さを確認しようと思いますよね。
でもどこのお店も重さを明記してなくて困ったことありませんか?
なぜ重さが明記されていないかと言うと、それはシャフトの重さに個体差があるからです。意外と知らない人もいるんですが、同じメーカー、同じ銘柄のシャフトであっても、実はけっこう重さが違います。ノーマルシャフトはもちろんのこと、ハイテクシャフトもカーボンシャフトでさえも個体差があります。だからお店も明記できないんですね。
4.購入前にビリヤードシャフトの重さを知りたいと思ったら
買おうと思ってるシャフトの重さを知りたい、でもどこにも書いてない、そんな時は以下の方法で重さを調べましょう。
・お店に聞く ・中古品の重さを調べる |
補足します。
(1) お店に聞く
これは当たり前ですが、お店に聞けば教えてもらえます。ただし1本だけじゃだめです。個体差があるので最低5本ぐらいは重さをはかってもらいましょう。それでやっと、「このシャフトはだいたいこれぐらいの重さなんだな」とか、「自分好みの重さの個体があるな」というのがわかります。
(2) 中古品の重さを調べる
ビリヤード用品店やヤフオク、メルカリなどで出品している中古品なら、重さの記載がされていることがほとんどです。ためしにヤフオクで314-3の中古品の重さを調べたところ、こんな感じでした。
314-3の中古品の重さ ① 101g(ラジアル) ② 104g(ラジアル) ③ 105g(ラジアル、ロング) ④ 106g(ウェイビー) ⑤ 114g(ユニロック) |
①~④まではまあ誤差レベルかなという範囲ですが、人によっては5gの違いってけっこう大きいですね。
僕は前バランス派なので、101gとかしかないなら314-3は選択肢から外しますが、「これぐらい重いのもあるなら候補としてありだな」とか、選択肢の幅が増えて買い物に失敗しなくなると思います。悩む時間は増えますけどねw
ちなみに5本目はかなり重いのはこれがユニロックだからだと思います。以下に簡単に説明します。
ジョイントの違いによる重さの違い
以下をご覧いただければわかると思いますが、14山、18山、ユニロック等の場合、シャフトのジョイント部分に金属のネジ穴が挿入されています。ですので、自分がラジアルユーザーであれば、ラジアルの個体だけ調べるようにしましょう。18山や14山のものを見て、「けっこう重いのもあるんだな」って考えないように注意してください。
18山パイロテッドジョイントとステンレスカラー 出典:ニューアート
ラジアルジョイントと樹脂カラー 出典:ニューアート
余談:シャフトの重さを知らないで買い物すると失敗する話
余談ですが、僕は以前、ブレイクキューのシャフトにこれを買おうか悩んでいたことがありました。
Mezz DEEP IMPACT PRO H shafts 出典:ニューアート
説明書きを見ると、なんかパワーがありそうでめちゃくちゃ良さそうじゃん!と思ってたんです。結局買わなかったんですが、あとで中古品で重さを調べてみたら、140~150gあることを知って、買わなくて良かったと思いました。前バランスが好きと言っても、いくらなんでもこれは重すぎで、僕なんかには扱えないですからね。
商品のうたい文句だけを見て手を出したら失敗するという教訓ですね。
5.ビリヤードシャフトの重さの個体差を調査|主要メーカーの人気商品
こちらの記事にまとめました。こんなに個体差があるんですね!
6.ビリヤードシャフトの重さを変えたいと思ったら
重さをちゃんと調べてからシャフトを買ってはみたものの、実際に使ってみると、ちょっと好みじゃなかったなと思うことはあると思います。そんな時は以下の方法で重さを変えることができます。
(1) シャフトを軽くするには
以下の方法を検討してください。
・テーパーを変更する ・先角を短くする ・先端中空加工をする |
少し補足します。
① テーパーを変更する
テーパーを変更する、つまり削ることで多少の軽量化ができます。自分でできなくもないと思いますが、全体を均等に削るのは手作業では難しいので、ちゃんとしたリペアショップに相談してやってもらうほうが良いと思います。こちらの記事でお店をまとめましたので、参考にしてください。
② 先角を短くする、先端中空加工をする
これは自分でやるのは無理だと思います。リペアショップに頼みましょう。シャフトを加工してくれる店については、こちらの記事にまとめました。
注意
上記①②について以下の点に注意が必要です。
・そんなに軽くならないかもしれない ・重さだけでなく性能(パワー、トビの量)も変わってしまう |
わかりませんが、軽くすることが目的の加工ではないので、あまりそこは期待すべきじゃないと思います。それに上記の方法はすべて性能に影響しますし、やり過ぎると耐久性も落ちるかもしれません。重さを変えたかっただけなのに、そんなに色々変わっちゃうぐらいなら、自分に合った重さの新しいシャフトを買ったほうがいいかもしれないですね。
(2) シャフトを重くするには
以下の方法を検討してください。
・板おもりを貼る ・ウェイトリングを付ける ・ウェイト調整機能を入れる |
またまた補足します。
① 板おもりを貼る
釣り用の板おもりを貼れば好きなだけ重くすることができます。ただあまりたくさん貼り付けると邪魔ですし、見た目が最悪になります。
② ジョイントリングを付ける
MEZZのこれです。UJ用とウェイビージョイント用しかありません。これはシャフトの重さを重くするわけではなく、バットとシャフトの間に挟んで使います。重さは8gと13gのセットです。
価格:6,380円 |
価格:6,380円 |
ちなみに僕はシャフトにはめる本革製のウェイトリングを自作して、ジャンプキューにはめて使っています。プレーキューにつけるとちょっと邪魔だと思いますが、興味のある人はこちらの記事で作り方を紹介していますので、良かったら読んでください。
③ ウェイト調整機能を入れる
シャフトのネジ穴の奥にウェイトボルトを入れられるように加工することですが、僕が知る限り、これをやってくれるリペアショップは早川工房だけです。早川工房のキューにはこの機能が標準装備されているものが多いですよね。料金は¥6,600、納期は1週間~でやってくれます。
ちなみにMEZZもウェイト調整機能を標準装備しているシャフトを出していますね。これです。
シャフト EXCEED EX PRO Mezz-UJ SWS搭載 出典:ニューアート
他のメーカーもやってほしいなと思うんですが、案外、こんな機能があってもそんなにしょっちゅうウェイトをいじることなんかないのかもしれませんね。
7.まとめ
いかがでしたか?
シャフトの重さは大事だということがわかってもらえたんじゃないでしょうか。
シャフト1本の値段も馬鹿にならないですから、色々な要素を検討して、自分にあった最適のシャフトを選びたいですね。そうすれば無駄な買い物をしなくて済むと思います。
シャフト選びの際には、他にも考慮したい点があります。以下の記事にまとめましたので、あわせて読んでください。
ハイテクシャフト、カーボンシャフトについてはこちらをどうぞ。
中古シャフトの購入を考えているならこちらもどうぞ。
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