前回はC.K.Originalのプレー用タップBlue Owlを紹介しましたが、今回はブレイク用タップDriveについてです。
Blue Owlについてはこちらの記事をご覧下さい。
この記事の内容 |
1.Drive|コントロール性能とパワーを兼ね備えたブレイクタップ
(1) Driveの開発コンセプト
C.K.Originalのブレイクタップとして開発されたDriveは、「コントロール性能とパワーを兼ね備えたブレイクタップ」というコンセプトで作られています。
コントロール性能を引き出すのはグリップ力、パワーを引き出すのは硬さと言っても良いと思いますが、そのバランスが大事ですね。
(2) Driveの設計
一般的に、単層タップを硬くするためには締めるという工程が必要になりますが、Driveは先日記事にしたBlue Owl同様、製造工程で「締める」という工程がありません。
締めたタップは革の繊維を押しつぶして隙間を無くし硬くするのに対し、Driveを含めたC.K.Originalタップは繊維に樹脂を含侵させそれ自体を太くすることで隙間を埋めて硬くしています。
これによりDriveは当たり自体は樹脂の硬さ、グリップに関しては締められていない革本来の弾力を持たせています。
C.K.Originalはタップ毎に使用する樹脂を変えることでタップの硬さや弾力を変えていますが、Driveはそこに熱処理を加えることで硬化を最大限に引き上げており、それによって内部までむらなく均等に硬く仕上げてあります。
下の画像はDriveの断面。
左側は切ったあと磨いてありますが、中心部までしっかり含侵しているのがわかると思います。
(3) Driveの特徴
このように開発されたDriveには以下のような特徴があります。
・硬くパワーがある
・革本来の弾力があり、スイートスポットが広い
・スピンをのせやすい
・チョークのりが良い
・変形しにくい
2.Driveを試してみた
ぼくもサンプルをいただき、試してみましたので、感想を書いていきます。
(1) 取付
今回もいつも通りに取り付けていきます。
側面の削りカス。Blue Owlはボソボソした感じでしたが、Driveはかなりしっかり詰まった感じの削りカスです。
Blue Owlは無臭でしたが、Driveは削ってる時に鬼タップと同じような独特の臭いがしました。使っている樹脂は異なるそうなんですが、このタイプの樹脂は同じような臭いがするそうです。
そしてめちゃくちゃ硬いです。
途中までは普通にカッターの刃で頑張ってやってましたが、ちょっとパワー不足で厳しかったので、最後の仕上げはKAKURIでやりました。
KAKURIって何?って方はこちらの記事を参考にしてください。樹脂タップの側面削りに大活躍です。
樹脂タップの交換はこちらの記事も参考にしてください。
完成
(2) 試した感想
使ってみた感想です。
・硬い
・楽に割れる
・チョークのりが良い
・スピンを乗せやすい
・ひねる9ボールブレイクも手球をジャンプさせる10ボールブレイクもやりやすい
・音、打感は樹脂
・最初のうちはわずかに変形する
・側面の毛羽立ちはない
個人的には超良かったです。
硬くてパワーがあるので楽に割れますし、10ボールブレイクで手球をジャンプさせるのもやりやすい。スピンも乗せやすいのでひねる9ボールブレイクもやりやすい。
まあ僕はブレイク下手ですし手打ちなのでたいしたレビューはできませんが、楽に割れてくれるので力む必要もなく、その分コントロールもしやすかったです。
(3) Driveはジャンプキューにも使える|注意点あり
これだけ硬くてパワーがあるタップなので、当然ジャンプもいけるでしょうってことで、付けてみました。
付けたのは少し前に購入したY2Jです。X(Twitter)で販売されていた自作カーボンジャンプキューですが、性能はかなり高いです。
もともとのタップはPEIです。(PEIについて詳しくはこちら)
しかしこれがけっこう硬くて、そのせいなのか思うようにジャンプドローが引けない。
てことで今回Driveを付けてみました。
PEIを外す時に一緒に座(というか先角というか)も外れちゃったので、IGプレートで急遽代用し、何とか取り付けました。シャフト径とタップ径はほとんど同じだったので、側面は全然削っていません。
Driveはブレイクで使うとかなりスピンが乗せやすいので、ジャンプに付ければゴーストみたいに華麗にジャンプドローができる!と勝手にハードルを上げてしまっていたのですが、そんなことはなかったですね。。
そこは腕だったみたいです。
まあそれは練習するとして、普通に飛ばして入れる分にはPEIと同じぐらいやりやすかったですし、むしろPEIだと自分には飛びすぎる気がしたところ、Driveのほうが多少抑え気味なので、そこは僕的にはコントロールがしやすくなって良かったです。
あと僕はジャンプでスピンは使わないのですが、牛王さんいわく、Driveにするとスピンもかなりのせやすくなるそうです。
ジャンプで使う場合の注意点
タップ径に多少個体差があり、小さいのは13.5mmぐらいなので径が太いジャンプキューには適合しません。
個体も選べませんので、ジャンプキューで使う前提で購入するのは控えたほうが良いと思います。
3.Driveのユーザーレビュー
と、僕のレビューだけではあまりにも薄っぺらいので、一般リリース前であまりユーザーがいない中、牛王さんの知人の方からレビューいただきました。
元クラブ員で、今は球屋の店員をされているA級の方です。
Driveを使用してみて
まず前提として、僕個人が使用しての感想なので、他の方が使用された時のイメージと異なることがあるかもしれませんが、どうかご了承頂き、一個人としてのフィーリングであるとして見て頂けると幸いです。
今回、このDriveを使用させて頂いてまず最初に感じたことは、、、手玉が全然暴れない!ということでした。自分はそこそこ強めにブレイクをしますが、例えば9ボールのブレイクですと、、、ヒット後に軽く手玉がジャンプし、ドンドン、、ピタっ!と言った感じw
直前に付けていたタップと比べると、同じ同点、同じ厚み、スピードでブレイクしても、手玉の動きが一目瞭然と言える程暴れず、しかしながらパワーはしっかりと伝わりました。この時は捻りは入れていませんが、コントロールした時も、打球音は硬いながら気持ちの良い音をしながらも、食いつきはあり、しっかりとコントロールが出来るといった印象でした。
10ボール、ローテーションでのブレイクも、手玉を飛ばすこともしやすいし、飛ばさずにブレイクすることもやり易いと、今までに無いほど、良いイメージのタップです。
手玉にヒットした時の感触は、ダイレクトに打球感が手元に伝わってくる感じがあり、キューとの一体感を非常によく感じられます。
女性の方にも試してもらいましたが、非力な方でもしっかりとパワーを伝えられて、イリーガル全然しない!(その方の印象)とのことでしたので、そのことからも、手玉への伝達力に無駄が無いと感じました。
最初は、硬い!と思われるかもしれませんが、是非是非試して頂きたいタップです。
また、自分はブラッククロウをプレーとして使用させてもらってますが、そちらもとてもおすすめなので、一度は試して頂きたい、素晴らしいアイテムです。
(補足)
どんな突き方をしてもクリーンヒットする、というわけではなく、しっかりと撞点にヒットさせる必要はあります。しかし、撞点を正しく撞く練習として、これ以上ないくらいのナイスなタップです。
4.Driveのメンテナンス
上でも書いた通り、毛羽立ちはないのですが、最初はわずかに変形します。
これは30発ぐらいブレイクした後の状態。
ほんのわずかにですが、先端に向かってラッパ状に広がっています。
全然わかんないよ!って思う人なら全く気にならないでしょうね笑
まあこのままでも使えるのですが、あんまりラッパが広がっちゃうとパワーロスがありそうなので、変形したら刃物で切るかやすりで削るかしてフラットにしてあげましょう。
牛革タップのメンテナンス方法はこちらの記事に詳しくまとめていますので、参考にしてください。
5.Driveを試したいと思ったら
こちらも一般リリースは11月予定です。
価格は2000円。
詳しくは今後の記事で紹介します。
あわせて以下もチェックしてください。
6.まとめ|次回はBlack Crow
以上です。
ブレイクタップも選択肢が色々と増えてきましたが、パワーとコントロール性能を兼ね備えたタップをお探しの方、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
次の記事は硬めのプレー用タップ、Black Crowです。
こちらもすでに何人かのユーザーからのフィードバックが返ってきていて、かなり好感触だそうです。
上で紹介したレビューの方も絶賛していますね。
以下、関連記事です。