モスモスさんのチョークケースセット2号機を作りました。
この記事の内容 1.初号機の問題点 2.モスモスさんのチョークケースセット2号機 3.まとめ |
1.初号機の問題点
今年の3月にモスモスさんのオーダーで作ったチョークケースセットはこちら。
構造や材料などの問題があり、けっこうボロボロになってきて、以下のような問題が発生していました。
・チョークケースが緩んできた
・接着が甘く、部分的に剥がれてきた
・磁力が弱くぶつけたりしたら落ちてしまう
このチョークケースはかなり浅く、かつタイトに作っていたんですが、革の伸縮性でチョークのサイズに対応できるようにという設計が災いしました。使っているうちに革が伸びてきちゃったみたいですね。
接着については、この時使った革との相性が悪かったみたいです。けっこうオイリーな床革を使ったのがたぶん原因。
磁力について、モスモスさんが以前使っていたカムイのチョークシャークはかなり磁力が強力なのですが、それと比べると確かにぶつけたら落ちたりする可能性はあります。僕は後ろのポケットに付けてるので大丈夫なんですが、モスモスさんはサイドポケットに付けてるのでぶつけやすいんだと思います。
と、こんな感じで残念な状態になってしまったので、2号機を作ることになりました。
2.モスモスさんのチョークケースセット2号機
今回の要件はこちら。
・ワニ革
・頑丈
・ふた付き
・磁力アップ
では作っていきます。
(1) 頑丈なチョークケース
これが一番の難題でした。
初号機はモスモスさんオーダーで浅くタイトに作ったので、使っているうちに革が伸びてだんだん広がっていっちゃったみたいなんですが、僕のチョークケースの構造と材料では浅くタイトで頑丈なものを作るのがかなり困難。
構造、材料、接着剤、全部見直す必要があると思ってさんざん悩んだ結果、ふと思いつきました。
これにワニ革貼ればそれで全部クリアーなんじゃない?って
これは以前、革を着せ替えできるチョークケースのベースにするためにセントラルで買ったプラスチックのケースなんですが、めちゃくちゃタイトで頑丈な上に、型崩れしないので、ふたを作るのも容易です。
ちなみにこのケース、けっこうサイズに個体差があります。僕はかなりタイトなやつを選んで買ったんですが、モスモスさん希望のサイズと偶然にも一致!
まさかこんなところで出番がくるなんて。
てことで貼りました。
いつもは革を長くカットしてぐるっと1周巻きつけるんですが、今回はふたを作るため角張ったフォルムにする必要があり、1面ずつカットして貼り付けました。コバはトコノールではなくグロスハードで艶出ししてます。少し前にTwitterでちょっと話題になってたんですが、また別の記事でもう少し詳しく触れます。
内側は革張りとかせず、23mm径の大型ネオジム磁石を2枚、底に敷いています。普段は16mm径の磁石1枚なので、ここで大幅に磁力アップしています。もちろん100均の磁石です。
革を貼る接着剤はいつもなら多用途の木工ボンドでやってるんですが、今回貼り付けるのはプラスチックですし最近小物づくりで接着の失敗がちらほらあったので、今回もこれを使いました。
色々と扱いづらいんですが、さすがの接着力、これなら安心です。
ちなみにチョークケースのそこにはもともとチョーク取り出し用の穴が開いています。
底に敷いた磁石はトントンってやれば取り出せますが、チョークを奥まで入れてしまったら穴が開いてないと取り出せません。でも穴をあけるとたぶんかっこ悪くなります。
モスモスさんに相談したところ、そんな奥までチョークを入れないから穴はあけないってことになりました。うん、そのほうがいい。
新品のチョークを入れるとこんな感じになります。
磁石で底上げしているのでけっこう浅めですが、もともとがタイトなのでホールド感も申し分ないです。モスモスさんは浅めのチョークケースを希望していたので、その点もクリアーかなと思います。
これでチョークケースは完成!
(2) しっかりしまるチョークケースのふた
次にふたなんですがこれがけっこう大変なんです。
ケースほど頑丈である必要はありませんが、毎回ふたをかぶせたり外したりするわけなんで、内張もしっかりしとかないとボロボロになったり剥がれたりしちゃいますし、サイズもぶかぶかは論外、きつすぎてもだめ、しっかり閉まった感があって、キューケースの中で外れないもの、張るのはワニ革、そういうのが欲しいってことでした。
まずベースの素材からですが、当初は先日のココペリジョイントキャップホルダーで使ったプラ板を使う予定でした。
でも、あれはポリプロピレンって言う難接着素材だったんで、結局は厚紙にしました。牛乳パックはサイズが足りなかったのでセリアで買った黒い厚紙です。
これを何度かサイズを合わせながら、ジャストサイズにカット。
この内側2面に1mm厚の革を貼ります。
これはふたが一番下まで閉まらないようにするためのストッパーになります。一番下まで閉まっちゃうと開けられなくなりますからね。今回は取り出し用の切り込みは入れないってことになってたんで。ふたの上に取り出し用の穴をあける方法もありますが、それはかっこ悪いからやりません。
で、ここに黒い豚革で内張をします。
側面を立ち上げた時に豚革同士が干渉しないよう、微妙に形を変えてカットしたり色々と工夫しています。やたらと長いのは外側に折り返すためです。折り返さないとふたを何度も付けたり外したりして、豚革がはがれてきちゃいますからね。
で、この段階でまずは箱を組み立てます。クラフトテープで角をしっかりと貼り合わせます。
そして豚革を折り返して貼り付けます。
長さが足りないので残りの部分にもぐるっと1周
この状態でチョークケースにかぶせてみて、養生テープをしっかり巻きつけて、締め付け具合を調整します。緩すぎず、きつすぎず。
あとはここに1面ずつワニ革を貼り付けたら完成!
チョークケースにかぶせてみると
見ての通り、取り出しやすいように下からチョークケースが少し顔を出すようになっています。でもモスモスさんが思っていたより深かったようで、これだと取り出しづらそうとちょっと心配してました。たしかにちょっと深くし過ぎて取り出しづらいです。。
でもふたをしたままマグネットホルダーにセットしてから外せば簡単に外れるので、それで問題ないということになりました。それなら一番下までかぶせちゃってもよかったなあ。
(3) 強力なマグネットホルダー
これはそんな厄介じゃない、はずでした。。
磁石を倍にするだけだと思ってたんですが、まずは失敗作の写真。
ぱかっと完全に開いた状態で牛革で内張をしたんですが、折りたたんだ時に内側の革がしわしわになっちゃってますね。いつもならこれでもいけるんですが、外側のワニ革が硬くて全く伸びないんで、内側がこんなことになっちゃいました。あとちょっと厚い革を使い過ぎました。
これでも使用上なんの問題もないんですが、美しくないのでボツです。
というわけで気を取り直して作っていきますが、まずはこういう革を用意します。
左が土台になる1.2mm厚ぐらいの牛革。ここに磁石が入る穴をあけときます。そして右がワニですね。
これを貼り合わせるんですが、開いた状態ではなく、こうやって折り曲げた状態で貼り合わせます。
フルオープンにはできないんですが、さっきの失敗作みたいな悲惨な見た目にはなりません。
そして次に磁石収納部分を作ります。今回は磁力アップのため16mm径の磁石を2枚重ね、前後で合計4個使います。いつもの倍です。
さっきと同じ革をこんな感じで短く切って穴をあけて2枚貼り合わせます。断面を斜めにカットしてるのはデザイン的な意味があります。
これをさっきの土台に貼り付けて、磁石を収納し、その上からもう1枚薄い牛革をかぶせればオッケーです。
さっき磁石収納部を斜めにカットしたのは、こうやって横から見た時に斜めのほうがかっこいいと思ったからです。
あとは整形してコバを磨けば完成です。
こっちが裏面ですが、今回のチョークケースは磁石を固定していないので、磁石を裏返せばホルダーの裏面で使えます。形状も革の模様も違うので、気分に合わせて表と裏を使い分け可能。
(4) スペーサー
チョークケース底上げ用のスペーサー、これは簡単、四角くカットした革を貼り合わせただけです。
左は2mm厚、右は5mm厚
(5) おまけ|金属板ホルダーセット
なんのことだかわからないと思いますが、これです。
ホルダーは失敗作のマグネットホルダー、くっついてるのはワニ革と牛革を貼って厚みを増した金属板です。
牛革タップメンテの記事でも触れましたが、金属板は膨らんだ牛革タップの側面を押し戻すのに使います。モスモスさんはプレー中も金属板を持ち歩いていて、気になった時に押し込めるよう、プレー中はポケットに入れてるそうです。
そこで、僕が先日セリアで見つけた金属板に革を貼って、失敗作のホルダーは金属板用のホルダーにすることにしました。
この金属板の材質はステンレス鋼板て書いてあるんですが、鉄も入っているようで、マグネットホルダーにくっつきます。
失敗作のホルダーはちゃんと整形しました。
これで今回の品が全部完成です。ワニづくし!!
3.まとめ
やっぱワニ革はかっこいいし高級感があっていいですね。
頑丈だし、磁力も強力だし、満足してもらえるんじゃないかと思います。
ワニ革の在庫も少なくなってきたら、そろそろ仕入れにいかないとな。
以下、関連記事です。