レザークラフト覚えたての僕ですが、本の厚みに応じてサイズを自由に変えられるフリーサイズのブックカバーを作ってみたので作り方など紹介します。
普通とちょっと違いますが、こんなのもありなんだなーって思ってもらえたら嬉しいです。
この記事の内容 |
1.ブックカバーの意味
最近、家族で近所の図書館に行くのが我が家の定番なのですが、せっかくレザークラフトを始めたのでブックカバーを作りたないと思いました。
これまでも自分が使いたいものを色々と自作してきましたが、初めてのものを作る時、デザインとか仕様とか考える前にまずはその道具はなんのためにあるのかってのを考えるのが大事だと思っています。
そこで「なぜブックカバーを使うのか」って考えてみたのですが、ブックカバーの役割とかメリットってこういうことですよね。
ブックカバーの意味 ・本の保護 |
個人的に本の保護っていうのをあまり気にしたことはありませんが、電車なんかで本を読でいると、どんな本を読んでるかって周りに見られたくないっていう気持ちは誰しもあるんじゃないでしょうか。
あとはおしゃれ、これは大事ですよね。自分が気に入ったデザインのおしゃれなブックカバーがあると、もっともっと本を読みたくなります。
2.作りたいのはサイズ調整できるおしゃれなブックカバー
あんまりおさらいするまでもなかったかもしれませんが、ブックカバーの意味っていうのは再確認できました。
そこで仕様とデザインを考えていくわけですが、デザインについては革で作ればそれなりにおしゃれなものができると思ってます。シンプルに革の良さが伝わるようなものであれば良いかなと思いました。
まあそこは作りながら考えるとして問題は仕様です。
僕は電車で読書するのがメインなので、読むのはもっぱら文庫本です。サイズも当然それに合わせるのですが、問題は本の厚みですね。
平均的なページ数がどれぐらいかわかりませんが、僕が読むのはだいたい250~500ページぐらい、でも時々800ページとかいう分厚い本もありますよね。
色んな厚さの本を読むんですが、分厚い本がせっかく作ったブックカバーに入らないなんてのは嫌です。かと言ってこの分厚いのにフィットするカバーを作っちゃうと、薄い本ではブカブカでかさばります。
そこでよくあるサイズ調整可能なフリーサイズの仕様で作ることを考えます。
これは布製ですがサイズ調整できるやつっていうのはこういう感じですね。
本の厚みに合わせてこの折り返しの位置を変えるんですが、
これによって200ページだろうが800ページだろうがぴったりフィットします。
構造としてはこれを参考にするんですけど、ただですね、、なんかこれ好きじゃないんですよね。。
折り返した部分をベルトに通すの面倒くさいし、布だとほとんどかさばらないですけど、革だと折り目正しく折りたためるわけじゃないと思うので、折り返した部分がぶわっとしてかさばりそうだし。そういうの使ったことないんで単なる想像なんですけど。
てことで、僕なりにそのへんを対策しつつ、かつおしゃれ(というか僕が好きなデザイン)なブックカバーを作ります。
3.フリーサイズの本革製ブックカバーの作り方
今回は山羊革で作ります。でかい山羊革が近所で安く手に入ったんですよね。
ちなみに最初にお断りしておくと、僕はまともなレザークラフトは始めたばかりで、これまでは我流で革をいじくりまわしてきたくちなんで、基本を無視した部分もあると思いますがあしからず。それと道具の使い方とか縫い方とかの解説はしていませんので、そういうのは他のサイトやYoutube等を参考にしてください。
(1) 本体の製作
まずこんな感じで革をカット。革の厚みは1mmちょっとぐらいです。
でかい革の左側が変な曲線になっていますが、これは買った端切れの切り口そのままです。なんかこのラインをデザインに活かせないかなと思っていったんこのままにしました。この時点でデザインはまだ固まっていません。右の革は使おうと思ってカットしましたが結局使いませんでした。
ちなみに、ひとえに文庫本と言っても高さにも微妙な違いがあり、一般的なものは14.8cmですが、15.2cmのものもあります。今回のブックカバーの縦16cmというのは15.2cmの本にギリギリ対応できるラインです。その分縫い線もギリギリにしないといけないんですが、心配なら縦の長さはもう少し余裕を持ってカットしましょう。
で次にこの革の床面。普通、ブックカバーとか作る時、床面にはトコノールとか塗って毛羽立ちを抑えると思うんですが、僕はこの山羊革の床面のベロアみたいな手触りと風合いが気に入ったのでこのまま使うことにしました。
まずは左側の本を挿し込む部分を縫っていきますが、縫うラインの縁から3mmぐらいのところまで普通の木工ボンドで軽く接着します。
そして4mmピッチ(クラフト社)の菱目打ちで縫い線に穴を開けたら、
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縫います。
糸はビニモ茶の5番です。
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裏面はこんな感じ。
はしっこの革がめくれないように、縫い始めと縫い終わりの部分はこんな感じに縫います。
縫い終わったら、全体的にコバをやすりがけしてから、トコノールで磨きます。2回ぐらいしか磨いていませんが、この山羊革はまあまあきれいに艶が出たのでこれで良しとします。
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(2) しおりの製作
次にしおりですが、オーソドックスに紐をつけます。
紐を通す穴はハトメを打って補強しようと思ったんですがやめました。今回はどんな厚みの本にも対応できる仕様ですが、薄い本で使う時にハトメが干渉すると思ったので2.5mmのポンチで穴を開けるだけにしました。
それと紐。凝ったデザインにすることもできると思いますが、革をカットした時の切れ端がなんかいい感じだったのでそのまま使うことにします。
この紐を穴に通して二重に固結びしただけです。この紐は長さ22cm、結んでるところが太さ1mmぐらい、先端が3mmぐらいとだんだん太くなっています。切れ端がたまたまそうなってただけですが、なんかこれで十分かっこいいかなと思ってw
でも明らかに強度が足りないので、心配ならハトメを打ったり、穴を開ける部分に革を重ねたりすれば良いと思います。もし千切れたりしたら補修します笑
自分用のやつだと壊れても自分で直せるから気楽でいいですよね。
伸ばすとこれぐらいの感じになります。変な数字が書いてありますが気にしないでください笑 まあ見えないところなんで。
そして反対側ですが、とがってた先っぽの部分を丸くカットしてあとはそのままです。最初に考えた通り、この曲線はこのままデザインに活かします。
さて、こんな中途半端な状態ですが、本体のほうはこれで完成です。
(3) 留め具の製作
次に別の部品を作ります。
こんな感じで革をカットします。
8cm×2.2cmぐらいで、左の革は1.2mm厚ぐらいの牛の床革で、その両端に14mm径の穴を開けます。穴はポンチで開けてもいいですが、安いポンチだと狙った位置に穴を開けるのはなかなか難しいので、最近僕は100均の彫刻刀セットの一番細いやつで少しずつ押し切ってます。切り口は12角形ぐらいになる感じですが、ほぼ丸く切れます。
真ん中と右の2つはさっきと同じ山羊革ですが、1つは0.6mm厚の牛革に替えました。理由はこのあと説明します。
この丸く切った箇所に100均で4個セット100円で売っている13mm径のネオジム磁石という超強力な磁石を仕込んで、木工ボンドで裏表に残りの革を貼り合わせます。
そしててきとうに角を落とします。
これに本体と同じ4mmピッチの菱目打ちで穴を開けて、
縫います。
裏面は上でも書いた通り牛革です。
折りたたむとこれぐらいの厚みです。あんまりきれいじゃありませんが、コバはトコノールで磨いてあります。
よくある磁石のマネークリップと同じ構造ですので、磁極を間違えないようにしてください。
本の表紙を挟んだらこの磁石で留めるんです。
マグネットクリップの裏面をなぜ牛革にしたかというと、1mm厚の山羊革だと厚すぎてちょっと磁力が届かなくなっちゃうからです。伝わるかな? 0.6mm厚の牛革にしたら使ってて不安がないぐらいにホールドできるようになりました。
ちなみにネオジム磁石ってどこの100均でも売ってるんですが、同じサイズでも店によって磁石の厚みが違っていて、ダイソーのものは薄くて磁力が弱いので、この仕様で作るには磁力が足りないです。僕はもっと厚みがあって磁力が強いセリアのものを使っています。でもたしかキャンドゥのが一番厚かったと思います。最近僕の行動範囲から全部撤退しちゃったんですが。
(4) 完成
はい、これで完成!
手帳みたい。
裏側。
普通、サイズフリーのブックカバーって折りたたむ方を左手の背表紙側に持ってくるんですが、左手にこのマグネットクリップがくると持った時にちょっと邪魔な気がしたので表紙側にしました。
電車で立って本を読む時ってたいがい左手で持ちますよね。まあこれは好みかもしれないので、邪魔だと感じなければ左右逆に作っても良いと思います。
ところでこいつはサイズフリーで作っていますので、ちゃんとそうなっているか確認しないといけませんね。
左から280ページ、530ページ、860ページの本に着けた状態ですが、折り返し部分はこんな感じになります。
上から見るとこの通り、しっかりフィットしています。
4.使用感
このブックカバー、1週間ぐらい使ってますが、今のところ非常にいい感じです。やっぱり手作りは良いですね。
山羊革は型崩れしにくいという特徴があるんですが、下の画像は500ページの本で1週間ほど使った後の状態。
折り返し部分に軽い折り目はついていますが、そんなにはっきりしたものではなく、別の本につけかえても、その厚みにあわせて折り目も自然になじんできます。
山羊革の手触りはすごく柔らかくて気持ちが良いです。
あと気になるのが、マグネットクリップで留めるだけで本がずれ落ちてこないのかということだと思いますが、500ページぐらいの厚みの本だと、それなりに重いので、電車とかで左手だけで本を持って読書をしていると、気が付いたら重さで本が少しずり落ちてきていることがあります。とは言えほんの少しずれるだけですし、気付いた時にちょっと直せば良いレベルなのですが、ここは人によってはNGなのかもしれないですね。
300ページぐらいの本ならずれはなさそうでしたし、僕的には我慢できるレベルなので、このままで良いかなと思っていますが、もしも気になるようなら、下の画像みたいな感じで表紙側に革でベルトを付けて、そこに表紙を通すようにすれば良いと思います。
そうやって自分好みの仕様やデザインにできることがハンドメイドの醍醐味ですよね。
そんなことよりも意外なところで気になったのが山羊革特有のにおいです。30年ぐらい前に使ってた豚革の手袋のにおいを思い出したんですが、かなり独特なにおいがあります。
あまり手に触れないものに山羊革を使う分にはそんなに気にならないと思うんですが、ブックカバーはずっと手に持ってますし、かつ顔の近くで使うことが多いので、けっこうにおいが気になりますね。手にもにおいが移るレベルです。
こういうにおいは使っているうちにやわらいでくるらしいので、しばらくは我慢するしかなさそうです。
と、問題もありますが、総じて非常に満足しています。本を読むのがますます楽しくなりましたね♪
後日談 使っていくうちに、やっぱりずり落ちが気になってきたんでベルトを付けました。これでずいぶん快適になりました。 それと革のにおいですが、1か月ぐらいで気にならなくなりました。 |
5.まとめ
いかがでしたか。
ブックカバーはレザークラフト初心者が入門編として作るにはちょうど良いと思います。
読書が好きならぜひ作ってみてください。
仕様やデザインは自由ですから自分好みのものを作れば、読書がますます楽しくなること間違いなしですよ。
ちなみに電車とか外出先で読書する時は、本を2冊ぐらい持ち歩くこともあるので、ブックカバーは2つぐらいあっても良いと思います。僕も今度は牛革とか別の革でまた違ったタイプのものを作ってみようかなと思っています。
以上です。
レザークラフト初心者の僕ですが、これまでいんちきレザークラフトで色んなことをしてきましたので、良かったらあわせて読んでみてください。