何かと話題のGeez(ジーズ)シャフト。
先日発売されたブレイクキューも気になりますね。
今回は、バーズアイメープルの特注Geezシャフトの話を紹介します。
この記事の内容 1.Geez(ジーズ)シャフトとは 2.バーズアイメープルの特注Geezシャフト |
1.Geez(ジーズ)シャフトとは
まず最初にGeezシャフトとは?ってところから解説します。
(1) Geezシャフトの特徴|ユーザーの評価
公式サイトの説明や、ユーザーの評価を総合すると、Geezシャフトには以下のような特徴があります。
・スピン性能が高い ・球質が重い(手球が割れない) ・トビが少ない ・カーブが少ない ・スロウが出にくい ・パワーがある ・打感が良い(ソリッド) ・打音が良い ・振り抜きやすいテーパー |
カーボンとノーマルの良いとこどりですね。まさに夢のようなシャフトです。
(2) Geezシャフトのラインナップ
Geezシャフトのラインナップはこちら。好みやプレースタイルに応じてタイプを選ぶことができます。
タイプ | 価格(税込) | 特徴 |
Type G | ¥74,800 | ノーマルシャフトに近いトビがある |
Type S | ¥74,800 | トビが少ない |
C8インフィニティ | ¥80,300 | 性能面はType Sとさほど変わらないようですが、スペックに違いがあります。次項参照。 |
ちなみになぜかわかりませんが、C8インフィニティだけは公式サイトからリンクしてなくて、別ページが存在します。わかりづらいんですけど。
(3) Geezシャフトのスペック
スペックは以下の通り。
Type G/Type S | C8インフィニティ | |
素材 | AAAグレード ハードメープル | カーリーメープル |
構造 | カーボンコア内蔵 | カーボンコア内蔵 8分割貼り合わせ |
テーパー | ロングストレートテーパー | |
タップ | BIZEN | |
先角 | エルフォリン ※象牙の代替素材(樹脂) | |
先角径 | 12.0~12.1mm | 12.3~12.4mm |
重さ | 124~129g ※ジョイントインサートにより変動 |
こちらの記事にも書きましたけど、タップはBIZENからGeezオリジナルタップに変更になるみたいですね。もう変わってるのかな?
ちなみにSOさんは今回2本目のオーダーで、1本目はType Sですが、先角はエボナイトに交換してもらっています。
Geezシャフトのテーパー|他メーカーとの比較
振り抜きやすいと言われるGeezシャフトのテーパーについて、SOさんにType Sの太さを測ってもらいました。他メーカーのシャフトのデータがショップキューズコムの商品ページ(左記リンクはREVO12.4のもの)に載っていますので、それらと比較した内容はこちらです。(先角径の細い順)
Type Sのテーパーがわかる写真がこちら。
上の表からも写真からもわかりますが、根元のほうから急激に細くなっているのがわかると思います。
この独特なテーパーと、ハイテクシャフトらしからぬ重さ(一般的なハイテクより20gぐらい重い)が振り抜きやすさの秘密でしょうか。
2.バーズアイメープルの特注Geezシャフト
ではここから、SOさんがオーダーしたバーズアイメープルのGeezシャフトについて紹介していきます。
(1) そもそもバーズアイメープルとは
知ってる人がほとんどだと思いますが、バーズアイとはメープルによく現れる木の病変による木目です。
バーズアイとは鳥の眼ですが、その名の通り、鳥の眼のような木目が出ます。鳥眼杢とも呼ばれます。
下の写真は僕の4分割キューのフォアアームですが、指で持っているあたりに丸い木目が集中しているのがわかると思います。
このバーズアイは角度を変えるとまた違った表情を見せます。
90度回転させると下の画像のように虎目のような木目が現れます。
この見る角度による表情の違いが何とも言えず良いですよね。バーズアイってカーリーに比べると一般的な人気はそれほどないと思いますが、僕はバーズアイのほうが断然好きです。
それにしても4分割キューのくせに、赤みを帯びたなかなか良い木材を使っていますね。
ちなみに国産カスタムキューのSASAKIキューが「バーズアイ8」というバーズアイメープルのハイテクシャフトを作っています。
出典:ニューアート
(2) オーダーから納品までの流れ
通常、Geezシャフトの納期は2週間ぐらいですが、今回は特注だったので紆余曲折あったみたいです。
2月初 | オーダーの相談 白いメープルが嫌だったので他の木材を希望 取り寄せ中だった赤木と、提案されたバーズアイで検討 |
2月10日 | 代金振込 |
3月18日 | バーズアイ入荷 試作して性能面で問題ないかテストするとのこと |
4月24日 | Geez工房の移転などと重なったせいか、テスト結果の連絡がこないため、赤木でオーダー |
6月13日 | 製作途中に赤木に曲がりが出たとGeezより連絡あり テストしていないけどバーズアイでいくことにしてオーダー |
7月4日 | 納品 |
特注、かつ初めての材だと色々あるんですね。
ちなみにSOさんのマイキューは特殊ジョイント(14山の台形ネジ)のジョスウェストで、かつリング移植もしているので、バットも3週間前に預けていますが、普通のジョイントの場合はバットを預ける必要はありません。
(3) 特注Geezシャフトの価格
SOさんがオーダーしたバーズアイ、当初オーダー予定だった赤木の価格は以下だそうです。
バーズアイ:¥76,800(税込)
赤木: ¥74,800(税込)
けっこう安いんですね。バーズアイはType S、Type Gにプラス¥2,000、赤木は同価格です。ちなみにオーダーから時間がかかったからか、今回プラス¥2,000は請求されなかったそうです。
バーズアイはカーリーメープルのC8インフィニティと同じ値段かと思ってましたが、SOさんは貼り合わせではない仕様でオーダーしたので、プラス¥2,000で済んだのかもしれませんね。C8と同じ貼り合わせ構造だと値段も上がるんじゃないかと思います。
それに昨今はウッドショックとか言われて、木材の価格も高騰しているようですから、今後さらに上がっていく可能性もあると思います。そのへんはお店に確認してください。
(4) バーズアイメープルのGeezシャフト完成!
最初の相談から実に5か月かかってようやく完成したのがこちら。
まずは全体写真
リングは移植しています。Geezのロゴは入れていません。
バーズアイの木目がしっかり出ていますね。
テーパーがわかりやすい角度から。これだけだとType Sとの違いはあまりわかりませんね。このあと比較します。
写真だと木目があまりわかりづらいかもしれませんが、実物はかなりすごいらしいです。
木目がわかりやすい角度でもう1枚。
バーズアイはもちろん、角度を変えた時に見える虎目模様も出ています。そして木は赤っぽいですね。目の詰まった良い木が使われているように見えますね。
(5) バーズアイGeezのスペック
バーズアイGeezのスペックは以下の通り。比較のため、通常Geezのスペックをここでも載せておきます。
バーズアイ | Type G/Type S | C8インフィニティ | |
素材 | バーズアイメープル | AAAグレード ハードメープル | カーリーメープル |
構造 | カーボンコア内蔵 | カーボンコア内蔵 | カーボンコア内蔵 8分割貼り合わせ |
テーパー | 下表参照 | ロングストレートテーパー | |
タップ | タップ:BOOST 座:PEI ※自分で取付 | BIZEN | |
先角 | エルフォリン ※象牙の代替素材(樹脂) | ||
先角径 | 12.3mm | 12.0~12.1mm | 12.3~12.4mm |
重さ | 130g | 124~129g ※ジョイントインサートにより変動 |
けっこう重いですが、SOさんは125~130gでオーダーしたそうです。
ちなみにSOさんが座に付けているPEIというのは、最近Twitter界隈で話題のスーパーエンプラと呼ばれる高性能樹脂の1種です。
Twitterのスピード感はすごいですね。のんびりブログ書いている間にどんどん新しい素材が出てきます。PEEKってのも話題になってました。今のところエボナイトほどの騒ぎにはなっていないようですが。
PEIについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。
テーパーの比較表はこちら。さっきの表にバーズアイGeezを追加しました。バーズアイのほうがType Sよりは太いだけでなく、テーパーの形状も違うのがわかると思います。
Type SとバーズアイGeezのテーパーを並べてみるとこんな感じ。左がバーズアイです。ぱっと見ではそんなに違いはわかりませんが、このコンマ数ミリの差は振ってみるとかなり違うと思います。
(6) バーズアイGeezの性能
一番気になるのが性能ですが、押しやひねりは問題ないものの、1本目のType Sよりも引きのキレが悪いそうです。
テーパーを見比べるとわかると思いますが、テーパー調整できるようにあえて0.2mm太く作ってあるそうで、それが原因の可能性が高いですね。
Geezさんとしてもバーズアイは初めての材なので、ちゃんとテストしたかったんだと思いますが、事前にテストできなかったんで、あとで直せるように太目に作ったんだと思います。
というわけで、テーパー調整してもらうため、またこのシャフトをGeezに送ったそうです。
テーパーを変えれば、キレも増すでしょうね。
3.まとめ
いかがでしたか?
はっきり言って高いですが、カーボンシャフトとノーマルシャフトのいいとこ取りと考えると、コスパは悪くないのかもしれませんね。
Geezシャフトユーザーも少しずつ増えてきているでしょうから、他の人と違うものがほしいという人は、ショップに相談してみると良いと思います。
なんかココボロとかアッシュとか他の木材も色々と検証中のようなので、個性的な面白いシャフトが作れるかもしれませんよ。
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後日、SOさんがまたすごいシャフトをGeezにオーダーしてました。詳しくはこちら。
その他、こちらの記事も良かったらご覧ください。
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