本革製ジョイントキャップホルダーの自作方法を公開します。
今回はサメ革で作成します。
ユニロックのジョイントキャップにも対応しています。
そもそもジョイントキャップホルダーって何?という方は「ビリヤードジョイントキャップホルダー考【デザイン重視で選ぶべき】」の記事を先にご覧ください。
1.今回のジョイントキャップホルダー自作のコンセプト
(1) コンセプト
今までまじめにジョイントキャップホルダーを作ったことがなかったので、今回はコンセプトからちゃんと考えました。
色々と悩んだ結果、こういうものを自作することに決めました。
ジョイントキャップもつけられるおしゃれなキーホルダー
最初は既製品と同じデザインで自作しようと思っていたのですが、「ジョイントキャップホルダー考【デザインが大事】」の記事を書いていて、ジョイントキャップホルダーってそのうち使うのが面倒くさくなって結局ただのキーホルダーになっちゃったりするよなあと思い、それなら最初からデザイン重視のおしゃれなキーホルダーを目指すことに決めました。
主軸をデザインにおいておけば、面倒くさくてジョイントキャップをつけなくなったとしても、ずっとキューケースにつけておきたいですよね?
キューケースにずっとついていれば、またそのうちジョイントキャップホルダーとして使おうと思うかもしれないですしね。
(2) 設計
コンセプトが決まったので、キーホルダーとしてのデザイン性を重視し、以下の仕様で作ります。
・ミニマムサイズ、ミニマムデザイン
・本革の風合いを活かす
・キャップを装着する穴は見せない
既製品のずんぐりむっくり感とかでかい穴が3つ丸見えなのっていまいちじゃないですか?
あとせっかく革を使ってるのにそこに大きな穴が3つもあいてるのって、なんかもったいないです。
Navigatorのジョイントキャップホルダーの構造を参考にしつつ、デザインをもっとシンプルにして革の良さを活かしたものを自作します。
2.本革製ジョイントキャップホルダーの自作手順
(1) 自作ジョイントキャップホルダーの材料
・革
・ファイル
・ナスカン
おしゃれとか言っといてファイルって何だよって感じですねw
1つずつ補足します。
革
革はいつも同様、「【革小物づくりに最適】ネットで買える革はぎれ【珍しい革多数あり】」の記事からお好きな革はぎれを買ってください。
今回はサメ革で作っていきます。
ちなみに今回のジョイントキャップホルダー、色々な革で作ってみたんですが、厚みとある程度の硬さがある革が今回のデザイン、構造と相性が良かったです。
おすすめは牛革、サメ革、象革あたりですかね。ご参考まで。
ファイル
100均に売ってるこういうファイルです。
これはセリアで買いました。
表紙の部分をジョイントキャップをホールドするプレートとして使います。
既製品はたぶんもっと硬い樹脂を使っていると思いますが、素人では加工がむずかしいので、これを使います。
必要十分な強度があり、かつ僕のような素人でも比較的加工しやすいので、簡単自作にはうってつけの材質です。
あとこれ、柔軟性があるので逆に割れたりしなくて良いんじゃないかと思います。
ナスカン
形状は各店違うと思いますが、こちらも100均に売ってます。
上の写真のはセリアのものです。
色はシルバー、ゴールド、アンティークゴールドなど色々あると思うので、お好みのものを選んでください。
(2) ジョイントキャップホルダー自作に使う道具
・カッター
・カッティングマット
・クラフトテープ
・穴あけポンチ 3mm,13mm
・金づち
・スチール定規(15cmあれば可)
・ダイヤモンドやすり(細いもの)
・型紙
穴あけポンチと金づち以外は100均のもので大丈夫です。
誰でもできるように、本当はもっとそこらへんにある道具だけで済ませたかったんですが、今回は少し道具の準備が大変です。すみません。
少し補足します。
穴あけポンチ
プレートに穴をあけるのに使います。カッターでもできなくはないのですが、ポンチでやったほうが出来栄えが圧倒的に良いですし、何よりも楽です。
3mmのポンチはダイソーで売ってるようですが、13mmは売っていません。今後色々自作するなら他のサイズもあると便利なのでこちらがおすすめです。
微妙に上に記載したサイズと違いますが、これで大丈夫です。僕もこれを使っています。
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金づち
プレートに穴をあける時に金づちでポンチをたたくために使います。
これは木槌やゴム製のハンマーではだめです。かつある程度の重さがあるものがベターです。
100均にも小さい金づちは売っていますが、ちょっとパワー不足で失敗する可能性が高いので、もし本気できれいに作りたいなら重いのを購入してください。ちなみに僕のは持ち手部分あわせて350gぐらいです。
同じくらいのやつを一応リンク貼っときます。
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(3) 本革製ジョイントキャップホルダー自作手順
①型紙準備
エクセルなどで型紙を準備して印刷します。サイズは上の写真で確認してください。なければ手書きでも良いです。
単位はセンチです。横幅は既製品の半分くらいですね。かなりスリムです。
②プレートの穴あけ
まずは型紙のサイズに合わせてプレートをカッターでカットし、そこにクラフトテープであらかじめポンチで穴をあけた型紙を貼ります。
そのまま13mmのポンチで3箇所穴をあけます。ここが今回の自作の最難所です。
穴あけのポイントは下で説明します。
3つ穴をあけたら型紙をはがし、ナスカンをつける穴を0.3mmのポンチであけます。
ここは目算ですが、端からだいたい1mm離した箇所に穴をあけます。僕はわりとコーナーを攻めていますね。
で横に置いてある小さいダイヤモンドやすりのセットが100均で売っているので、丸いやすりで穴の断面をきれいに整えます。
穴あけのポイント
この穴あけポンチ、コツを知らないとコピー用紙1枚にすら穴をあけられません。
(ちなみにあけづらいのは13mmのほうだけです。3mmとか細いやつは軽く叩けば誰でも簡単に穴をあけられます。)
実際商品レビューでも、ダンボールにすら穴があかないじゃないか!こんなもん売るな!ってぶちぎれてる人がいますが、ちゃんと考えないとこの人みたいになります。
やり方は下にカッティングマットを敷いて、そこにプレート(ファイルの表紙)をのせて、ポンチを金づちで叩いて穴をあけるんですがポイントはこちらです。
穴あけのポイント ・350gぐらいの重量がある金づちを使う(木づち、ゴムハンマーはダメ) ・コンクリートの上でやる(木の床はダメ) ・穴あけポンチはプレートに対して垂直ではなく、少し角度をつけた状態で叩く |
要は大事なのはパワーなんです。
筋力ではありません。ポンチの刃に伝える力です。
軽い木づちなどではパワー不足、下が木の床だと金づちで叩いた力を床が吸収してしまう、ポンチを垂直にするとプレートに伝わるパワーが分散されてしまう。1点集中するんです。
ポンチにつける角度はこんな感じです。少し右側が浮いていますね。これで左側1点にパワーが集中します。こうやって角度を変えながら全体をくり抜いていきます。
コツがわかるまでは失敗すると思いますが、慣れればすぐできるようになりますよ。
注意 ジョイントキャップは同じジョイント種類でもモノによって微妙にサイズや形状が異なるので、穴をあけた後にご自分のキャップが3組装着できるか確認してください。 万が一はまらない場合、型紙のサイズを微調整してちょうど良いサイズにしてください。 |
ユニロックのキャップが固定できない場合
今回の自作で使うプレートの厚みなら固定はできると思います。実際僕が持っているユニロックのキャップはこんな感じで横からみたらおすネジが全く見えない強敵ですが固定できました。
かみ合わせが浅いので、ひっぱったりしたら取れてしまいますが、普通に着けておくだけなら問題ありません。
ただ全部のキャップを試していないので、キャップの種類によっては固定できないものがあるかもしれません。
その場合、耐久性は犠牲になりますが解決策があります。
ユニロックのキャップが固定できない原因はプレートの厚みですが、その場合皆さんご存知クリアファイルで代用します。
100均で黒や白など色々な色が売ってます。これもセリアで買いました。
これを同様にカット、穴あけし、キャップをつけてみてください。確実に固定できます。
ただ1枚ではさすがに薄っぺらすぎて不安なので、樹脂も接着できる木工ボンドなどで貼り合わせて2枚重ねにしましょう。2枚ならユニロックも問題なくホールドできます。
まあ壊れたらまた作れますから、そんなに深く考える必要はないと思います。
メルカリなどで売っているジョイントキャップホルダーを見たところ、クリアファイルでユニロック対応してるっぽいのもありましたねw
ユニロック対応と言い切っているものでも、スペックを見た感じではこれだと無理だろうなというのもあるので注意してください。
③革のカット
カッターで以下のサイズにカットします。2枚必要です。
縦:8.1cm
横:1.75cm
それぞれプレートと同じ位置に合わせてポンチで穴をあけます。
革を切るときのポイント 他の記事でも書いていますが、革は一太刀では切れませんから、カッターの刃で革に線を描くように、10回くらいに分けて切るつもりでやると、きれいにまっすぐカットできますよ。 |
④組み立て
これはセリアのナスカンですが、もともとは左のみたいにジャラジャラくっついているのを、右側のように2つに分けて使います。
でこれを下の写真みたいに革とプレートに通せば完成です。
なお、端から穴までの長さが長いほうが上(下の写真の右側)です。間違えないよう気を付けてください。
キューケースにつけるとこんな感じ。
いいですね!キーホルダーとしても優秀です。
今回は製作時間1.5時間、原価¥100くらいでしょうか。
今回は少し難しかったかもしれませんが、何度かやればできるようになりますよ。
使うときはこうやってリングをひっぱってプレートを引き出します。
キャップをつけるとこんな感じです。なんかバッタみたいですねw
ちなみに一番上がユニロックです。
このデザインならこうやって鍵についてても、
バッグとかのファスナーの引き手についてても全く違和感ないですよね。狙い通りです。
ちなみにいつもなら僕は革の四隅をもう少し丸くしたり、断面を磨いたりするんですが、サメ革はこのままでかっこ良かったので、何の処理もしていません。製作時間も短縮できて何よりです。
3.ジョイントキャップホルダーの自作例紹介
他にもいくつか自作例を用意しましたので紹介します。
(1) 色々な革で作る
今回のジョイントキャップホルダー、見ての通り構造が超簡単なんで革の着せ替えも容易です。
せっかくなんで色々と作ってみました。
①牛革
冒頭でも書きましたが、この構造、デザインは牛革ととても相性が良いと思います。
ブラウン
キャメル
キャメル、こっちはシボ(しわ)多め
ワニ型押し
なお、牛革で作るなら「ロロマレザー」と「エルヴァケーロ」という革がおすすめです。良かったらこちらの記事も読んでください。
ロロマレザー|全12色を写真と動画で紹介
エルヴァケーロの切り革インプレ【迷彩柄のイタリア製牛ヌメ革】
②象革
やっぱ象革は高級感があって好きです。
③ワニ革
部位によって革が反っちゃうんで、個人的にはちょっといまいちだと思います。
裏張りしたり牛革とコンビにしたほうがかっこ良さそうですね。そのうちやってみようと思います。
④オーストレッグ革
ダチョウの足です。ワイルドでかっこいいんですが、ゴキブリと間違えられる可能性ありますね。
⑤ジャクルシー革
最後はジャクルシー、カイマントカゲです。
プレートは白くしたほうが良いかもしれませんね。
(2) ジョイントキャップの革巻きと合わせる
僕は「ビリヤードキューのジョイントキャップを嫌いじゃなくなる4つの方法」の記事でジョイントキャップに革巻きするのをおすすめしていましたが、この青のリザード革でジョイントキャップホルダーを作ったのは、
これをやりたかったからです。青トカゲバッタですね。
一体感あって良いですよね。
(3) ユニロック非対応版(極スリム仕様)
今回、ユニロックユーザーの方のためにユニロック対応にしましたが、 対応しなければ横幅を3mmくらい細くすることができます。
細身のほうが絶対にかっこいいと思ったので、当初はその設計で作るつもりでした。
でユニロック非対応版も作ってみました。
左がユニロック対応、右が非対応です。
どうですか?
別にどうでもいいですかww
女性は細身のほうがお好みですかね?
細身がお好みで、ユニロックを使っていないなら、細身で作るのもありだと思います。
穴の直径を10mmにして、その分横幅も詰めればできます。
自分にいらない機能を排除して、自分好みのデザインにできるのが自作のメリットです。
メーカーにはなかなかできないことですよね。メーカーはみんなが使えるものを作らないといけないでしょうから。
4.まとめ
本革製ジョイントキャップホルダー、自作してみたくなりましたか?
自分としては今回は良いものができたと思います。メルカリにでも出してみようかなとわりと本気で考えたんですが、このままじゃ無理かもしれませんね。
デザイン性を重視するかわりに耐久性を犠牲にしています。
どんな人が使うかわかりませんから、使う人によってはすぐ壊してしまうかもしれませんね。
もし売るとしたら、もう少し太くして耐久性を確保するか、壊れても良いように予備のプレートをつけたりしないとですね。
あとはだいぶ安くするか。
やっぱりそうやって誰でも使えるようなものを作ろうとすると自分好みのデザインから離れていってしまいますよね。
それを実現できるのが自分のためだけに作る自作のメリットだと思います。
デザインの好みも人それぞれですから、今回の僕の自作品をダサいと思う人もいるのかなと思います。
そう思ったらみなさんも自分好みのデザインで作ってみてくださいね。そうやって自作にはまっていくんです。
毎度繰り返しですみませんが、革小物づくりに最適な革はぎれをこちらの記事で紹介していますので色々な革を見てみてください。好みの革が見つかると思います。そうしたらますます自分で作ってみたくなると思いますよ。
他にもこんな自作も紹介していますので、ぜひご覧ください。
それでは今回も最後までおつきあいありがとうございました。
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