ビリヤードのカスタムキューって新品よりも中古で買う人のほうが多いと思います。
僕もカスタムキュー欲しいなって思っていつも中古サイトを眺めてるんですが、ずっと思っていることがあります。
「○○ってバットの曲がり多くない?」
「△△って古くもないのに音鳴り多いけど大丈夫なの?」
て色々考えてたら気になって仕方なくなってきたので、中古カスタムキューにどんな不具合があるのかメーカーごとに調べてみました。
この記事の内容 2.中古カスタムキューにどんな不具合があるか調べてみた -CDEF -GHJ -KLM -NOP -RST -T-Z -◎国産カスタムキュー(50音順 ) |
1.中古のビリヤードキューに生じる不具合
カスタムキューに限らずですが、中古キューには以下のような不具合が起こりえますね。
・反り ・音鳴り ・当て傷 ・塗装ダメージ ・先角割れ ・金属腐食 |
他にも色々あるとは思いますが、よくあるのはこのあたりだと思います。
これらすべて、カスタムキューの作りの問題と決めつけることはできず、オーナーの使用方法、保管方法が原因であったり、経年劣化でどうしようもないものもあると思います。
例えば当て傷と塗装ダメージって違いが微妙です。
下はどちらもエドウィン・レイズのシャフトですが、こちらのシャフト↓は塗装のやり方が悪いんじゃないの?ってちょっと思ってしまいますが、
出典:ニューアート
こちらのシャフト↓は、「絶対ぶつけたでしょ!」って感じですよね。
出典:ニューアート
という感じで、作りが悪いのか、使い方が悪いのか微妙なものは、取り上げていません。
一方で「これはどう考えても作りに問題があるんじゃない?」って思いたくなるのって「反り」と「音鳴り」じゃないでしょうか。実際どうかは別として。
ということでこの記事では、主に反りと音鳴りが中古カスタムキューにどれぐらい発生するのか、メーカー別に調べてみました。当然これらも経年によるものもあると思いますので、わかるものは製作年も載せました。
その他にも、「これひどくない?」と思ったものや、珍しい不具合など、気になったものがあればあわせて紹介していきます。
2.中古カスタムキューにどんな不具合があるか調べてみた
ここから中古カスタムキューの不具合をメーカー別に紹介していきます。海外カスタムキュー(アルファベット順)、国産カスタムキュー(50音順)の順で掲載しています。
調べたのはニューアートとスパイダーの中古品、新古品で、掲載している不具合は以下です。
掲載している不具合 ・バットの反り、音鳴り |
反りについては、5段階中3以上の反りにしぼっています。2以下の反りは上げたらきりがなかったので。
AE(エーイー)
出典:ニューアート
Ariel Carmeli(アリエル・カーメリ)
出典:ニューアート
Barenbrugge(バレンブルーギー)
出典:ニューアート
Barnhart (バーンハート)
出典:ニューアート
Barry Szamboti(バリー・ザンボッティ)
出典:ニューアート
不具合には挙げなかったんですが、バリー・ザンボッティには以下のような塗装浮きが散見されます。
こっちは製作年不明。インレイを縁取るように塗装が浮いていますね。
出典:ニューアート
こっちは2009年製です。
出典:ニューアート
どちらも新古で未使用なので、経年によるものだと思います。個人的にはこれって塗装の仕方に問題あるんじゃない?って思っちゃいます。いくらするのか知りませんが、めちゃくちゃ高いでしょうから、ザンボッティ買ってこうなっちゃったらかなりショックですよね。
Bill Schick(ビル・シック)
出典:ニューアート
Black Boar(ブラックボア)
出典:ニューアート
Bludworth(ブラッドワース)
出典:ニューアート
Blue Grass(ブルーグラス)
出典:ニューアート
Bob Runde(ボブ・ランド)
出典:ニューアート
Capone(カポーン)
出典:ニューアート
変な塗装浮きがあったので載せておきます。製作年は不明ですが、こういうのは塗装の仕方に問題がありそうな気がしちゃいますね。見た目気持ち悪いし。これに近いものは他のメーカーでもいくつかありました。
出典:ニューアート
Cognoscenti(コグノセンティ)
出典:ニューアート
4本目のネジ山破損というのは、シャフトのメスネジの入口のところが緩んじゃってるみたいです。
メチ違いというのはこの後もいくつか出てきますが、シャフトとバットをつないだ時に境目に段差がある状態です。
Coker(コーカー)
出典:ニューアート
コーカーはバットもシャフトも反りが発生する比率が高めですね。
あと珍しい不具合があったの紹介します。上の6本目のシャフトのリングですが、間隔がバラバラです。これはコーカー純正のシャフトですが、なぜこれを直さずに売ったのか不明ですね笑
出典:ニューアート
Cris Hightower(クリス・ハイタワー)
出典:ニューアート
Dan Dishaw(ダン・ディショー)
出典:ニューアート
Dennis Searing(デニス・セアリング)
出典:ニューアート
Diveney(ディヴィニー)
出典:ニューアート
DP(デールペリー)
出典:ニューアート
Edwin Reyes(エドウィン・レイズ)
出典:ニューアート
Espiritu(エスピリチュ)
出典:ニューアート
エスピリチュは作りが粗いなと思う中古品をよく見かけます。下は2016年製ですが、インレイ周りの塗装が浮いています。
出典:ニューアート
下は1995年製の新古の未使用品ですが、塗装が割れちゃってますね。
他にもスパイダーのサイトを見ると、作りが粗いものが多い感じです。
エスピリチュは国で市長だか村長を務めているそうですが、忙しくてキュー作りにあまり時間をさけないのかなと思っちゃいますね。
George Balaushka(ジョージ・バラブシュカ)
出典:ニューアート
Gilbert(ギルバート)
出典:ニューアート
Gina(ジナ)
出典:ニューアート
ジナは思ってたよりバットに反りや音鳴りが多いんだなと思いました。まあ、古いのが多いですから、仕方ないんですかね。
7本目のバットのジョイントカラーの割れはこちらです。
これは象牙ですかね?左側にクラックが入ってますね。たまにこういうのは見かけます。
Gus Szamboti(ガス・ザンボッティ)
出典:ニューアート
Harcek(ハーセック)
出典:ニューアート
Jacoby(ジャコビー)
出典:ニューアート
JD(ジェイディー)
出典:ニューアート
Jensen(ジェンセン)
出典:ニューアート
John Guffey(ジョン・グーフィー)
出典:ニューアート
Josey(ジョーシー)
出典:ニューアート
ジョーシーはサンプル数のわりに不具合がほとんどないですね。
Josswest(ジョスウエスト)
出典:ニューアート
サンプル数に対して、不具合の数が少ないジョスウェストですが、リングの状態がひどいものがあったので紹介します。
まずはバットエンド。
出典:ニューアート
これはどうなってるんですかね?塗装は剥げちゃって、金属も腐食している感じですね。
シャフトも似たような感じです。
Judd(ジャッド)
出典:ニューアート
ジャッドもサンプル数のわりに不具合は少ないです。
Kent Davis(ケント・デイビス)
出典:ニューアート
Kersenbrock(カーセンブロック)
出典:ニューアート
Kikel(キケル)
出典:ニューアート
Lambros(ランブロス)
出典:ニューアート
ランブロスはサンプル数のわりに不具合が少ないですね。
Layani(ライアニー)
出典:ニューアート
Manzino(マンジーノ)
出典:ニューアート
McDaniel(マクダニエル)
出典:ニューアート
McWorter(マクウォーター)
出典:ニューアート
マクウォーターも不具合は少ないですね。
こちらはダイヤのインレイが入った2000年製の超スペシャルなマクウォーター、どういうわけか塗装が剥げちゃって、ダイヤが丸出しになっています。
接着してあるんでしょうが、プレー中に取れそうですよね。「1個どっかいったぞ!」とか大騒ぎになりそうですね笑
出典:ニューアート
2021年7月6日追記
と不具合だと思ってたんですが、ダイヤモンドの場合、上から塗装かけちゃうと輝きが損なわれちゃうから、こうやってむき出しでくっ付けるみたいですね。そらそうか。
Mike Bender(マイク・ベンダー)
出典:ニューアート
Mike Sigel(マイク シーゲル)
出典:ニューアート
Ned Morris(ネッドモリス)
出典:ニューアート
Nitti(ニッティ)
出典:ニューアート
OMEGA/DPK(オメガ/DPK)
出典:ニューアート
Omen(オーメン)
出典:ニューアート
Padgett(パジェット)
出典:ニューアート
Paul Huebler(ポール・ヒューブラー)
出典:ニューアート
Paul Mottey(ポール・モッティ)
出典:ニューアート
PFD(ポール・ドレクスラー)
出典:ニューアート
Phillippi(フィリッピ)
出典:ニューアート
Prather(プレーサー)
出典:ニューアート
Prewitt (プルーイット)
出典:ニューアート
Richard Black(リチャード・ブラック)
出典:ニューアート
リチャードブラックはバットの不具合が多めです。
Richard Chudy(リチャード・チュディ)
出典:ニューアート
チュディは不具合少ないですね。
Robinson (ロビンソン)
出典:ニューアート
Samsara(サムサラ)
出典:ニューアート
4本目のバットエンドの割れはこんな感じです。不具合として挙げちゃいましたが、使い方の問題かもしれませんね。
出典:ニューアート
あと不具合には挙げませんでしたが、ちょっとこの塗装どうなってるの?っていうのがありましたんで紹介します。
まず1本目。
製作年は不明ですが、けっこう古くて使い込んでそうなキューです。当て傷みたいのがたくさんあるのは良いとして、ダイヤの連結リングをなぞるように塗装が浮いてますね。まあ、これは経年によるものかもしれませんね。
出典:ニューアート
続いて2本目。ちょっとこれは見た目ひどいですよね。なんか素人が刷毛で塗ったみたいな粗さで、塗装が浮いてひび割れちゃってますね。製作年は不明ですが、上のキューよりは新しい感じです。本当にオーナーが自分で塗りなおしたのかもしれませんね。
出典:ニューアート
Schon SP(ショーンスペシャル)
出典:ニューアート
Schrager(シュレーガー)
出典:ニューアート
Showman(ショーマン)
出典:ニューアート
South West(サウスウエスト)
出典:ニューアート
サウスウェストは反りが多いというのは聞いていましたが、バットの反りが多いですね。サンプル数が多いというのもありますが、だいたい1/4ぐらいは反ってますね。
Tad(タッド)
出典:ニューアート
タッドは製作年と合わせてシリアルNoも載せています。
タッドにはインレイ割れが2本ありました。どちらもかなり古いものですね。
まず1本目。
出典:ニューアート
2本目。
出典:ニューアート
そしてこちらは珍しいインレイ欠落です。クローバーの中にあったはずのマザーオブパールが取れています。しかも4か所も。塗装が剥げちゃってるんですね。
出典:ニューアート
先角割れもあったんで載せておきます。不具合として載せましたが、まあこれも使い方によるのかなと思います。
出典:ニューアート
Tascarella(タスカレラ)
出典:ニューアート
Ted Harris(テッド・ハリス)
出典:ニューアート
Thomas Wayne(トーマス・ウエイン)
出典:ニューアート
Tim Scruggs(ティム・スクラグス)
出典:ニューアート
TONKIN(トンキン)
出典:ニューアート
サンプル数は少ないですが、1/4の確率でバットが音鳴りというのはどうなんでしょうかね。製作年は最近なのに。
Treadway(トレッドウェイ)
出典:ニューアート
Zac(ザック)
出典:ニューアート
Zen(ゼン)
出典:ニューアート
Zinzola(ジンゾーラ)
出典:ニューアート
ILC
出典:ニューアート
Awaji(淡路)
出典:ニューアート
OASIS(オアシス)
出典:ニューアート
Keith Andy(キースアンディ)
出典:ニューアート
キースアンディはサンプル数の割に不具合がとても少ないですね。ネットで良くない噂なんかも聞いたことはあったんですが、これを見る限り、作りはすごくしっかりしていそうだなと思いました。まあ流通量も増えれば、悪く言う人が出てくるのも仕方ないことですよね。
ちなみに不具合には挙げていませんが、1つシャフトリングの状態がひどいものがあったので紹介します。塗装浮きとリング内の金属腐食が同時に発生していますね。製作年は不明です。経年によるものか、ぶつけたのかわかりませんが、自分のがこうなっちゃったらちょっと萎えますね。
SASAKI(ササキ)
出典:ニューアート
TⅡFactory
出典:ニューアート
9Hearts
出典:ニューアート
HAKU(ハク)
出典:ニューアート
早川工房
出典:ニューアート
音鳴りが多いですね。芯材のボロンがうまく接着できていないんでしょうか?わかりませんが。
早川工房に限らずですが、音鳴りはプレーには影響ないレベルと書いてあることがほとんどなのですが、音鳴りがあるということは、おそらく接着面にすき間があるということで、その剥離が大きくなると、バットの剛性が落ちると思いますし、パワーとかフィードバックの量とか性能面にもろに影響が出そうですよね。
音だけの問題じゃないと思うので、プレーに影響ない、で片づけられないと思います。
3.まとめ
いかがでしたか?
不具合があるから悪いキューというわけではないと思いますが、カスタムキューは高い買い物ですから、もちろん不具合なんか無いほうが良いですよね。
今回調べられたサンプルはたいした数ではないので、あくまで参考程度にとらえてもらえればと思いますが、この記事がカスタムキュー選びの参考になれば幸いです。
他にはこんな記事も書いていますので、良かったら読んでみてください。
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