これまでプレーキューとブレイクキューの革巻き、ジョイントキャップにも革巻き、キューケース、エクステンションと全部ミッスーリレザーで揃えてきました。
今回は全部ミッスーリ計画の第5章、ミッスーリレザーを使ったチョークケースとチョークホルダーを作ります。
この記事の内容 1.極薄仕様のチョークケース 2.エイ革のスターマークが輝くチョークホルダー 3.まとめ |
1.極薄仕様のチョークケース
まずはチョークケースから。
僕は長年チョークケースを愛用しているので、チョークケース使うのが当たり前になっていますが、チョークケースの大きさがちょっと苦手な人もいると思います。
かく言う僕もときどきチョークケースからチョークを出して裸のまま使ってみると、なんかサイズがしっくりきたりするんですよね。
てことで今回は、これまでのものと材料と構造を変えて薄型仕様で作ります。
まず、土台に使うのがセリアで買ったこのパターンシートというもの。厚みが0.3mmです。
僕はこれまで牛乳パックを土台に使っていましたが、たぶんこれは半分ぐらいの薄さですね。普通にカッターやハサミでカットできますし、それなりに張りもあっていい感じです。
そこにチョークケースの型紙を貼って、カッターでカットします。
最近ぼくはマジックチョークを使ってるんですが、薄型にするためジャストフィットするよう縦横23mmです。
そして側面を立ち上げられるよう、裏側に軽く切れ目を入れます。
右側の四角はケースの底になる部分で、サイズはてきとうですが、左側の底面より一回りぐらい小さいサイズです。
これに先日ダイソーで見つけた貼れる布を下の画像のような感じに貼ります。側面は裏側までぐるっと貼っています。
底面には両面テープでネオジム磁石を貼っています。これも100均で買えるものです。
底蓋も両面テープで磁石に貼り付けて、側面を立ち上げるとこんな感じ。
上でも書いた通り、側面の布を折り返して裏面までぐるっと貼っているのは、チョークを入れる時に側面の布がひっかからないようにするためです。
先日、キューケース自作の記事でも紹介しましたが、貼れる布っていうのはこれです。ダイソーで買いました。
厚みはおそらく0.3mmぐらいです。僕はこれまでチョークケースの内張には0.6mm厚ぐらいの豚革を使っていましたが、この貼れる布にすることで、裏表あわせて0.6mmぐらい、両サイドで1.2mぐらい薄くできています。
ただし、耐久性が未知数で、あんまり頻繁にチョークを出し入れすると、もしかしたら破れてしまうかもしれないんですが、今のところは良い感じです。しばらく様子をみたいと思います。
そしてこの上から革を巻けば完成です。
今回は中央にエイ革、それを細くカットしたグレーのエルヴァケーロで挟んで、さらにそれをミッスーリレザーで挟んでいます。
そして、より薄く仕上げるため、革の張り方にも工夫をしています。
これまでのチョークケースは下の画像のように、革の継ぎ目をケースの角にもってきていました。
ですがそれだと革の継ぎ目のところからケースが開いちゃう危険性があるので、革を貼る前にこうやってクラフトテープで仮留めしていました。
しかし、クラフトテープもたぶん0.2mmぐらいの厚みはあるんですよね。両サイド合わせると0.4mmです。これを省くため、今回は下の画像のように継ぎ目を角ではなく、面の中央にもってきました。
これで仮留めはせずとも革でケースの側面を固定することができています。
本当は継ぎ目をもっと目立たなくしたかったんですけど、それは今後の課題です。
これで従来のぬブロチョークケースより、1.5~2.0mmぐらい横幅を抑えられたと思います。
上から見るとこんな感じです。かなり薄いのがわかると思います。
すでに実戦投入済ですが、コンパクトで持った感じも最高です。
エイ革のまっすぐカットするには
エイ革の表面の粒々は歯と同じ成分でできているため、非常に硬いです。牛革なんかと同じ感覚でカッターや別たちで切ろうと思っても、粒々の表面で刃が滑ってまっすぐ切れません。
いつかエイ革でなんか作ろうと思う人が出てきたときのために、僕が編み出した切り方を解説しておきます。
まずは定規とカッターを使って、エイ革の裏面に切れ目を入れます。
あとはその切れ目に別たちの刃を入れて、ザクっと押し切ります。
それでもじゃっかん切り口はガタガタしている部分もあるので、気になるようならやすりなどで削りましょう。
これでけっこうまっすぐ切れます。ぜひお試しを。
2.エイ革のスターマークが輝くチョークホルダー
次にチョークホルダーを作りますが、今回エイ革を使うにあたり、ぜいたくにスターマークの部分を使います。
スターマークというのはこのエイ革の中心にある白い部分です。
僕はエイ革を1枚しか持っていないので、スターマークも1つしかないんですが、先日いきなりエイ革の記事をアップしたのは、はやくこのスターマークを使いたかったからです笑
というわけでこのスターマークを贅沢に使っていきます。
まず、下の画像ように革をカットします。
左側が表面にくる部分で、ベースはミッスーリ、エイ革を中心に置き、両サイドを細く切ったエルヴァケーロではさみます。チョークケースと同じデザインですね。
ミッスーリ、エルヴァケーロと比べると、エイ革が2倍ぐらいの厚みがあるため、それらの下地にミッスーリをもう1枚重ねます。それが左から2番目の革。
その右にあるのがチョークケースの内張にも使った貼れる布、一番右が土台にするパターンシートです。
まず、貼れる布の表面に下地の革とエイ革を貼ります。
その上から、表面のミッスーリとエルヴァケーロを貼ります。
ちなみにこの段階で気付いたんですが、貼れる布を使ったのは失敗です。
上の画像の裏面は貼れる布の粘着面になっていますが、そこに革をボンドで貼ったとしても、貼れる布の粘着が弱いため、そこが剥がれてしまいそうな気がしました。
というわけでここで1回貼れる布を剥がしました。きれいに剥がれなくてこんなひどい有様ですが、まあここは見えないんで問題ないです。
じゃあ貼れる布の代わりに何を使えば良いかと言うと、薄い紙ならコピー用紙でもなんでもいいです。そこに位置を合わせてカットした革を貼り付けることで、バラバラになってる革の位置を固定することができます。
僕が何を言ってるのかわからないかもしれませんが、実際にこれを作ろうと思って読んだ時にはきっとわかると思います。
ぜひ作ってみてください。
で、この汚い裏面に土台とするパターンシートを貼ります。これがあるのと無いのとでは、持った時のしっかり感が違います。
重ねる革の枚数にもよりますが、薄い革だけだとペラペラで頼りないんですよね。
ちなみに、SOさんのチョークホルダーを作る時は、磁石の丸い型が革の表面に浮かび上がらないようにかなり気を使いましたが、エイ革は硬いのでその必要は全くありません。
この段階の厚みはこれぐらいなんですが、今回、もうちょっとしっかりした作りにしたいなと思い、もう1枚革を重ねることにしました。
というわけで、裏に重ねる革に磁石の穴を開けます。こういうカットは100均のデザインナイフを使います。
この革をボンドで裏面に貼って、穴を通して両面テープで磁石を貼り付けます。
そしてここに裏地となる革をさらにもう1枚貼ります。これまでは僕は裏地には柔らかくて伸縮性が良い豚革を使ってきたんですが、今回ミッスーリを使うことにしました。
というのはミッスーリも水を吸うとかなり伸びるので、なんかいけそうな気がしたからです。
で、実際にやってみると、想像以上に良かったです。
これ、貼る前に革の裏面に水をけっこう吸わせて、柔らかくてしています。予想通り、かなり伸びて磁石の形にジャストフィットさせることができました。
同じように逆サイドも磁石、穴を開けた革、裏地の革を接着します。これでベースは完成です。
あとはこのはみ出た革とかをカットして整形し、革の断面をやすりで磨きます。
この状態でもまあまあきれいですが、ここにトコノールをすり込んでさらに磨くと、見違えるように見栄えがよくなります。
下の画像、トコノールで1回磨いただけでこの輝きです。オイルをたっぷり含んだミッスーリレザーは少し磨くだけでこれだけのつやが出ます。
これでチョークホルダーも完成!
エイ革かっこいいなあ。
裏地も牛革にすると高級感があっていいですね。
チョークケースと2ショットで。
ホルダーにセットするとこんな感じ。自分で言うのもなんですが超かっこいい!
ちなみにこのチョークホルダー、キューケースのベルトに装着すれば、キューケースをドレスアップすることもできます。
エイ革を多用するヴォルツーリのキューケースはもっとド派手で贅沢な使い方ですが、こういう控えめな感じのほうが僕は好みです。
ちなみに全部ミッスーリレザーでそろえるという壮大な計画、現在こんな感じになっています。あと一息。
3.まとめ
今回のチョークケースとチョークホルダー、少し凝ったデザインにしたので、二度と同じの作りたくないぐらい超めんどくさかったですが、がんばった甲斐あってとても満足のいくものができました。
もうやりたくないと言っておきながら、ワニ革とかトカゲ革とか使ったパターンもいずれ作ってみたいなと思ってます。
その前に、このミッスーリレザーのシンプルなチョークケースとエルヴァケーロとエイ革のチョークケースも作ってみましたんで、よかったらこちらもご覧ください。
全部ミッスーリ計画、ようやく終わりが見えてきました。あとはタップシェーバー、それとちょっとキューケースのドレスアップをしたいなと思っていますが、どうなるかまだわかりません。
さすがにこれだけモノづくりばっかりしていると疲れてきますが、残りもマイペースでやっていこうと思います。
以上です。以下関連記事もあわせてご覧ください。