超軽量たった38gの自作ビリヤードエクステンションの作成方法を公開します。
ショートタイプもついでに自作します。もちろん誰でも作れます。
2021/9/30追記 先日作成した2代目はクオリティがあがり、かつ太目のバットにも対応できるようになりました。 よかったらこちらの記事もご覧ください。 https://nu-blo.com/handmade-billiard-extension2/ |
はじめに
ビリヤードエクステンションの自作と言えば、塩ビパイプで作るのが一般的ですね。
僕も以前作りましたが、あれは150~200gぐらいあって重くて振りづらいので、撞点がずれやすいんです。
今はカーボンとか軽いのが主流ですよね。
でもカーボンで作る技術なんてないんで、今回は斬新な素材を使ってカーボン以上の軽さを実現したエクステンションの自作方法を公開します。
前もって言っておくと耐久性はある程度犠牲にしています。
今回作ったエクステンションはこちらです。
全長:27cm(キューを延長できるのは23cm)
重さ:38g
大手メーカーをだいたい調べましたが、一番軽いのはメッヅの21cm、70gなので約半分ですね。
業界最軽量と言っても良いと思います。
前置きが長くなりましたが、圧倒的に軽いビリヤードエクステンションの自作方法を解説します。
この記事の内容 1.ビリヤードエクステンションの自作方法 |
1.ビリヤードエクステンションの自作方法
(1) ビリヤードエクステンション自作の準備
① 自作に使う材料
こちらです。
・ラップの芯(20m巻きのもの)
・紙バトン(直径32mm)
・適当な厚紙
・木目調シート
・革(お好みで)
・クッションパッド
今回もゴミ捨て場から拾ってきたようなものばかりですが一切ふざけてません。
少し補足しますので、ふざけるなと思わず最後までお付き合いください。
ラップの芯
バットエンドを差し込むソケット部分に使います。
ラップの芯がめちゃくちゃ頑丈なのはご存知ですか?
大人が踏んでも簡単にはつぶれないので、ビリヤードのエクステンションとして十分使用に耐えます。
ちなみにラップには20m巻きと50m巻きがありますが、50m巻きの芯は細いので、キューに装着できるのは20m巻きの芯です。
僕が使っているのはこのサランラップの芯です。メーカーによってサイズが違うのか不明ですが、僕のキューにはちょうどよかったです。
なお、キューの太さによっては入らないものもあると思います。そのへんについては後ほど説明します。
紙バトン
運動会のリレーで使うバトンです。紙製もあるんですね。これが一番送料が安そうです。
紙管 紙筒 外径32×300mm リレーバトン 手作り 工作 キッズ 子供用 運動会応援グッズ 体育祭 芯 厚紙 製作 作品 DIY 価格:73円 |
ラップの芯が厚さ1.5mmなのに対し、このバトンは1mmなので強度は落ちます。
ですが握ってつぶれたりはしないので、普通にエクステンションとして使う分には問題ない強度です。
厚紙
底蓋に使うのですが、家にある適当な厚紙を使ってください。
何枚か重ねて使うので、厚さは何でも良いです。
木目調シート
こちらの記事にも書きましたが、僕は木目が大好きなので、見た目がバール杢っぽいこれにしました。4色あります。
価格:350円 |
特にこだわりがなければ、100均で売っているこんなの↓でも十分です。
革
革はお好みで巻いてください。
キューの革巻きと合わせると一体感があって良いですが、こだわりがなければ木目調シートだけでも良いと思います。
ちなみに今回僕が使っているのはリレザという再生皮革です。 僕のは赤ですが、黒と茶もあります。
僕はキューの革巻きもリレザなんですが、見た目がかっこいいのに加え、薄くて軽いので、軽さを追求するには最適です。
リレザについては「再生皮革リレザのインプレまとめ【長所を活かした活用法も紹介】」の記事にまとめましたので、興味がある方はぜひこちらの記事も読んでみてください。
クッションパッド
椅子の脚の裏側とかにつけるクッションパッドです。尻ゴムがわりに使います。似たようなのが100均に売っています。
② 自作に使う道具
使う道具はこちら、全部100均で買えます。
・カッター
・ハサミ
・カッティングマット
・スチール定規(30cm)
・木工ボンド
・コンパス
・ダイヤモンドやすり
・マジック
・クラフトテープ
・刷毛
・ボンドを入れる容器
(2) ビリヤードエクステンション自作方法
① 紙筒のカット
まずはラップの芯と紙バトンをカッターで以下のサイズにカットします。
ラップの芯: 6cm
紙バトン: 23cm
ラップの芯のほうは厚みがあるのでけっこうな重労働ですが、こうやってカットするラインにあわせてクラフトテープを貼って、ラインに沿ってカッターで焦らずゆっくり切っていけば、わりときれいに切れます。
紙バトンの長さはお好みです。長いほうが良ければカットせずにそのまま30cmでも良いと思います。
切断面は多少ガタガタしていると思うので、ダイヤモンドやすりで削って整えます。
整えたら断面に木工ボンドをすり込んで、型崩れしないように補強します。
② 厚紙のカット
厚紙にコンパスで半径1.6cmの円を書き、ハサミで2,3枚カットし、木工ボンドで貼り合わせます。
重ねた厚みが2mmくらいあれば十分です。
貼り合わせたら、こちらも切断面をダイヤモンドやすりで削って整えます。
この時、紙バトンのサイズにぴったりフィットすることを確認します。
ちょっとガタガタしていますが、こんな感じです。
③ 革のカット
縦の長さはお好みですが、僕は今回は以下のサイズにカットしました。
あくまでも目安ですので、自分で測って微調整してください。
縦:14.5cm
横:10.2cm
④ 木目調シートのカット
カットした革の長さ次第ですが、僕は以下のサイズでカットしました。こちらも目安です。
ソケット部用:縦6cm 横11cm
グリップ部用:縦6cm 横10.2cm
底蓋用: 半径1.6cmの円
⑤ 組み立て
まずボンドを紙バトンの縁に塗って、底蓋を貼ります。
それから紙バトンをソケット部(ラップの芯)に差し込みますが、差し込む前にソケット部の内側に1cmくらいの幅でぐるっと木工ボンドを塗って、そこに紙バトンを差し込みます。少しきついですが無理やりねじ込みます。差し込む長さは1.5~2cmくらいです。
差し込んだらソケット部をこうやって↓床につけたまま転がしてみて、グリップがバタつかないか確認しましょう。
まっすぐ差し込めていないとけっこうバタつくので、バタつかないように角度を調整します。
これで骨組みは完成です。
⑥ 木目調シート、革の巻き付け
木目調シートと革を巻きます。
キューの革巻きほどではありませんが、隙間ができないようにきれいに巻くのは慣れないと難しいです。
隙間ができても目立たないように、紙筒の縁の部分や継ぎ目にあたる部分にあらかじめ革や木目調シートと同系色のマジックで色を塗っておくと、隙間ができても目立ちません。
こんな感じですね。てきとうでいいです。
革は1割の水で薄めた木工ボンドで巻きます。目分量で良いです。ボンドを塗るときは刷毛を使います。
底蓋にも木目調シートを貼り、その上にクッションパッドを貼れば完成です!
⑦ 自作ビリヤードエクステンション完成!
完成写真です。
ちなみに僕は革の上下に白い革を細く切って巻いています。このへんのデザインはお好きなようにカスタマイズしてください。
木目調シートと革の継ぎ目は上から下までこうやって↓揃えるときれいです。
キューにつけるとこんな感じ。革巻きと合わせたので、一体感があって良いですよね。
ちなみに以前僕が塩ビパイプで自作したものはこちらですが、
ご覧の通り紙製のほうがシルエットがすっきりしていて、自然でいいですね。
最初に書いた通り、重さは38g!業界最軽量だと思います。
これくらい軽いとエクステンションをつけてハードショットしても、ストロークがブレづらいと思います。あくまで個人の感想ですが。
ちなみにこのエクステンション、もう1つ良いことがあります。
こうやってジャンプキューを収納できるんで、キューケースの省スペース化に一役買えるんですね。いいことづくめです。
(3) ショートエクステンション自作手順
ついでにショートエクステンションの自作方法も公開します。
メッヅの2インチのやつと同じスペックで作ります。
と言っても作り方は全く同じです。違う部分だけ解説します。
① 材料
100均で売っている粘土を材料に追加します。
メッヅの2インチは34gですが自作版は16gしかないので、粘土を中に入れてお好みの重さに調整します。
② 自作手順
手順も全く一緒です。違うのはサイズですね。
革や木目調シートのサイズはお好みなのでおいといて、ラップの芯と紙バトンは以下のサイズでカットします。
とは言え、これも決まりは何もありません。目安とお考えください。
ラップの芯: 5cm
紙バトン: 5cm
あとの手順は一緒で、最後にお好みの重さになるように中に粘土を入れて、ボンドで固定すれば完成です!
ソケット部がある分、メッヅのものよりは見た目は長いですが、キューを延長できるのは2インチ(5cm)なのでメッヅと同じです。
革巻きも試したんですが、デザイン的にしっくりこなかったので木目調シートのみです。
キューに装着するとこんな感じです。見た目がスリムなので、そんなに違和感ないですよね?
短いエクステンションでこのタイプって売っていないと思います。これならわざわざ高いのを工房に作ってもらわなくても、好きなキューに付けられますよね。そもそも特注品って木製で重いでしょうしね。
今回の自作は長いのと短いの合わせて原価¥800くらいですかね。もちろんデザインによっては¥300くらいで作れると思います。
(4) ありそうな疑問にお答えします
① キューの太さの違いにはどう対応するの?
2021/9/30追記 先日作成した2代目自作エクステンションでは、ソケットに一回り大きいラップの芯を使うことで、この問題を解消できています。くわしくは以下をご覧ください。 https://nu-blo.com/handmade-billiard-extension2/ |
実はこのエクステンションの一番の問題点がここです。ギリギリの細さを攻めているので、削ったりフェルトを貼ったりという調整が難しいんです。
僕の手持ちのバットエンドの太さが違う3本のキューに、ラップの芯をそのまま装着した時の装着感は以下です。太さは100均で売っている安いノギスで測ったので多少誤差はあります。
3.15cm:緩い。ガタつく。
3.2cm: 少しきついがちょうど良い。
3.25cm:かなりきついが何とか装着可能。
ある程度の太さまではラップの芯がゆがむので何とか対応できますが、それ以上は無理かもしれません。自作する前に100均のノギスを買って測ってみてください。それかラップを買ってきて、試しにはめてみるのが一番いいですね。
なお、緩い場合はこうやって薄い紙製テープ貼るだけでフィットするようになります。太さ3.15cmのキューはこれでぴったりになりました。
② 耐久性は大丈夫?
当然心配ですよね。でも通常プレーで壊れるようなことはないです。
紙製なので、踏んづけたりジュースをこぼしたりするとダメになりますが、普通そんなことないですよね?
僕は同じ構造の物を1年以上使っていますが、いまだに問題なく使えています。
これがその1年使ってるやつですが、こうやってエクステンションを持ってバットを持ち上げてもきしんだりガタついたりしないので、そこそこ頑丈です。
使用上の注意
耐久性にはそんなに問題はないんですが、付け外しする際は、ソケット部を持って付け外しするようにしてください。
グリップ部を持ってやると、特にきつめのキューの場合、ソケット部とグリップ部が外れてしまう可能性があります。
2.ビリヤードエクステンション自作で使える革を紹介
僕はリレザを巻きましたが、なるべくならキューの色や革巻きに合わせたいですよね。
薄くて軽くて安い革をいくつか紹介します。
アメ豚
上の写真は左から焦茶、茶、うす茶です。
カスタムキューにも使われている高級なアメ豚ですが、革のグレードが低いのか、格安で手に入ります。
各色ありますので、似たような豚革を巻いている人はぜひどうぞ。
【切り革】アメ豚 アメ色/茶/焦茶/黒/うす茶 25×17.5cm 0.5mm 1枚【メール便選択可】 [ぱれっと] レザークラフト切り革(カットレザー) 切り革(豚革) 価格:770円 |
なおこの革はパリパリで全く伸縮性がないので、キューの革巻きにするのはなかなか難しいと思います。
ピッギーライト
こちらも豚革ですが、カラーバリエーションが豊富です。この革もわりとパリッとしています。
上の写真は茶色です。
【切り革】ピッギーライト 全13色 17×12cm 1.1mm(原厚)/0.5mm【メール便選択可】 [ぱれっと] レザークラフト切り革(カットレザー) 切り革(豚革) 価格:407円 |
ソフトピッグ
上の写真はキャメルです。
これもピッギーライト同様、カラーバリエーション豊富な豚革ですが、ソフトピッグのほうが柔らかくてふんわりした手触りです。柔らかい手触りがお好きなら、こちらのほうが良いと思います。
【切り革】ソフトピッグ(裏地用) 全13色 17×12cm 0.5mm【メール便選択可】 [ぱれっと] レザークラフト切り革(カットレザー) 切り革(豚革) 価格:385円 |
どれもキューの革巻きができるサイズも売っているので、キューとエクステンションの革巻きを揃えることもできますよ。ここで紹介した豚革は「楽天で買った豚革インプレ【アメ豚、ピッギーライト、ソフトピッグ、豚モミソフト】」の記事にもう少し詳しくまとめましたので、興味のある方はご覧ください。
なおキューの革巻きのやり方については「ビリヤードグリップ革巻きの方法【初心者のための手順まとめました】」の記事にまとめていますので、革巻きをしたい人は良かったら参考にしてください。
3.自分にはエクステンションの自作は無理と思ったら
ここまで読んで、やっぱりちゃんとしたのを買おうかなと思ったら、こちらの記事を参考にしてください。
エクステンションて種類が多くて違いとか選び方とかよくわからなくないですか?わかりやすくまとめました。
4.まとめ
いかがでしたか?
市販のものやよくある塩ビパイプ製に比べると、耐久性、耐水性の面で劣りますが、その分他の素材では不可能な軽さを実現しています。
エクステンションをつけてブレイクするわけじゃないですし、踏んづけたりジュースかけちゃうことなんて普通ないですから、僕はエクステンションには耐久性や耐水性よりも軽さのほうがはるかに大事だと思います。
素材が紙なんで誰でも加工しやすいですし、100均で買える道具でできるので良かったら試してみてください。
使ってみたらその軽さと使いやすさに驚くと思いますよ。
2021/9/30追記 上でも紹介しましたが、先日作成した2代目はクオリティがあがり、かつ太目のバットにも対応できるようになりました。 くわしくは以下をご覧ください。 https://nu-blo.com/handmade-billiard-extension2/ |
なお、他にもこんな自作をしています。よろしかったらぜひ読んでみてください。
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