タップシェーバー使っていますか?タップドレッサーとも言いますね。(英語ではタップシェイパー(tip shaper)がたぶん正解)
市販のタップシェーバーっていまいち使いづらいなぁ
あんまり好きなデザインのものがないんだよなぁ
そう思ったら、お好みの形状、サイズ、デザインで自分に合ったタップシェーバーを自作してみませんか?
専門知識不要で誰でも簡単に作れる本革製ビリヤードタップシェーバーの自作方法を公開します。
この記事の内容 1.タップシェーバーの自作方法 |
ビリヤードとモノづくりが好きで、色々なビリヤードグッズを自作している僕が、誰でも簡単に作れるタップシェーバーの自作方法をまとめました。
タップシェーバーを普段は使わない人も、使ってみたくなると思います。
1.タップシェーバーの自作方法
(1) タップシェーバー自作の準備
① 自作に使う材料
自作タップシェーバーの材料はこちらです。
・ファイル
・革(1mm厚以上)
・紙やすり
少し補足します。
ファイル
100均でも売ってるこういうファイルです。この表紙を使います。
革
今回自作するタップシェーバーはファイルの表紙と革が土台になるので、ある程度厚みと張りがあるものが良いです。
2~3mm厚くらいあるといいんですが、あまりそういうのも手に入らないかもしれないので、1mm厚くらいの革を貼り合わせて使う前提で設計しています。
トカゲ革とかサメ革とかを使いたい場合、張りが足りないと思うので、牛革を土台にしてその上に張り合わせるのがいいと思います。
今回僕は約1.2mm厚の牛革を貼り合わせつつ、ワンポイントにワニ革を少し使って作ります。
なお、タップシェーバーの自作で使えるおすすめの革はこのあと紹介します。
紙やすり
100均で買えます。番手(やすりの荒さ)はお好みですが、僕は粗めが好きなので120番を使います。
② 自作に使う道具
タップシェーバー自作に使う道具はこちらです。全部100均で買えます。
・カッター
・ハサミ
・カッティングマット
・スチール定規
・木工ボンド(多用途)
・ダイヤモンドやすり
・のり
・筒状のもの(ラップの芯など)
(2) タップシェーバー自作手順
① 材料のカット
サイズはお好みなんですが、今回は以下のサイズで材料をカットします。
サイズはあくまで参考なんで、誤差があれば作るときに微調整してください。
牛革①: 9.0cm×6.0cm
牛革②: 9.0cm×1.0cm
牛革③: 9.0cm×4.6cm
牛革④: 9.0cm×0.5cm 2本
ワニ革: 9.0cm×0.6cm
ファイルの表紙:8.7cm×5.5cm
紙やすり: 8.6cm×4.7cm
革を切る時のポイント 革は一太刀で切ろうとしてもうまく切れません。カッターで10回くらいに分けて切るイメージで少しずつ切ると、堅い革でもまっすぐ切れますよ。カッターで革に線を引くようなイメージで切りましょう。 |
② 土台づくり
まずファイルの表紙に万遍なくボンドを塗って、牛革①の裏面に貼り合わせます。
ファイルの表紙が牛革①よりも一回り小さいので、上下左右の余白が均等になる位置に貼ります。
そしてこれはお好みですが、今回少しアールをつけていきます。そのほうがタップを削りやすいと僕は思うので。
革を張った後、5分くらいこうやってラップの芯などをあてがったまま待ちます。
ボンドが固まるとこうやってアールがついたまま固まります。
アールの具合はお好みにしてください。もちろん平らでよければそのままでもいいです。
③ 表面の革張り
次に土台で貼った革の上にさらに牛側②、ワニ革、牛革③の順で貼っていきます。
土台にアールをつけるため、外側に貼るこの3枚の革の合計幅は牛革①より少し長めに切っていますので、長さが余るようならその分を切り取ってください。
次に裏面の両サイドに牛革④を貼ります。ファイルの表紙の上から貼っちゃってください。
④ 革の整形
革の切断面をダイヤモンドやすりで磨きます。断面の角も削って、丸みを持たせたほうが見栄えが良いです。
やすりで磨いた後はこんな感じになります。だいぶかたちになってきましたね。
⑤ さらに上の仕上がりを目指すなら
革の断面をトコノールという専用の薬品を使って磨くと見栄えがぐっと良くなります。
やり方は以下のサイトを参考にしてください。
参考サイト
コバ磨きの基本~道具とコツ
コバ磨き剤
トコノール・ミニ 20g(無色) (SEIWA) コバ処理 レザークラフト クラフト 革 皮革 床面仕上剤 革の保護 防汚 お試し ミニサイズ セイワ 誠和 価格:297円 |
で磨いた後はこんな感じです。写真じゃほとんどわからないですねw
でも実際見てみると見栄えはきれいですし、持った感じの手触りも滑らかになるのでおすすめです。興味のある人はぜひやってみてくださいね。
⑥ 紙やすりの貼り付け
裏面の中央にのりで紙やすりを貼ります。
のりなんかで大丈夫なの?って思うかもしれませんが、大丈夫です。剥がそうと思わなければ剥がれませんし、交換する時は簡単に剥がせるのでのりがベストです。
ここにファイルの表紙を使ったのは、紙やすりをのりで貼って、簡単に貼り替えができるようにするためだったんですね。
⑦ 自作タップシェーバー完成!
自作タップシェーバー完成です!
まずは表面、ワニ革がいいアクセントになっていてかっこいいですよね!
こちらが裏面。やすりの採寸がてきとうだったので、少し短くなってしまいましたが、まあ問題ありません。どうせまた貼り替えるので。
使う時はこんな感じですね。
これまでの自作の中で今回が一番簡単だと思います。製作時間は2時間、原価は¥350くらいでしょうか。
ボンドが乾くの待ってたり、断面磨きとかやってたんで意外と時間がかかってしまいましたが、そんなに難しいことはしていません。
で肝心の使用感ですが、手にフィットする形状なんでめちゃくちゃ使いやすいです!
革とファイルの表紙だけというペラペラの作りですが、ボンドが固まるとかなり硬くなるので、使っていてしなったりゆがんだりということはほとんど感じません。もちろん革の厚みにもよりますが、手にフィットする形状ですし、作りがしっかりしていてかなり使いやすいですよ!
そして本物のワニ革を使ってるんで高級感もあっていいですよね。本物は牛革の型押しなんかでは表現できない輝きがあります。
革はキューの革巻きやチョークケースなんかと合わせると一体感があってかっこいいと思います。
あと何よりのポイントはやすりが減ってきたらまた100均で紙やすりを買ってきて貼り替えればいいっていうところですね。
ずっと使えると思います。
ちなみにこのタップシェーバー、「樹脂タップの交換方法【旋盤なしで取り外し~取り付けまで】」の記事でG10タップの整形にも使ってみました。性能的にも問題ありませんね。
あと「ビリヤードのタップ交換【失敗しない手順まとめました】動画あり」の記事でもこのタップシェーバーを使ってます。こっちは動画もとってますので、載せておきます。00:17あたりからです。(再生できない場合はこちら)
2.タップシェーバー自作に使えるおすすめの革
(1) 牛革
まずはベースとなる牛革をいくつか紹介します。
ベジリオ
型押しによる自然なシボ(しわ)が特徴です。こういう見た目が好きならこちらをどうぞ。
【切り革】ベジリオ 黒/紺/赤/茶/焦茶/グレーカーキ 17×12cm 1.2mm厚(原厚)【メール便選択可】 [ぱれっと] レザークラフト切り革(カットレザー) 定番切り革(牛ヌメ) 価格:385円 |
ロロマ
使い込むほどツヤが出ます。経年変化を楽しみたいならこれがおすすめです。とてもきれいな革です。
価格:330円 |
ロロマに関して詳しくは「ロロマレザー|全12色を写真と動画で紹介」の記事にまとめました。写真と動画で紹介しています。
エルヴァケーロ
カモフラ柄のイタリアンレザーです。こちら3.2mmのものを買えば、貼り合わせずにそのまま使えると思います。
価格:330円 |
僕はエルヴァケーロが大好きなので、色々な記事でおすすめしていますが、インプレ記事をまとめましたので、興味のある方はぜひ「エルヴァケーロの切り革インプレ【迷彩柄のイタリア製牛ヌメ革】」の記事をご覧ください。
(2) エキゾチックレザー
今回のワニ革のようにワンポイントに使うエキゾチックレザーは「【革小物づくりに最適】ネットで買える革はぎれ【珍しい革多数あり】」の記事から色々な種類のはぎれが買えますので、お好みの革を選んでください。
3.まとめ
これなら簡単に自作できそうって思いませんでしたか?
市販のものでもかっこいいのはありますが、どうせなら自分の手にあった使いやすいものがいいですよね。
今回僕が作ったものは、僕が良いと思ったサイズ、デザインで作りましたが、決まりなんてないので自分にあったものを作ってみてください。
てことで違うバージョンも作ってみました。こっちはまた違う材料を使っています。
なお、他にもこんな自作をしています。よろしかったらぜひ読んでみてください。全部同じ革で作ったら、一体感があって注目されること間違いなしですよ!
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