昔はダサいというイメージがあったビリヤードグローブ。
近年はおしゃれなグローブが多く、愛用者も増えましたね。
グローブを使う理由、使わない理由は人それぞれですが、僕はメリットのほうが多いと思って長年愛用しています。
この記事では、そのへんをおさらいしつつ、グローブの選び方やおすすめも紹介していきます。
ビリヤードグローブって、あまり難しいことを考えず、シンプルに選べば良いと思ってます。
グローブ選びで悩んでいる人はもちろん、グローブを使おうか迷っている人も、よかったら最後までお付き合いください。
この記事の内容 1.ビリヤードグローブとは|種類と違い 2.ビリヤードグローブのメリットとデメリット 3.ビリヤードグローブは必要? 6.おすすめビリヤードグローブ3選 |
1.ビリヤードグローブとは|種類と違い
出典:ニューアート
ビリヤードグローブとは、ビリヤードのプレー中に利き手とは反対側、ブリッジを組むほうの手に装着する手袋のことですが、色々な種類があります。
ビリヤードグローブの種類分けに明確な定義はなく、ファスナー(マジックテープ)の有無、手のひらの滑り止めの有無、素材の違いなど、色々と違いはありますが、特徴で分けると以下のようなものがあります。
(1) 3本指タイプ
これが昔からある一番オーソドックスなタイプで、親指、人差し指、中指の3本だけが生地で覆われているタイプです。
OWL 出典:ニューアート
なお、上のOWLは3本指すべての指先がカットされているオープンフィンガータイプですが、一部の指先だけカットされているものや、
OWL 出典:ニューアート
指先がカットされていないクローズドフィンガータイプなどもあります。
DK 出典:ニューアート
このあたりはプレーヤーによって好みが分かれるところです。
(2) 5本指タイプ
これは最近発売されたスリーセカンズのグローブが該当します。見ての通り、5本指すべてが覆われています。
3 seconds 出典:ニューアート
今のところ、5本指タイプはスリーセカンズ以外ないと思いますが、今後増えてくるかもしれませんね。
(3) フィンガーグローブ
フィンガーグローブとは、見ての通り、親指、人差し指、中指のみに装着するタイプです。
出典:ニューアート
シャフトが触れる部分にしか生地がないため、グローブが苦手な人、涼しいほうが良い人などに一定の人気があるグローブです。
(4) 右利き、左利き専用タイプ
これは上のスリーセカンズやZANがそうなのですが、右利き用(左手着用)、左利き用(右手着用)に分かれているタイプで、基本的に右利き用のものは右利きの人、左利き用のものは左利きの人専用のつくりになっています。
(5) リバーシブルタイプ
上の右利き、左利き専用タイプとは違い、左右どちらの手にも着けられるタイプです。
「利き手専用タイプのほうが立体裁断で手にフィットするからおすすめ」とかよく言われますが、個人的にはリバーシブルタイプも選択肢としては全然ありだと思っています。
Vapor 出典:ニューアート
2.ビリヤードグローブのメリットとデメリット
ADAMグローブ 出典:ニューアート
グローブは必ずしなければいけないものではなく、グローブをする人、しない人、理由は人それぞれだと思いますが、ビリヤードグローブには以下のようなメリットとデメリットがあります。
(1) メリット
まずメリットはこちら。
・シャフトの滑りがスムーズになる ・ストローク時の摩擦から指を保護できる ・チョークの汚れが手に付きにくくなる |
以下に補足します。
シャフトの滑りがスムーズに
一番のメリットは、シャフトの滑りがスムーズになるという点です。手汗をかく人や、湿気が多い梅雨時はシャフトが指に引っ掛かって思うようにストロークできなかったりするんですが、グローブがあればその心配はありません。1年中、湿度や手汗の量に関係なく、いつも同じ感覚でストロークすることができる、これが最大のメリットだと思います。
ストローク時の摩擦から指を保護
2点目ですが、グローブの使用が今ほど一般的ではなかった昔は、ブレイクショット、ハードショット、ドローショットなどの練習をしていると、摩擦で指が火傷したり、皮が剥けたりということがよくありました。でもグローブをしていれば、そんなことは気にせずに思い切り練習することができますね。
チョークの汚れを軽減
最後に3点目、グローブをしていれば、手に付くチョークの汚れを減らすことができるのもメリットです。
(2) デメリット
一方で、ビリヤードグローブには以下のようなデメリットもあります。
・滑り過ぎる ・グリップに伝わるキューやラシャの感覚が鈍る ・かえってキューが出づらくなることがある |
以下に補足します。
滑り過ぎる
まず1点目、滑りを良くするためのグローブですが、人によっては滑り過ぎると感じることがあります。僕もスタンダードブリッジではそうは感じないのですが、オープンブリッジの時にそう感じることがあります。
感覚が鈍る
2点目、プレーしているとブリッジ側の手からキューを通して伝わる情報や、素手でラシャを掴むことによって得られる感覚があります。グローブをすることで多かれ少なかれその感覚が鈍ってしまいます。
かえってキューが出づらくなることがある
最後に3点目、指が太い人や生地が厚いグローブの場合、グローブをしているとスタンダードブリッジの輪っかが狭くなる分、かえってキューを出しづらくなることがあります。それが気になる人はなるべく薄手のものを使ったほうが良いですね。
こういう点を嫌う人はグローブをしなかったり、使う場面を限定したりしていますが、3点とも慣れで解消できるものだと思いますし、使ってみたらメリットのほうが多いなと感じると思います。
実際、使う気はなかったけど使ってみたらやめられなくなったって人もいますから、一度は使ってみるべきだと思います。
3.ビリヤードグローブは必要?
(1) どれぐらいの人がグローブ使ってる?
メリット、デメリット色々書きましたが、実際のところどれぐらいの人がグローブを使っているんでしょうか?
ニューアートさんがアンケートとってましたので紹介します。
こちらが集計結果です。
投票数150票のうち、常に使っている人は84人(56%)、使う時がある人を合わせるとちょうど100人(66%)です。昔に比べたら増えたなとは思っていましたが、こんなにたくさんの人が使ってるんですね。
ちなみのこのアンケートは2018年11月のものです。今はどうなんでしょうね。
これだけ多くの人がグローブを使っているという事実はあるものの、必要かどうかなんて他人が決めることではありませんね。上のアンケートで58件のコメントがされていますので、グローブする派、しない派の意見をいくつか紹介します。
(2) グローブは必要!|グローブする派の意見
グローブする派の意見はこちら。
・湿気の多い時期はグローブを使う ・手汗が多いので ・摩擦が一定だとストローク、タッチが安定する ・ブレイクで抑え込んでも火傷しないから ・ブレイク練習で手の皮が剥けたから ・パウダーを使っていたが、ラシャやシャフトが汚れるから |
だいたい思っていた通りですね。
最後のパウダーについて、最近の人はなんのことだかわからないかもしれませんが、昔は滑りを良くするためにベビーパウダーなんかを指やシャフトに付けて使っている人もいました。フィリピンのビリヤード場の写真を見たことがある人はわかると思いますが、レール上にパウダーをぶちまけてたりするんで、テーブルはだいぶ汚れますね。
(3) グローブは不要!|グローブしない派の意見
グローブしない派の意見はこちら。
・滑り過ぎる ・手汗が少ないので不要 ・ダサい、恥ずかしい ・感覚が鈍るから ・グローブに違和感(締め付け、ダブつき、滑り過ぎ) ・利き手以外で撞く時に感覚が変わるから |
これもだいたい思っていた通りですが、最後の利き手以外で撞く時に感覚が変わるからという意見は初めて聞きました。
撞きづらい配置になった時、メカニカルブリッジを使わずに逆手で撞く人はいますが、たしかに片方だけグローブを着けてると、もう片方は感覚変わりますよね。だからグローブしないという理由はわかりますが、逆に同じ理由で両手にグローブしているという人もいたのには驚きました。
と意見は色々あるけれど
個人的にはグローブ着用にはメリットのほうが多いと思っています。僕は今ほどグローブ着用がメジャーではなかった頃からずっと愛用していて、今やグローブ無しでのビリヤードは考えられません。
以下の項では、そんな僕なりの視点でビリヤードグローブの選び方やおすすめを紹介していきたいと思います。
とその前に、今回この記事をまとめるにあたり、人気商品や新商品をいくつか試してみましたので、まずはそれらの比較結果を以下に紹介します。
4.ビリヤードグローブ人気4商品を比較
今回試したのは以下4種です。
ナビゲーター OWL ZAN 3 seconds |
僕個人の感想ですが、比較結果は以下の通りです。
3セカンズ | ZAN | OWL | ナビゲーター | |
コスパ | △ ¥2,750 | △ ¥2,970 | △ ¥2,200 | ◎ ¥660 |
デザイン | ◎ | ○ | △ | △ |
生地の厚さ | 薄い | 普通 | 普通 | 厚い |
フィット感 | ○ | ○ | ○ | × ※2 |
通気性 | △ | ○ | △ | △ |
耐久性(参考) ※1 | △ | △ | ○ | ◎ |
脱着の容易さ | × | △ | △ | △ |
使用感 | ○ | ○ | × ※3 | ○ |
◎:とても良い ○:良い △:普通 ×:悪い
※1 使い込んだわけではなく、生地の材質、厚さなどから判断しています。
※2 フリーサイズのみのため、僕には少し大きめであることも原因です。
※3 OWLが悪いわけではなく、僕のブリッジや手の形とOWLの相性が悪いです。
くわしくは以下の記事にそれぞれのグローブのレビューをまとめていますので、そちらをご覧ください。
ビリヤードグローブのレビュー記事 スリーセカンズグローブのレビュー|デザインと自然なフィット感が最高 |
5.ビリヤードグローブの悩み過ぎない選び方
僕の中では以前からグローブ選びの基準はあったんですが、今回4種のグローブを比較してみてアップデートできた部分もありました。そのへんも加味して僕なりのビリヤードグローブの選び方を紹介します。
何を重視するかは人それぞれだと思いますが、以下のポイントをおさえておくと良いと思います。
・身に着けるものだからデザインが大事 ・デザイン面、快適さの観点でショート丈はおすすめ ・その他機能面は言うほど差はないので悩んでも無駄 ・結局使ってみないとわからないことがある ・コスパはそこまで気にしなくても良い |
1つずつ解説します。
身に着けるものだからデザインが大事
最近ビリヤードを始めた人はピンとこないと思いますが、昔はグローブを着けるのはかっこ悪いって風潮がありました。実際、上のアンケートでもダサいから着けないと言っている人は一定数います。
昔のグローブってこんなのでしたからね。たぶんこういうダサいイメージが残ってるからじゃないかと思います。
出典:ニューアート
でも今はグローブがダサいって感覚はあまりないですよね。それはやっぱりおしゃれなデザインのグローブが増えたからだと思います。
逆に言うと、これだけおしゃれなグローブがたくさんある中で、あんまりダサいのを着けてると、それこそ本当にダサいって思われますよね。
今やグローブのデザインはとても大事だと思います。
デザイン面、快適さの観点でショート丈はおすすめ
上の写真みたいな味も素っ気もないグローブでも多少ユーザーはいたんですが、いつからかこんなおしゃれなグローブが出てきて、グローブが恥ずかしいって風潮もなくなってきたと思います。
出典:ニューアート
このタイプのグローブはだいたいファスナー(マジックテープのベルト)が手首のあたりについていて、他のグローブも同じような構造のものがほとんどだったんですが、最近はスリーセカンズやZANのように、ファスナーの位置をずらしたショート丈のグローブも出てきています。
出典:ニューアート
ショート丈のグローブを使ってみてわかったんですが、
・手首が開いているので涼しい ・腕時計をしていても邪魔にならない ・手首で留めるタイプにありがちな手首周りのダブつきがない ・デザインがすっきりして野暮ったさがない |
というメリットがあってとても良いです。
OWLや、他の多くのメーカーのグローブが手首でファスナー留めるタイプですが、それだと下の画像のように腕時計をしていると邪魔ですし、全体のフィット感は良くても、手首のところだけダブついて、だらしない感じがします。
それに比べると、スリーセカンズやZANは手首がとてもすっきりしています。
この良さを知ってしまうと、手首で留めるタイプはもう使おうと思えなくなりました。
その他機能面は言うほど差はないので悩んでも無駄
上で4種のグローブを比較し、項目毎に4段階で評価をしました。◎があったり、×があったり、一応違いはつけましたが、正直デザイン以外の部分については、悩むほどの差ではないと思います。
例えばですが、
「スリーセカンズはデザインが大好きだけど、脱着が面倒そうだから他のにしよう」
「ナビゲーターがシンプルで良いんだけど、滑り止めがあったほうが良いらしいから他のにしよう」
とか悩むぐらいなら、欲しいと思ったほうを買ったほうが良いです。好きなデザインのものなら、多少他より劣る部分があっても正直気にならないと思います。
結局使ってみないとわからないことがある
これは上で書いたこととかぶるのですが、あれこれ悩んで買ってみても、使ってみると全然予想もしないところに問題が見つかったりします。
例えば僕がOWLの使用感を×にしている理由ですが、ストロークする際、シャフトがこの赤丸部分の縫い目にあたることで、縫い目がグリグリと指を圧迫して痛いんです。
これはOWLの縫い目の位置、大きさ、硬さと僕の手、ブリッジの形の相性が悪いからだと思います。
こういうことがあったんで、僕は最終的に縫い目が少ないナビゲーターに落ち着きました。
こんなの使ってみないとわからないですよね。こういうこともありますので、細かいことであれこれ悩むより、良いなと思ったものを買って試してみるのが良いと思います。
当然、自分に合わないものにあたる可能性もありますが、それはタップもチョークも一緒ですからね。
コスパはそこまで気にしなくても良い
グローブの価格幅ですが、ニューアートで売っているグローブだと一番安いのがこれ、¥330。
出典:ニューアート
一番高いのがプレデターのこれ、¥3,630。
出典:ニューアート
この2種を比べると¥3,000以上の差がありますが、人気商品はだいたい¥2,000~¥3,000の幅に収まると思います。
グローブは消耗品ではありますが、交換時期は2~3か月ぐらいという人が多いんじゃないでしょうか。それぐらい使うとどこかが擦り切れてきたり、ほつれてきたりするんですが、人によっては半年ぐらい普通にもつ人も多いと思います。
1日で使い捨てるならまだしも、3か月とか使えるなら、¥500でも¥3,000でもたいして変わらないです。
コスパはあまり気にせずに、気に入ったものを買えば良いと思います。
補足:グローブのサイズ選びについて
グローブのサイズ選びってわりと曖昧だったりします。服がLだからグローブも当然Lでしょみたいな。
ですがサイズ表記はメーカーによってまちまちです。身長180cmの僕は当然のようにLを使っていたんですが、実はだいたいのメーカーでMのほうが適正サイズであることが最近になってわかりました。
その点、こちらの記事にまとめましたので、サイズ選びの参考にしてください。
6.おすすめビリヤードグローブ3選
前置きがだいぶ長くなりましたが、ここからおすすめのグローブをいくつか紹介します。
(1) スリーセカンズ|デザインが最高
1つ目のおすすめは、キューケースが大人気のスリーセカンズのグローブです。
デザインの好みは人それぞれだとは思いますが、このデザイン、おしゃれだなと思う人は多いんじゃないでしょうか。
価格:2,750円 |
個人的感想ですが、このグローブには以下のような特徴があります。
良いところ ・デザインが最高 ・心地よいフィット感 ・ショート丈が快適 |
悪いところ ・脱着が面倒 |
5本指構造なので脱着が面倒というデメリットはありますが、それを補っておつりがくるぐらい良いところがあります。
5本指構造とファスナーを手の甲に配置したことによる、手全体を優しく包み込むような自然なフィット感、ショート丈の快適さなど、デザインだけのグローブではありません。
一度は試してみる価値があるグローブです。
この点、こちらの記事にくわしくレビューをまとめましたので、興味があればご覧ください。
(2) ZAN|欠点がない
2つ目のおすすめグローブは、斬タップのZANが手掛けるグローブです。
【メール便可】斬グローブ クールフィット 左手着用 各種 (右利きプレイヤー) 価格:2,970円 |
【メール便可】斬グローブ クールフィット 右手着用 各種 (左利きプレイヤー) 価格:2,970円 |
ZANグローブに関して僕の感想をまとめると以下のような感じです。
良いところ ・デザインがかっこいい ・ショート丈が快適 ・通気性良し ・フィット感良し |
悪いところ ・特になし |
どれも僕の私見ですが、ZANグローブにはこれと言った欠点が見当たらず、総合的にかなり良いグローブだと思います。
デザイン、ショート丈による快適さ、通気性、フィット感、どれをとっても平均点以上で、満足度が高いです。
こちらも一度は試す価値があるグローブです。
この点、こちらの記事にくわしくレビューをまとめましたので、興味があればご覧ください。
(3) ナビゲーター|丈夫でコスパ最強
3つ目のおすすめグローブは、タップやキューケースなど、ビリヤード用品を幅広く手掛けているナビゲーターのグローブです。
ビリヤード グローブ NAVIGATOR ナビゲーター メンズ フリーサイズ 黒 新品価格 |
ナビゲーターグローブに関して僕の感想をまとめると以下のような感じです。
良いところ ・安い ・厚手で丈夫 ・縫い目が少ないのでストロークの邪魔にならない ・指先を好きな長さにカットできる |
悪いところ ・サイズが選べない ・通気性が良くない ・デザインが味気ない |
安いんで、他のグローブに比べると劣る部分が多いのは致し方ないことですが、シンプルゆえの良さもあると思います。
そして何より丈夫でコスパが良いです。
グローブのコスパはあまり気にしてくも良いと上では書きましたが、頻繁にグローブの買い替えが必要な人もきっといますよね。
それに買い替えはお金だけでなく時間も使います。
そういうのが面倒な人には、丈夫で安いナビゲーターはおすすめですよ。
ナビゲーターについては、こちらの記事にくわしくレビューをまとめましたので、興味があればご覧ください。
7.まとめ
いかがでしたか?
タップやチョークほどではないにしても、グローブも選択肢が増えてきて、選ぶのに迷ってしまいますが、シンプルに気に入ったデザインのものを選ぶのが一番良いと思います。
素材や機能面での差って気にするほどではないかなと思います。
しょせん消耗品ですから、難しいことは考えず、気軽に選びましょう。
この記事がグローブ選びの参考になったら幸いです。
道具選びに関しては他にもこんな記事を書いていますので、良かったらご覧ください。